~時刻表を読むのとは違うけれど・・・~
試した人はいないでしょうが、例えば時刻表を最初の1ページ目から順番に読み始めていったとすると、どんなに暇で根気強い人でも途中で断念してしまうでしょう。私の場合、読書に関しては、専門書の場合は途中から読みはじめたり、あるいは項目別に読むという読み方は決してしません。いつも最初の1ページ目から読み始めることにしています。専門書以外の一般書ももちろん最初のページから読むわけですが、集中力があった以前は一度読み始めるとその本に集中し、読み終わるまでは他の本には手を出しませんでした。読み終わった本は手帳に本のタイトルとその年の何冊目かを記載し、年間100~130冊を目標にしていたものでした。しかし40代頃からは地下鉄の中とか帰宅後とか寝る前等、複数の本を同時並行的に読む癖がつき、今も3冊読みかけの本があります。そのかわり、人生残された時間はだんだん少なくなってくるので、時刻表に限らず読んでみて面白くない本は最後まで読むことはせず、途中で読むのを放棄してしまいます。
IFRSの本に関しては、業務上必要な本ですので、理解しづらい日本語という翻訳問題の壁はあるものの、時刻表並みとはいかないまでも根気強く読まなければなりません。千ページ本が出ていたのでその本から読み始めようとも考えたのですが、とりあえず今年は経営財務と旬間経理情報、それに会計監査ジャーナルや企業会計・季刊会計基準等に記載されているIFRS関係の記事を読みあさり、200数十ページの本を3冊ほど読了しました。このあたりでいよいよ千ページ本にとりかかろうと考え、IFRS本に関しては定評があり、多くの会計士が読んでいる昨年出版された大手監査法人編著の本にチャレンジしようと思ったのですが、なんと今年の秋ごろにさらに千ページ本の3部作が出版されているではありませんか。辞書代わりに購入しようかとも思ったのですが、そうこうしているうちに12月にさらに千ページ本が出版されていました。こちらは即購入。さっそく読み始めることにします。昨年の年末年始は焼き物の本を11冊読めたので、そのペースでいけば千ページくらいどうってことないのだ。
日本全国には会社数が250万社ほどあるといわれていますが、そのうち数年後IFRSが適用されるのは、上場会社のとりあえずは連結財務諸表だけですので、3,600社ほどの上場会社とその連結子会社だけです。総会社数の1%に達するのでしょうか?このあたりのことを真剣に考えたりすると、千ページ本を前にして気持ちが萎えてしまうので、あまり考えないことにするのです。時刻表を読むのと同じ結果にならないよう、久しぶりに気合十分な私です。ワシだってやるときはやるケンネ。
2010年12月13日月曜日
2010年11月12日金曜日
人事は難しい
~「人事に弁明なし!たとえ間違っていても」というけれど・・・~
7~8年くらい前になりますか、退職給付会計が導入された後、日本においても人事評価に関して成果主義が流行り始めました。某上場会社が真っ先に取り入れて、長年日本でなじんできた年功序列制度に一石を投じることになったのです。ちょうどその頃、私に講演依頼があり、会計の話(当時は会計ビッグバン)とそれ以外のテーマで、2日間にわたって話をしてほしいと頼まれてしまったのでした。頼まれたからには断ることのできない性格ですので、それでは人事・法務・労務の話をしましょうと見栄を張ってお答えし、それからは特に人事に関して私の猛勉強が始まったのです。
講演は9月だったため、夏休み中は1日10時間くらい部屋に閉じこもり、人事関係の本を読みあさってはレジュメを作成するという毎日が続きました。その頃は人事関係の新聞記事が毎日のように登場していたため、得意のスクラップで情報を集め、自分なりにそれなりの人事評価体系をまとめることができたのです。
人事で難しいのは、ほとんどの人が自分を過大評価する傾向があるということでしょうか、あるいは「所詮自分のことはわかってもらえない」という、あきらめがあることでしょうか、評価されるほうからするとなかなか納得感がないということだと思います。「あんたなんかに評価されたくない」と思っている人は多いことでしょう。評価するほうがいくら公平な人事評価を行っていると言ってみても、評価者のお気に入りで能力以上の評価をされた人以外の大部分の人は、自分の評価に対して不満を抱いているにちがいありません。
そこで出てくるのが人事の格言、「人事に弁明なし!」です。そしてこの後に続く言葉がまだあります。「たとえ間違っていても」とくるわけですね。たとえ弁明したとしても誰をも納得させる人事などあり得ないわけで、その人たちの不満や「なぜだ!」に応えていてはきりがないし、感情のある人間のやることだから、完全な人事考課など無理ですよということから、この鉄則が人事担当者の間で成り立っていたのだろうと思います。人事考課に対する不満を聞いてあげて、それで評価をころころ変えていては、人事制度そのものが崩壊してしまうということになりかねないですからね。
しかしである。弁明とはいかないまでも、なぜこの評価なのかという説明を、ある程度ご本人に対してしてあげるべきではないでしょうか。納得感のない人事考課が組織の活性化を蝕んでしまうのは、過去の事例が証明していますし、いくら頑張っても評価されず、年功が優先される組織であれば、「やったもの負け」問題がはびこってしまいます。あなたの隣にも、仕事をしているふりをしながら、実はインターネットで遊んでいるという人はいませんか。難しい仕事を頼まれると、今の仕事が忙しいからと言い訳して逃げている人はいませんか。低いハードルを設定して、それをクリアして喜んでいる人はいませんか。高いハードルを設定して、失敗しそうでもそれをクリアしようとトライする人を、私は応援したいと思います。
7~8年くらい前になりますか、退職給付会計が導入された後、日本においても人事評価に関して成果主義が流行り始めました。某上場会社が真っ先に取り入れて、長年日本でなじんできた年功序列制度に一石を投じることになったのです。ちょうどその頃、私に講演依頼があり、会計の話(当時は会計ビッグバン)とそれ以外のテーマで、2日間にわたって話をしてほしいと頼まれてしまったのでした。頼まれたからには断ることのできない性格ですので、それでは人事・法務・労務の話をしましょうと見栄を張ってお答えし、それからは特に人事に関して私の猛勉強が始まったのです。
講演は9月だったため、夏休み中は1日10時間くらい部屋に閉じこもり、人事関係の本を読みあさってはレジュメを作成するという毎日が続きました。その頃は人事関係の新聞記事が毎日のように登場していたため、得意のスクラップで情報を集め、自分なりにそれなりの人事評価体系をまとめることができたのです。
人事で難しいのは、ほとんどの人が自分を過大評価する傾向があるということでしょうか、あるいは「所詮自分のことはわかってもらえない」という、あきらめがあることでしょうか、評価されるほうからするとなかなか納得感がないということだと思います。「あんたなんかに評価されたくない」と思っている人は多いことでしょう。評価するほうがいくら公平な人事評価を行っていると言ってみても、評価者のお気に入りで能力以上の評価をされた人以外の大部分の人は、自分の評価に対して不満を抱いているにちがいありません。
そこで出てくるのが人事の格言、「人事に弁明なし!」です。そしてこの後に続く言葉がまだあります。「たとえ間違っていても」とくるわけですね。たとえ弁明したとしても誰をも納得させる人事などあり得ないわけで、その人たちの不満や「なぜだ!」に応えていてはきりがないし、感情のある人間のやることだから、完全な人事考課など無理ですよということから、この鉄則が人事担当者の間で成り立っていたのだろうと思います。人事考課に対する不満を聞いてあげて、それで評価をころころ変えていては、人事制度そのものが崩壊してしまうということになりかねないですからね。
しかしである。弁明とはいかないまでも、なぜこの評価なのかという説明を、ある程度ご本人に対してしてあげるべきではないでしょうか。納得感のない人事考課が組織の活性化を蝕んでしまうのは、過去の事例が証明していますし、いくら頑張っても評価されず、年功が優先される組織であれば、「やったもの負け」問題がはびこってしまいます。あなたの隣にも、仕事をしているふりをしながら、実はインターネットで遊んでいるという人はいませんか。難しい仕事を頼まれると、今の仕事が忙しいからと言い訳して逃げている人はいませんか。低いハードルを設定して、それをクリアして喜んでいる人はいませんか。高いハードルを設定して、失敗しそうでもそれをクリアしようとトライする人を、私は応援したいと思います。
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徒然
2010年10月9日土曜日
中日が優勝した
~当たらない予想~
「会社あるところに会計あり」とは昔から言われてきた言葉です。これは今でも変わりはありません。では会計の何が変わったのか?それは見積もりの要素が入ってきたことです。従来の会計は、あくまで企業の活動の「結果」を仕訳に落とし込んできたのですが、最近の会計には見積もりの要素が大いに入ってきました。ちょうど税効果会計が導入されたころからでしょうか。その後は減損会計・資産除去債務・IFRSと、見積もりと判断の妥当性が重要な要素となってきました。将来のことは誰にもわからないのですが、企業は予想して監査人に納得させて会計処理しなければなりません。会計も随分変わりましたね。
ところで話は突然変わって、私は落合博満が好きです。現役時代、落合がシーズン後半から一軍にデビューしたと思ったら大活躍、翌年は首位打者、しかも秋田県出身だということもあり、私も注目しはじめました。江川事件のころからスポーツ新聞もとっており、内容によっては朝駅まで駆けつけて3~5紙のスポーツ新聞をかき集め、週末には気になる記事や発言をスクラップしていました。そのおかげでA3判のスクラップブックが30冊ほどたまり、私の貴重なお宝となっています。もちろん落合に関する記事はほとんどスクラップしています。ネットのWikipediaで落合博満を調べてみたら長々と解説してあったのですが、ほとんど記憶に残っている内容でした(昔のことはよく覚えているのだ)。大変面白いです。
中日優勝と前後して、ちょうどテリー伊藤さんが書いた「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」という本を読んでいたのですが、落合は協調性がなく周りと群れず、しかも決して妥協しないし自分の信念を曲げない人間のようです(わかっていましたが)。最もサラリーマンに向かいないタイプ、プロ中のプロ、サムライといった印象でしょうか。なんと素晴らしい生き方でしょう。サラリーマン化した多くの日本人にはなかなか受け入れがたい存在のようですが、特に50歳以上の人たちに拒否感が強いと本には書いていました。しかし逆に最近の若い人たちにはあまり抵抗感がないようです。生き方や価値観が変わってきているのでしょうか。
話は戻って会計上の見積もり・予想の話です。予想というのはつくづく難しいものだと思います。今年の中日の優勝を一体誰が予想したでしょうか。圧倒的戦力から考えるとだれもが巨人優勝と答えるでしょう。そういう私も、「中日には優勝してほしいけれど、今年は厳しいな」と思っていましたし、ましてや一時首位巨人に8ゲーム差をつけられた時にはBクラス、あるいは5位もありうるのではないかと思っていたのです(すまなかった!落合)。どうしても野球のほうに話がいってしまうなぁ。会計上の見積もりについても、これだけ日々の変化が激しい世の中になってくると、1年先どうなっているのかを予想するのは難しい事ですし、ましてや5年後の業績を予想して的中させるというのは至難の業だと思います。右肩上がりのバラ色の人生を予想するのは簡単ですが、監査人を納得させることができるかどうかは疑問です。会計理論上は、「こうなる確率が○○%で、別の確率が○○%で、加重平均すると○○%です。したがってこの金額です。」という、期待値を用いた予測方法もあるようですが、なんとなく理屈っぽくて説得力に乏しいような気がしませんか。
「会社あるところに会計あり」とは昔から言われてきた言葉です。これは今でも変わりはありません。では会計の何が変わったのか?それは見積もりの要素が入ってきたことです。従来の会計は、あくまで企業の活動の「結果」を仕訳に落とし込んできたのですが、最近の会計には見積もりの要素が大いに入ってきました。ちょうど税効果会計が導入されたころからでしょうか。その後は減損会計・資産除去債務・IFRSと、見積もりと判断の妥当性が重要な要素となってきました。将来のことは誰にもわからないのですが、企業は予想して監査人に納得させて会計処理しなければなりません。会計も随分変わりましたね。
ところで話は突然変わって、私は落合博満が好きです。現役時代、落合がシーズン後半から一軍にデビューしたと思ったら大活躍、翌年は首位打者、しかも秋田県出身だということもあり、私も注目しはじめました。江川事件のころからスポーツ新聞もとっており、内容によっては朝駅まで駆けつけて3~5紙のスポーツ新聞をかき集め、週末には気になる記事や発言をスクラップしていました。そのおかげでA3判のスクラップブックが30冊ほどたまり、私の貴重なお宝となっています。もちろん落合に関する記事はほとんどスクラップしています。ネットのWikipediaで落合博満を調べてみたら長々と解説してあったのですが、ほとんど記憶に残っている内容でした(昔のことはよく覚えているのだ)。大変面白いです。
中日優勝と前後して、ちょうどテリー伊藤さんが書いた「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」という本を読んでいたのですが、落合は協調性がなく周りと群れず、しかも決して妥協しないし自分の信念を曲げない人間のようです(わかっていましたが)。最もサラリーマンに向かいないタイプ、プロ中のプロ、サムライといった印象でしょうか。なんと素晴らしい生き方でしょう。サラリーマン化した多くの日本人にはなかなか受け入れがたい存在のようですが、特に50歳以上の人たちに拒否感が強いと本には書いていました。しかし逆に最近の若い人たちにはあまり抵抗感がないようです。生き方や価値観が変わってきているのでしょうか。
話は戻って会計上の見積もり・予想の話です。予想というのはつくづく難しいものだと思います。今年の中日の優勝を一体誰が予想したでしょうか。圧倒的戦力から考えるとだれもが巨人優勝と答えるでしょう。そういう私も、「中日には優勝してほしいけれど、今年は厳しいな」と思っていましたし、ましてや一時首位巨人に8ゲーム差をつけられた時にはBクラス、あるいは5位もありうるのではないかと思っていたのです(すまなかった!落合)。どうしても野球のほうに話がいってしまうなぁ。会計上の見積もりについても、これだけ日々の変化が激しい世の中になってくると、1年先どうなっているのかを予想するのは難しい事ですし、ましてや5年後の業績を予想して的中させるというのは至難の業だと思います。右肩上がりのバラ色の人生を予想するのは簡単ですが、監査人を納得させることができるかどうかは疑問です。会計理論上は、「こうなる確率が○○%で、別の確率が○○%で、加重平均すると○○%です。したがってこの金額です。」という、期待値を用いた予測方法もあるようですが、なんとなく理屈っぽくて説得力に乏しいような気がしませんか。
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会計
2010年10月6日水曜日
公正価値について考える
~なかなか攻略できないIFRS~
平成11年ごろから会計ビッグバンが始まり、その後減損会計・内部統制監査と、ここ10年くらいの間に会計監査を巡る環境は大きく変化してきました。アメーバ人間の私は、新しい会計基準等が出るたびにすぐに飛びつき、基準が公表される前でも審議会の議事録を読み込んでは情報を収集していたのです。そのおかげでスタートダッシュだけはよく、周りが勉強し始める頃には様々なテーマでの講演を気持ちよく行うことができました。ところがIFRSだけは言葉の壁に悩まされ、なかなか思うように進むことができません。私の場合、言葉の壁とは英語の壁ではなくて、もちろん日本語の壁です。何しろ私は秋田弁と津軽弁、それに名古屋弁と標準語を話し理解することができるのですが、おかしな日本語が出てくると、そこで「突然的脳回路修復不能無気力思考停止症候群」に陥ってしまうのですね。
これではいけないと反省し、多少の翻訳意味不明語には眼をつぶり、お盆休みから急ピッチでIFRSを勉強し始めました。おかげさまで「経済的便益」にはだいぶ慣れてきましたが、でもまだまだです。特に「金融商品」が難しいということでしたので、昨年12月に書かれた雑誌を読んでいたのですが、「期待損失アプローチ」という言葉がでてきて、またしてもはたと立ち往生してしまいました。「期待」というのは「望ましいことが実現することを願う」という意味のはずですが、「損失」という言葉は、いわゆる当事者にとってよろしくないこと、津軽弁で言うと「いくない(いぐね)こと」のはずです。そうすると私の頭の中では、期待損失アプローチというのは、「よろしくないことを願うアプローチ」ということになってしまいます。これはいったいどういうことなのだろうかと、その場でしばらく考え込んでしまうのですね。人格的に問題があるのではないかと。「季刊会計基準第30号」を読んでいたら、「予想損失モデル」に変わっていたので、これならわかるととりあえずは一安心しましたが。
それにしても最近は何とかアプローチというのが大流行りです。
そういえば「連結先行」をなぜ「ダイナミック・アプローチ」というのだろうか。片肺飛行でもいいからダイナミックに飛び立とうという意味に受け取れるのですが、たぶん違うのでしょうね。誰か教えてください。
IFRSで重要な、「公正価値」という概念についても考えてみました。例えば、その道のプロからすれば、どこから見ても現代物で千円くらいの価値しかない白磁の壺を、「これは李朝初期です。官窯でしかも蓋付き。12万円です」と言われて、骨董の価値のわからない私が「それではいただきましょう」と購入してしまった場合、この時の公正価値はいくらということになるのでしょうか。
いかがですか。
IFRSの講演ができるようになるまでには、まだまだ長い道のりがありそうです。
平成11年ごろから会計ビッグバンが始まり、その後減損会計・内部統制監査と、ここ10年くらいの間に会計監査を巡る環境は大きく変化してきました。アメーバ人間の私は、新しい会計基準等が出るたびにすぐに飛びつき、基準が公表される前でも審議会の議事録を読み込んでは情報を収集していたのです。そのおかげでスタートダッシュだけはよく、周りが勉強し始める頃には様々なテーマでの講演を気持ちよく行うことができました。ところがIFRSだけは言葉の壁に悩まされ、なかなか思うように進むことができません。私の場合、言葉の壁とは英語の壁ではなくて、もちろん日本語の壁です。何しろ私は秋田弁と津軽弁、それに名古屋弁と標準語を話し理解することができるのですが、おかしな日本語が出てくると、そこで「突然的脳回路修復不能無気力思考停止症候群」に陥ってしまうのですね。
これではいけないと反省し、多少の翻訳意味不明語には眼をつぶり、お盆休みから急ピッチでIFRSを勉強し始めました。おかげさまで「経済的便益」にはだいぶ慣れてきましたが、でもまだまだです。特に「金融商品」が難しいということでしたので、昨年12月に書かれた雑誌を読んでいたのですが、「期待損失アプローチ」という言葉がでてきて、またしてもはたと立ち往生してしまいました。「期待」というのは「望ましいことが実現することを願う」という意味のはずですが、「損失」という言葉は、いわゆる当事者にとってよろしくないこと、津軽弁で言うと「いくない(いぐね)こと」のはずです。そうすると私の頭の中では、期待損失アプローチというのは、「よろしくないことを願うアプローチ」ということになってしまいます。これはいったいどういうことなのだろうかと、その場でしばらく考え込んでしまうのですね。人格的に問題があるのではないかと。「季刊会計基準第30号」を読んでいたら、「予想損失モデル」に変わっていたので、これならわかるととりあえずは一安心しましたが。
それにしても最近は何とかアプローチというのが大流行りです。
| プロスペクティブ・アプローチ |
| 回廊アプローチ |
| 発生損失アプローチ |
| ルック・スルー・アプローチ |
| ダイナミック・アプローチ |
| ランニングアプローチ・・・(おっとこれは余計でした) |
そういえば「連結先行」をなぜ「ダイナミック・アプローチ」というのだろうか。片肺飛行でもいいからダイナミックに飛び立とうという意味に受け取れるのですが、たぶん違うのでしょうね。誰か教えてください。
IFRSで重要な、「公正価値」という概念についても考えてみました。例えば、その道のプロからすれば、どこから見ても現代物で千円くらいの価値しかない白磁の壺を、「これは李朝初期です。官窯でしかも蓋付き。12万円です」と言われて、骨董の価値のわからない私が「それではいただきましょう」と購入してしまった場合、この時の公正価値はいくらということになるのでしょうか。
| ①取引が成立したので12万円が公正価値です。 |
| ②現代物としての評価額千円が公正価値です。 |
| ③市場が成立していないため公正価値を測定できません。 |
| ④その他。 |
いかがですか。
IFRSの講演ができるようになるまでには、まだまだ長い道のりがありそうです。
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会計
2010年10月4日月曜日
なかなか減らない不正会計
~内部統制監査の効果は~
会計士協会は本部も東海会も新体制になって、このブログも店じまいする日が近いのではないかと思っていたのですが、東海会が昨年8月から今年の8月までの期間でウエブサイトへのアクセス件数の分析を行ってみたところ、この「越麻呂日記」へのアクセス件数がダントツに多かったのだそうです。そうかそうかそういうことだったのか。それではもう少し続けさせていただいてもいいのですね。
内部統制の監査も適用3年目を迎え、監査をするほうもされるほうもなんとなく慣れてきたような気がするのですが、新聞を見ていると、相変わらず不正が後を絶たないようです。アメリカではエンロンやワールドコムの不正会計事件、日本でもカネボウ事件やライブドア事件等をきっかけに内部統制の監査が義務付けられるようになったのですが、もともとは会計監査人の監査だけではなくて、不正が起こらないような仕組み(つまり有効な内部統制)を作る側の経営者にも不正防止の役割を担っていただこうという趣旨でこの制度ができたのだと思います。
では、内部統制の監査が始まる前に比べて、導入後は不正会計が大幅に減ったのでしょうか。もう少し期間をとって分析する価値があると思うのですが、表に出てきている不正でも、「内部統制の監査が始まったから発見されたもの」なのか、あるいは「内部統制監査にかかわらず不正というものはおこるもの」なのかにも注目しなければなりません。経営財務を読んでいたら、コストがかかりすぎるため内部統制監査を簡素化(レビューに)するべきだとか、いざ不正会計が発覚してしまったら多大なダメージを受けるため、当然必要なコストとして考えなければならない等、いろんな議論があるようです。資本市場の安定化のためには必要な制度だとは思うのですが、慣れてしまって緊張感がなくなり、形骸化することのないように制度として定着させなければなりません。
もともと不正には、「金品の横領や着服」という面と、「会計不正」に分けられるのですが、前者については公になった場合、金額の多寡にかかわらず不正を働いた人は悪者扱いされ、社会的な制裁を受けることになります。これに対して後者の場合は、不正を働いたということに対して本人に罪悪感が乏しいという特色があるような気がするのですね。なぜかというと、「会社のために仕方がなくやった」という大義名分があるからです。ライブドアの件は別として、一般的に会社が不正会計(粉飾決算)をはたらくケースは、それを行わなければ会社の運営が成り立たなくなるからというケースが多いからです。
例えば、
粉飾をやらなければ上場できない・・・
あるいは債務超過になって上場廃止になってしまう・・・
配当ができなければ株主から経営責任を問われる・・・
入札に参加できない・・・
等々。
結果的に金額も大きくなりがちで、むしろ発覚した場合の影響の大きさからいうと、金品の不正よりはるかに大きくなる傾向があります。
内部統制監査にも限界があり、決して万能薬ではないといわれていますが、この制度が定着したおかげで不正も随分少なくなりましたと、未来の監査論の先生が過去を分析して、結論付けていただきたいものだと考えているのです。
会計士協会は本部も東海会も新体制になって、このブログも店じまいする日が近いのではないかと思っていたのですが、東海会が昨年8月から今年の8月までの期間でウエブサイトへのアクセス件数の分析を行ってみたところ、この「越麻呂日記」へのアクセス件数がダントツに多かったのだそうです。そうかそうかそういうことだったのか。それではもう少し続けさせていただいてもいいのですね。
内部統制の監査も適用3年目を迎え、監査をするほうもされるほうもなんとなく慣れてきたような気がするのですが、新聞を見ていると、相変わらず不正が後を絶たないようです。アメリカではエンロンやワールドコムの不正会計事件、日本でもカネボウ事件やライブドア事件等をきっかけに内部統制の監査が義務付けられるようになったのですが、もともとは会計監査人の監査だけではなくて、不正が起こらないような仕組み(つまり有効な内部統制)を作る側の経営者にも不正防止の役割を担っていただこうという趣旨でこの制度ができたのだと思います。
では、内部統制の監査が始まる前に比べて、導入後は不正会計が大幅に減ったのでしょうか。もう少し期間をとって分析する価値があると思うのですが、表に出てきている不正でも、「内部統制の監査が始まったから発見されたもの」なのか、あるいは「内部統制監査にかかわらず不正というものはおこるもの」なのかにも注目しなければなりません。経営財務を読んでいたら、コストがかかりすぎるため内部統制監査を簡素化(レビューに)するべきだとか、いざ不正会計が発覚してしまったら多大なダメージを受けるため、当然必要なコストとして考えなければならない等、いろんな議論があるようです。資本市場の安定化のためには必要な制度だとは思うのですが、慣れてしまって緊張感がなくなり、形骸化することのないように制度として定着させなければなりません。
もともと不正には、「金品の横領や着服」という面と、「会計不正」に分けられるのですが、前者については公になった場合、金額の多寡にかかわらず不正を働いた人は悪者扱いされ、社会的な制裁を受けることになります。これに対して後者の場合は、不正を働いたということに対して本人に罪悪感が乏しいという特色があるような気がするのですね。なぜかというと、「会社のために仕方がなくやった」という大義名分があるからです。ライブドアの件は別として、一般的に会社が不正会計(粉飾決算)をはたらくケースは、それを行わなければ会社の運営が成り立たなくなるからというケースが多いからです。
例えば、
粉飾をやらなければ上場できない・・・
あるいは債務超過になって上場廃止になってしまう・・・
配当ができなければ株主から経営責任を問われる・・・
入札に参加できない・・・
等々。
結果的に金額も大きくなりがちで、むしろ発覚した場合の影響の大きさからいうと、金品の不正よりはるかに大きくなる傾向があります。
内部統制監査にも限界があり、決して万能薬ではないといわれていますが、この制度が定着したおかげで不正も随分少なくなりましたと、未来の監査論の先生が過去を分析して、結論付けていただきたいものだと考えているのです。
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会計
2010年9月30日木曜日
あきらめたらそれで試合終了か?
~思わぬプレゼントをいただきました~
東海会会長退任後、何人かの方々が私の慰労会を開催してくださったのですが、プレゼントもたくさんもらってしまいました。その中で私が一番気に入ったのは、「あきらめたらそれで試合終了ですよ」というバッチです。このバッチをワイシャツの胸のあたりに付けてうろうろしていたのですが、気がついた何人かの人から「それって安西さんの言葉ではないですか?」といわれました。さっそく調べてみたところ、どうやらバスケットボールをテーマにした青春漫画「スラムダンク」で安西先生が発言した言葉のようです。
確かにあきらめたらそれで試合終了と言えるかもしれません。今年のプロ野球は、パリーグについては西武にマジックが点灯したにもかかわらず、ソフトバンクが最後まであきらめずに頑張り抜いて最終戦で優勝を決めましたし、セリーグも中日が巨人に最大8ゲーム差をつけられながら追い上げて逆転し、この原稿を書いている時点で首位を走っています。「あきらめてはいけんよ」という典型例だと思います。
それでは我が人生において、あきらめてはいけないと思って頑張ってきたことがあるのだろうかと自問自答してみると、人生の岐路においてあきらめたこともいくつかありましたが、たとえば公認会計士受験に関して言えば、当時は合格率が5%くらいで250人前後しか合格しなかったのですが、確かにあきらめずに頑張りました。ワシントン条約で輸出禁止になっている木「ハカランダ」のギターも、20歳前後のころにいつかは手に入れたいと思っていたのですが、それから約30年後51歳のときに作っていただきました。
では、今現在あきらめてはいけないと思っていることはあるのだろうか?
会計士業界をいい方向に導いていきたい・・・
事務所をいい事務所にしたい・・・
秋田に帰って農業に挑戦したい・・・
オールキルテッドメイプルのギターがほしい・・
シングルに・・・
志野の茶碗が・・・
おっとっとだんだん現実的になってきたのでこのくらいにしますが、あきらめずに頑張ることはその人の人生にとって大事なことですし貴重なことだと思います。またそれを美しいことであるという風潮もあります。
私などは単純ですのですぐ頑張ってしまうのですが、しかし一方で最近のストレス社会においては、がんばりすぎて精神的に不安定になってしまう人も少なくありません。試合終了どころか人生を終了してしまう人も後を絶たない状況が続いています。どこまで頑張れるか、なかなか難しいところです。50歳を過ぎたら精神的に成仏して、さっさとあきらめて気楽な人生を歩んだほうがいいと、五木寛之さんや嵐山光三郎さん等多くの著名人も語っています。無理は禁物・・・あきらめが肝心という言葉もありますし・・・。でも、もう少し頑張ってみますか。
東海会会長退任後、何人かの方々が私の慰労会を開催してくださったのですが、プレゼントもたくさんもらってしまいました。その中で私が一番気に入ったのは、「あきらめたらそれで試合終了ですよ」というバッチです。このバッチをワイシャツの胸のあたりに付けてうろうろしていたのですが、気がついた何人かの人から「それって安西さんの言葉ではないですか?」といわれました。さっそく調べてみたところ、どうやらバスケットボールをテーマにした青春漫画「スラムダンク」で安西先生が発言した言葉のようです。
確かにあきらめたらそれで試合終了と言えるかもしれません。今年のプロ野球は、パリーグについては西武にマジックが点灯したにもかかわらず、ソフトバンクが最後まであきらめずに頑張り抜いて最終戦で優勝を決めましたし、セリーグも中日が巨人に最大8ゲーム差をつけられながら追い上げて逆転し、この原稿を書いている時点で首位を走っています。「あきらめてはいけんよ」という典型例だと思います。
それでは我が人生において、あきらめてはいけないと思って頑張ってきたことがあるのだろうかと自問自答してみると、人生の岐路においてあきらめたこともいくつかありましたが、たとえば公認会計士受験に関して言えば、当時は合格率が5%くらいで250人前後しか合格しなかったのですが、確かにあきらめずに頑張りました。ワシントン条約で輸出禁止になっている木「ハカランダ」のギターも、20歳前後のころにいつかは手に入れたいと思っていたのですが、それから約30年後51歳のときに作っていただきました。
では、今現在あきらめてはいけないと思っていることはあるのだろうか?
会計士業界をいい方向に導いていきたい・・・
事務所をいい事務所にしたい・・・
秋田に帰って農業に挑戦したい・・・
オールキルテッドメイプルのギターがほしい・・
シングルに・・・
志野の茶碗が・・・
おっとっとだんだん現実的になってきたのでこのくらいにしますが、あきらめずに頑張ることはその人の人生にとって大事なことですし貴重なことだと思います。またそれを美しいことであるという風潮もあります。
私などは単純ですのですぐ頑張ってしまうのですが、しかし一方で最近のストレス社会においては、がんばりすぎて精神的に不安定になってしまう人も少なくありません。試合終了どころか人生を終了してしまう人も後を絶たない状況が続いています。どこまで頑張れるか、なかなか難しいところです。50歳を過ぎたら精神的に成仏して、さっさとあきらめて気楽な人生を歩んだほうがいいと、五木寛之さんや嵐山光三郎さん等多くの著名人も語っています。無理は禁物・・・あきらめが肝心という言葉もありますし・・・。でも、もう少し頑張ってみますか。
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徒然
2010年9月16日木曜日
公認会計士の魅力について語る
~受験生の皆さんの判断は正しいと思う~
前回のブログを読んだ読者の方から、「東海会会長を退任した後の私のブログの内容は、緊張感が欠けるのではないか」というお叱りの言葉をいただきました。前回のブログは、ふんどしの話を書きたかったのではなくて、日本の会計が今後IFRS一辺倒になってしまいそうな騒ぎになっていることに対して疑問を投げかけてみただけなのです。(もちろん私も会計のプロの一人ですので、IFRSの勉強は人並み以上にやっていますし・・・たぶん・・・必要性も十分認識しています)そこへ話を持っていくために、腰パンと腹パンとふんどしの三点セットを利用しただけなのですね。賢明な読者の皆さまは、そのあたりのところは十分ご認識されていると思います。(ちなみに先ほどの読者は、私の連れ合いでしたが)
以前このブログに書かせていただきましたが、11日(土)、愛知県内の某会計大学院の公開講座で、「公認会計士の魅力について」というテーマで、1時間ほど講演をさせていただきました。会場には公開講座ということもあり、一般企業の方もいらっしゃったようです。お忙しい中ありがとうございました。最近会計士業界も、試験に合格しても就職できないという「就職待機者」があふれているということで、受験生に暗い影を投げかけているような状況なわけですが、そうではなくて、公認会計士という職業ほどいろんな可能性にあふれていて、経済社会のあらゆる局面で活躍しているということを、公開講座の場を借りてPRさせていただきました。世間ではあまり知られていない業務もあるのですが、公認会計士の行う業務の一例をあげてみると
等、多くの分野で活躍しています。そういったいろんな選択肢の中から、自分が活躍したい分野に特化するのもいいし、たくさんの業務を経験するのもいいでしょう。最近は、試験合格後に実務経験というもう一つのハードルができてしまいましたが、これほど魅力のある職業はあまりないと思っています。先日論文試験が終了し、受験生の皆さんは大変ご苦労様でした。公認会計士を目指したということに対して心から応援したいと思います。
前回のブログを読んだ読者の方から、「東海会会長を退任した後の私のブログの内容は、緊張感が欠けるのではないか」というお叱りの言葉をいただきました。前回のブログは、ふんどしの話を書きたかったのではなくて、日本の会計が今後IFRS一辺倒になってしまいそうな騒ぎになっていることに対して疑問を投げかけてみただけなのです。(もちろん私も会計のプロの一人ですので、IFRSの勉強は人並み以上にやっていますし・・・たぶん・・・必要性も十分認識しています)そこへ話を持っていくために、腰パンと腹パンとふんどしの三点セットを利用しただけなのですね。賢明な読者の皆さまは、そのあたりのところは十分ご認識されていると思います。(ちなみに先ほどの読者は、私の連れ合いでしたが)
以前このブログに書かせていただきましたが、11日(土)、愛知県内の某会計大学院の公開講座で、「公認会計士の魅力について」というテーマで、1時間ほど講演をさせていただきました。会場には公開講座ということもあり、一般企業の方もいらっしゃったようです。お忙しい中ありがとうございました。最近会計士業界も、試験に合格しても就職できないという「就職待機者」があふれているということで、受験生に暗い影を投げかけているような状況なわけですが、そうではなくて、公認会計士という職業ほどいろんな可能性にあふれていて、経済社会のあらゆる局面で活躍しているということを、公開講座の場を借りてPRさせていただきました。世間ではあまり知られていない業務もあるのですが、公認会計士の行う業務の一例をあげてみると
| ◆監査(内部統制を含む) |
| ◆税務(税理士登録をする必要があります) |
| ◆株式公開支援業務 |
| ◆包括外部監査(県民や市民の期待に応える) |
| ◆企業再生 |
| ◆企業評価・M&A・合併・買収・株価や合併比率の算定 |
| ◆公会計の分野・財務4表の作成支援等 |
| ◆コンサルティング |
| ◆環境会計 |
| ◆企業内公認会計士 |
| ◆社外取締役・監査役 |
| ◆大学教授等教育者 |
| ◆その他いろいろ |
等、多くの分野で活躍しています。そういったいろんな選択肢の中から、自分が活躍したい分野に特化するのもいいし、たくさんの業務を経験するのもいいでしょう。最近は、試験合格後に実務経験というもう一つのハードルができてしまいましたが、これほど魅力のある職業はあまりないと思っています。先日論文試験が終了し、受験生の皆さんは大変ご苦労様でした。公認会計士を目指したということに対して心から応援したいと思います。
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徒然
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