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2013年11月29日金曜日

タイのタイ

~四国で見つけたもの~

 今週初め、早朝5時に起きて自宅を出発し、瀬戸大橋を渡って四国へ入りました。その後、香川県・徳島県・高知県・愛媛県と、四国をほぼ一周してきたのですが、最後に宿泊した道後温泉で、珍しいものに出会いました。「タイのタイ」です。


 旅の終わりの宿泊地、道後温泉で露天風呂につかりながら疲れを癒し、食事タイムとなったのですが、このあたりは鯛料理が有名らしく、出てきた料理の中に、鯛のお頭の兜煮がありました。それをほじほじしながら食べ終えた後、女性の給仕さんが皿を片付けに来たのですが、皿を持って行く際に驚きの声を上げます。

「あら?タイのタイ!

 我々は言っている意味が分からなかったのですが、しばらくお待ちくださいと言ったあと持ってきてくれたのが、これです。「鯛の鯛」です。

 


 この「鯛の鯛」ですが、どうやらNHKで毎朝放送している「ごちそうさん」の1116日放送の中に出ていたようでした。鯛のお頭の骨で、「えら」にあたるのだそうです。縁起物だそうで、そのままきれいに洗って壊れないように自宅に持ち帰りました。


 さて、四国へ行ったのは、紅葉が目的でした。毎年紅葉の時期は、京都や香嵐渓はこみすぎるため、時期をずらして訪れるかあるいは足が遠のいていたのですが、今年は久しぶりに紅葉をじっくり楽しむことにしました。

  紅葉目的で今年最初に訪れたのは丹波ですが、これはちょっと早すぎました。その後は、我がホームコースである南山CCです。ここは、香嵐渓の通り道のため、毎年足が遠のいていたのですが、今年は早起きして迂回路を使い訪れました。各ホールごとにそれぞれ見どころがあり、素晴らしかったです。これだけいい紅葉であれば、何も無理して香嵐渓まで行く必要はないですね。数回楽しめました。


そして今回が四国です。今が一番見頃のようでした。特に、滑床(なめとこ)渓谷は大変美しい渓谷で紅葉も真っ盛り。渓流も奥入瀬を思い出させ、素晴らしかったです。
 
 
 




 
道が狭くてしかも木の枝が道路側にはみ出していたため、枝が車のボディにあたったり、タイヤが半分くらい崖側にはみ出しそうになりながらもやっとたどり着いたのですが、来たかいががあったというものです。

 

 

2013年11月27日水曜日

「エスペランサ村を応援します!」と社長

~隠れ家的場所の利用方法~

 エスペランサ村の敷地を購入するに当たっては、事前に敷地全体の図面をいただいていました。契約するに際して予算の上限を決めていた私としては、このあたりまでなら大丈夫とおおよそのめどをつけます。本当は図面にある敷地全部がほしかったのですが、この段階では、残念ながら、図面の中に購入することができない敷地が2筆ありました。2筆といっても結構な広さです。


 実測には時間がかかるため、精算は実測後ということで、とりあえず仮契約を結ぶという段階にきたのですが、あきらめの悪い私は、どうしても図面の奥の方にある購入できなかった場所が気になります。何かやるにはちょうどいい広さです。そこで、契約前に、ダメもとで不動産会社社長のHさんにお願いしてみました。安く譲っていただけないかと。

 それから2か月後。H社長から連絡がありました。なんということでしょう。私があきらめていた部分の土地も含めて、当初の私の予算で譲っていただけるというではありませんか。うれしいです。社長は、私のブログを読んでくれているらしく、「私もエスペランサ村を応援します」といってくれました。心強いです。

 今回追加で譲っていただいた土地2筆は、山や木に囲まれ、隠れ家的な空間になっています。せっかくのご厚意でいただいた土地ですので、私としても応援に応えなければなりません。どのように利用したらいいか考えてみます。


・居酒屋「すったげ」の経営…エスペランサ村のある町には、お寿司屋さんやラーメン屋さん、喫茶店などはあるのですが、聞いた話では居酒屋はないそうです。でも、やはり居酒屋は駅のそばに作るべきでしょうか。

・税理士法人や公認会計事務所…といっても、エスペランサ村にあまり数字は持ち込みたくないですが。

・野外コンサート広場や隠れ家的音楽施設

・ワンニャントピア…かわいそうな捨て犬や捨て猫をそだててあげるのです。

・堆肥製作所…なんとしても阻止します。

・私塾の開設…教師歴30年の講師の学習塾と、講演大好き人間(私の事ですが)のスペシャル会計塾

 等々。
 
 せっかくですので、みんなで利用できる場所にしたいです。
 
 
 

2013年11月25日月曜日

内部統制再び

~情報の伝達~

 昔から講演をやるのが好きだったため、何かテーマが決まると、資料を基に自分の言葉でわかりやすいように噛み砕き、「オレ流」原稿を作成します。内部統制監査の導入時にも、真っ先に様々な情報をあちこちからかき集め、オリジナルの原稿「越麻呂スペシャル」を作成しました。それをもとに、クライアントや監査役協会などで講演を行っていたのです。

 その際に、内部統制の構成要素の一つ「情報の伝達」を説明するときの例として取り上げたのが、企業に不祥事が発生した際の、会社の対応についてです。

内部統制監査が始まる前は、企業不祥事が発覚して、社長がテレビなどでお詫びするときには、かならずといっていいほど「部下がやったことで私は何も知らなかった」「悪いのは私ではなくて部下だ」責任逃れをしていたわけですけれども、内部統制監査が始まってからは、それが通用しない状況になりました。


経営者には、内部統制を構築する責任がありますし、判例でもそれを認めているわけですが、そういう仕組を作ってこなかった場合は、それだけで責任問題になるわけですね。

仮にやむをえない理由があったとしても、知らなかったということは、内部統制の重要な要素である「情報の伝達」がうまくいっていないことになり、会社の仕組みが機能していないことになります。

したがって、結果的に「知らなかった」と、うかつに発言してしまうと、経営者として免責されるどころか、むしろ問題を大きくしてしまうことになりかねないのです。不正が起きた場合でも、速やかに情報を収集して、しかるべき対応をとる体制を築くことが求められていると思います。


 最近世間を騒がせている不祥事がいろいろありますが、金額の大小は別として、やはり情報が伝わっていないのだと思います。私は、「悪い話こそ真っ先に伝えるべきである」と、名古屋第一監査法人時代の先輩に教えられて以来、それをずっと守ってきました。でも、ちょうちん持ちが多い組織では、悪い話はなかなか上に行くほど伝わりにくくなるようです。


  それにしても、毎日見慣れてしまったのは、不祥事が起きた際の、あの記者会見の冒頭のシーンです。その時に備えてコンサルタントがいるのだそうですね。「大変申し訳ありませんでした」と頭を下げると、カメラのフラッシュが、カシャカシャカシャと音を立てて焚かれ、心の中で、はい「1.2.3.4.5…」。といった感じでしょうか。

 なぜかむなしいです。


 
 

2013年11月22日金曜日

熱湯消毒

~近道などないのである~


 現代作家のものですが、以前購入したぐい飲みを早く育てようと、邪道であるとはわかっていながら、お酒を入れたままにしておいたのです。

 毎日お酒を取り換えるのももったいないので、一週間ほどほったらかしにしていたのですが、気が付いたらぐい飲みの中にはすでにカビが浮いていました。しまったと後悔して、石鹸で念入りに洗ったものの、カビが浮いている光景を見てしまったので、どうしても使う気になりません。しばらくは飾っていました。

ところがこのぐい飲み、大きさといい形といい景色といい、なかなかのぐい飲みなので、どうしても使いたくなってしまいました。そこで、カビを根底から撃墜してしまおうと考え、沸騰させたままの熱湯にしばらくつけていたのですね。いわゆる熱湯消毒です。

しばらく熱湯で煮沸した後、取り出して乾燥させればよかったものを、念には念をと一晩そのままお湯につけておいたのが悪かったのでしょう。翌日取り出してみてびっくり。きれいだった表面の釉薬がザラザラになり、土の色はやや変色して、大変なことになってしまっていたのです。

焼き物は千度以上の火力で長時間焼くので、100度くらいの熱湯などどうってことないものと思っていたのですが、見た目がこんなに変わってしまうとは考えもしませんでした。

気に入っていただけに大変残念なことをしてしまったのですが、現代的な美しさから逆に骨董的風合いに変わったとも言えなくもありません。こんな感じです。

 

先を急いで近道をしようと考えると、ろくなことにならないようです。

 
 

2013年11月18日月曜日

野鳥の来る村

~雉も鳴かずば撃たれまいに~

 エスペランサ村にはいくつかコンセプトがあるのですが、そのうちの一つが

「野鳥の来る村にしたい」

 ということです。

 自然に野鳥が集まってくるということは、それだけ環境がいいということになります。

 エスペランサ村の近所に住む方と雑談していたのですが、今回私が購入した場所には、毎年雉」が来て、草むらに巣を作っているとのことでした。

  雉といえば、日本の国鳥です。あの「ケ~ン」と鳴く鳥です。「キジも鳴かずば撃たれまいに」とは「日本昔話」に出てくる言葉です。私は「ケ~ン」とは鳴きませんが、「それはおかしいでしょう!!」といつも鳴いていたため、よく撃たれました。


それは別として、「エスペランサ村で、雉をどう保護するかという問題です。7月にこの土地を見たときは、草がきれいに刈られていたため、今すぐにでも建物が建てられそうだったのですが、ほんの3か月ほどで敷地には草が生い茂っています。それだけ土地が肥沃だということですので、農業をやるには好都合ですが、とりあえずこの草は刈ってしまわなければなりません。
 
幸い、「フジバカマ」が生息しているところはある程度把握できたため、



この花の咲いているあたりを除いて草を刈ってしまえばいいなと考えていたわけです。そこで出てきたのが、今回の「雉」の話です。


「雉」というのは、明るい草地に生息し、飛ぶのは苦手で地上を歩くのだそうです。そして、草原・農耕地周辺の草むらの中に、つまり地上に巣を作って卵を産みます。

エスペランサ村の敷地内でいえば、例えばこんなところにです。


こんなところにも。


そしてこんなところ。

真ん中あたりに小さく点のように映っているのは、エスペランサ村の「堆肥研究家」です。


したがって、草を全部刈り取ってしまったら、せっかくの雉が、「エスペランサ村」に来なくなってしまうのです。それは村のコンセプトに反するため、雉に毎年来ていただくよう、環境を整えなければなりませんね。

 
 雉は、一度撃たれたら、その場所には二度と戻って来ない」といわれています。確固たる学説があるかどうかはわかりませんが、おそらくそうです。人間社会だってそうなのだから、間違いありません。


自然と共存しながら生きるということは難しいことではありますが、いろいろ新しいが発見があるかもしれません。


 
 

2013年11月17日日曜日

天は見ている

~努力が報われる日~

 「自分が日々努力した結果が報われた」と実感できる瞬間は、長い人生において、そんなにあるものではありません。でも、きのう公認会計士試験に合格された皆さんは、「自分の努力が報われた」と実感できたと思います。 おめでとうございます。

 私にも、三十数年前、そのような瞬間がありました。すぐさま実家に帰って、手術で入院していた父親のところに見舞いに行ったのですが、その時「俺は日本一の公認会計士になるのだ」と心に誓ったのを、今でも鮮明に覚えています。いまでは、「エスペランサ村の村長」を名乗っていますが、私自身は、日本一柔軟性のある、アメーバ的公認会計士であると、自負しているのです。今年合格された方々も、ぜひ高い志を持って、会計士業界で頑張っていただきたいです。
 

 会社勤めのサラリーマンは、一般的によく、「努力しているのにまわりに見てもらえない」とか、「頑張っているのに評価してもらえない」という悩みを抱えている人が多いようですが、私には、人に仕事ぶりを見てもらおうとか、評価してもらおうとか、そんな思いはなぜか全然ありませんでした。公認会計士は一人一人がプロですので、自分に自信をもって仕事をしていれば、そんなことは特に気にはならないと思います。

  その点組織に属していない個々のプロは、厳しいですね。王や松井の練習熱心は有名ですが、長嶋だって落合だってまたイチローもしかり、天才だとは言われているけれど、陰で大変な努力をしているはずです。結果がすべての世界ですから。 


 

 

 話は突然変わって、10月に行われた日本女子プロ選手権で優勝した宮里選手です。5打差がありながら、序盤から早々と崩れていきます。サングラスで表情ははっきりわかりませんでしたが、プレッシャーに押しつぶされそうで、見ていてかわいそうになりました。

 15番ホールのボギーで、ついに菊池選手に首位の座を明け渡します。そして迎えた16番ホール。ティーショットが大きく左方向に。アナウンサーがつい大きな声で、「オーッと、左はOBゾーンがあります」と叫びます。万事休す!またしても重圧に負けたのかとあきらめた瞬間、ボールは木に当たり逆方向に跳ね返ってラフに沈みました。ここからスプーンでグリーン手前まで運び、寄せワンのパーでしのいだのです。ここが勝負の大きな分かれ目でした。

 OB方向へ飛んだボールが、そのままOBになってしまうか、あるいは逆に跳ね返って戻るかは、まさに紙一重というより、運そのものです。ましてや、年に一度のビックタイトルがかかった試合です。

 私には、天が味方したのだとしか思えませんでした。きっと宮里選手の日頃のひたむきな努力を見ていたのだと思います。そして、優勝というご褒美をくれたのです。きっとそうに違いありません。

 あまりにも劇的な勝利でした。

 
 

2013年11月16日土曜日

「Silent Japan」から「祈り」へ

~次のテーマ~

 「Silent Japan」の制作記を読んでいただきまして、ありがとうございました。この制作記の事は、ヤイリギターの小池健司さんが、フェイスブックでご紹介していただいたようで、ヤイリギターファンの皆様にご覧いただけたことを、大変うれしく思っています。


 今は、次のギターの構想をいろいろ考えています。テーマは「祈り」です。東北の復興を、着物姿の女性が祈っている絵を使います。
 
  小池さんには、9月ごろに制作を依頼していたのですが、最近、加藤穂高さんともインレイの打ち合わせを始めました。そして、基本材として用いる木材は、今回は「神代欅」です。


 おそらく完成までには23年かかると思いますが、この待っている間に、私も東北の力になりたいと思っています。
 
 
 
 

2013年11月15日金曜日

「Silent Japan」制作記 その6

~「静和」と対面~

 Silent Japanの制作を、ヤイリギター小池健司さんに依頼したのが、「神代欅」のギタを受け取りに行ったときですので、ちょうど3年前になります。1年間の順番待ちがあったため、この間にインレイのイメージやギターの材質について考え、ギター全体のイメージを創り上げていきました。
 
 そして2年前に、加藤穂高さんから図案が届き、製作開始。時が経過し、そしていよいよ完成です。この待っている間は、私にとっては毎日に張り合いがあり、大変心地よい時間でした。

 「Silent Japanは、結局日本名で「静和」としました。

 
 

 写真の文字「静和」は、実家に飾ってある、他界した母親の「書」をデジカメで撮影し、同じ書体で加藤穂高さんに螺鈿で象嵌していただいたものです。

 また、ブリッジにも貝で象嵌していただきました。

 
 そして、サウンドホールの縁は、黒蝶貝」を使用し、落ち着いた雰囲気にしています。このインレイを、透明なピックガードで覆うことは、やはりできませんでした。自然な空気に触れさせて、時間をかけて板になじませたいと考えています。
 
 
 最後は全体像です。

 


 肝心な音はというと、大変よく鳴ります。特に低音が、「ビーン」とはじくような音がします。音色も私の好きな音で、以前に制作していただいた、神代欅の「朱雀」の音近い感じです。その鳴り具合に小池健司さんも驚いていましたが、制作過程でずいぶん気を使ったとおっしゃっていました。音がこもるのではないかという不安は、全くの杞憂に終わり、ほっと一安心です。

 
 「静和」を受け取りに行った日の午後は、ヤイリギターに近所の小学生が80人ほど工場見学に来る予定になっていたそうです。その中から将来、小池健司さん加藤穂高さんのような、ギターのクラフトマンを志す人が出てくれればいいなと思いながら、ヤイリギターを後にしたのでした。



 
 

2013年11月14日木曜日

「Silent Japan」制作記 その5

~塗装~

 ギターの制作も最終段階に入ると、いよいよ塗装に取り掛かることになります。ギターを制作する側の立場からすると、この塗装はかなり神経を使うようです。特に、今回お願いしているギターは、「繊細なインレイ」が入っているため、なおさらです。

 ギターを特注した場合、塗装の前に、ネックの太さを好みに合わせて調整していただけるため、その都度直接ヤイリギターさんにお伺いします。そして、その場でネックを触ってみて感触を確かめ、目の前で小池健司さんが、ちょうどいい太さに削ってくれるのです。

 「シュッ、シュッ、シュッ」と、ゴッドハンドが心地よく舞います。




 ネックは、音と耐久性を考えて、今回は太目にしました。


ギターを制作していただいて、いつも驚くのは、塗装前の最終段階であるネック調整の時に見たギターと、塗装後のギターの変化です。ギターの仕上げに当たって、塗装がいかに大事な作業であるかを、いつも考えさせられます。

さて、今回の「キルテッド・メイプル」のギターです。塗装前と塗装後で、同じアングルから撮影した画像がありました。

塗装前です。
 
そして塗装後

 


 
 塗装後の変化がよくわかります。
 
 上から見た写真です。


 
 木目がよく出ています。これが「キルテッド・メイプル」。色もいいです。イメージしていた通りの美しいギターに仕上がりました。

せっかくなので、背後から撮った写真をもう一枚。

 
 そして横からです。

 
最初に「キルテッド・メイプル」のギターを見てから13年。待ったかいがありました。


 
 

2013年11月13日水曜日

「Silent Japan」制作記 その4 

~キルテッド・メイプル~

 西暦2000年を迎えた年に、ヤイリギター「ミレニアムモデル」を発表しました。私の記憶によると、発売されたのは確か3台で、いずれも大変魅力的なギターでした。

一台は、今ではワシントン条約で輸出が禁止されている木材で、最も貴重なギター材である「ブラジリアンローズウッド(通称『ハカランダ』)で作られたギターで、さらに指板が象牙で作られたギターもありました。でも、最も私の目を引いたのは、「キルテッド・メイプル」のギターだったのです。

これらのギターは、高島屋名古屋駅前店で見ることができたのですが、私は、「キルテッド・メイプル」の木目の美しさに目を奪われてしまいました。どんな偶然が重なると、このような不思議な木目になるのだろうかと。そして、「いつかキルテッド・メイプルのギターを作りたい」という思いを、強く抱くようになったのです。


 その時から10年(今から3年前)の歳月が流れました。Silent Japanを制作するに当たり、いよいよ「キルテッド・メイプル」を使うことにしました。ギターの音としては、一般的に、板は柾目のほうがいい音が出ると言われています。「キルテッド・メイプル」は、魅力的なほど激しい木目ですので、もしかして音がこもるのではないかという不安もかすかにありましたが、小池健司さんの腕を信じることにしたのです。


 さて、素材選びです。事前に小池さんにお願いして、いい木目の板をいくつか選んでいただきました。
 
 


 ただ、やはり実物を見ないと判断できないということで、早速ヤイリギターに駆けつけます。何種類かの板を見せていただきましたが、小池さんと相談して、一番木目のきれいな板を選びました。これで素材は確保です。
 
さて、インレイの進捗状況に応じて、小池さんもいよいよ本体の制作に取り掛かります。ギターのサイドです。




そしてバック。


 
そして、板の周りを「メキシコアワビ貝」と「黒蝶貝」で囲います。前者は派手ですが、後者は落ち着いて上品です。







この段階では、まだ木目がくっきりしていませんが、これに塗装が加わると、驚くべき変化が生じます。

 
この件は、明日。