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2009年9月30日水曜日

中日本地域会連合会議とOB懇親会

~高松塚古墳と朱雀とゴッドハンドの関係について~


9月12日(土)、中日本地域会連合会議が、和歌山県の高野山で開催されました。高野山といえば、我が人生において多分訪れることはないだろうと思っていた土地だったのですが、せっかくの機会に恵まれましたので家族と出かけることにしたのです。電車でなんと5回も乗り換え、狭くて急な坂道はケーブルカーを利用して、無事たどり着くことができました。
福智院という宿に宿泊することになったのですが、宿の中の受付の辺りには、茶道に使う茶碗が展示されていました。ガラス越しに見ただけなのではっきりしなかったのですが、1万5千円の茶碗と35万円の茶碗の区別がよく分かりませんでした。まだまだ茶碗に関しては修行が足りないのだ。また、私達が泊まった部屋にはトイレがなかったので(いわゆる共同トイレを利用)、朝の厳しいトイレ争奪戦が予想されたのでした。


15時から行われた会議では、各地域会の現状と取り組むべき課題について、真剣すぎるほど真剣に議論が行われました。今後就職難が予想されるため、我々会計士業界に夢があるのかというご意見も出たのですが、ここ2~3年の間のめまぐるしい環境の変化に翻弄され続けたこの業界にとっては、真っ先に解決しなければならない大きな問題だと思います。


夜はOBの方や同伴者も参加して懇親会です。最初に住職さんから法話をいただいたのですが、冗談のおつもりなのかどうかはわかりませんが、なんとなく営利主義的な話もありました。お寺と監査法人は営利主義に走ってはいけないのです。乾杯の後歓談となったのですが、ビールやお酒も出てきたためとりあえず一安心。高野山の料理は精進料理なので、肉や魚はなかったのですが、たいへんおいしくいただくことができました。
懇親会が終了したため、部屋に戻って一呼吸おき、さて温泉にでも入ってゆっくりくつろごうかと思っていたら、突然部屋に電話あり。これから中日本五会(東海・近畿・兵庫・京滋、北陸)の地域会会長が集まって、今後の協会のあり方について議論しようではないかというのですね。あきらめて温泉は翌日の朝に入ることにして部屋に集合。時間を忘れて話し合っていたのですが、高野山にまで来て同伴者を残して午前様ではさすがにまずいので、12時前には解散。翌日は大人の修学旅行が待っているのです。


さて、翌日は朝早く温泉に入り、朝食もおいしくいただき、トイレ問題も無事解決し、いよいよバスツアーです。今回の観光は、奈良県の飛鳥(明日香とも書くようです)が予定されており、「高松塚古墳・壁画館→石舞台古墳飛鳥寺」というコースをたどることになりました。もともと古いものや神秘的な事柄には大変興味があるので、最初の高松塚古墳で壁画館に入り、奈良時代の人々の様子が描かれた壁画をじっくり観察していたのです。そのときは、この時代の人々にとってのトイレ問題は、どのように解決していたのだろうかなどとぼんやり考えていたのですが、後になってみるとこのときの体験が、大げさに言えば、私の最近の深い悩みを解決させてくれるきっかけになったのでした。



 高松塚古墳の壁画館を見学した終わり、自宅に帰って高松塚古墳をネットで見ていたら、ふとキトラ古墳を思い出したのですね。そして、キトラ古墳に描かれている絵を順番にクリックしてみていたら、朱雀のところで私の頭に電撃が走ったのです。「こっ、これだ!!」と。
 昨年の7月に名古屋で行われた全国研究大会が終わった後、「神代欅(何百年もの間、土の中に埋もれていた欅の木)」が手に入ったという情報を、ヤイリギターのゴッドハンドこと小池健司さんから教えてもらいました。サンプルで作ったギターの音色に感動した私は、さっそくその神代欅でギターを作ってもらうことにしたのです。名前にふさわしい神秘的なギターに仕上げたかったのですが、スノーフレークのシンプルなのがいいのか、欅の木をイメージした図柄の模様を、ギターのどの場所にどのように描いたらいいのか思いつきません。他に神代欅にふさわしいイメージの絵がないものかどうか、いつも考えてはいたのですが、なかなかこれといったものが浮かんでこないうちに、時間だけが過ぎていってしまったわけです。いくら古いものが好きだからといって、李朝の徳利や盃を彫ってもらうわけにもいかないし・・・。そこへあらわれたのがこのキトラ古墳の朱雀の絵です。ちょうど指板に収まるような形をしていました。私の頭ではもうこれ以上の絵は思いつかないです。さっそくヤイリギターの小池さんのところに飛んで行き、「朱雀を彫ってください。くださいくださいくださいったらください」とお願いしてきたのは言うまでもありません。
 おそらく来年、私が東海会会長の任期を満了して一息ついているときに、キトラ古墳とヤイリギターのゴッドハンドと私の突発的発想が生んだ、世界でただひとつのギターが出来上がってくるのでしょう。今から大変楽しみです。
 (詳しくは音楽のとびらで・・・)


近畿会の皆さん、ありがとね。
さて、来年の中日本地域会連合会議は、東海会が当番会です。
前回の当番会のときは愛知万博、その前が高山、で、もう一つ前が静岡ですので、次回は三重県で行うつもりです。伊勢志摩、赤福、鳥羽等観光名所もあると思いますので、楽しみにしていただきたいと思います。でも、私はというと、来年の今頃は、東海会会長の任期も終了しているので、参加は懇親会と観光だけという事に・・・。
次期執行部の皆さん、よろしくお願いします。


2009年9月17日木曜日

静岡方面からの電話

~24時間体制で待っていただいたのでした~


 9月11日(金)、ある業界の全国懇談会が名古屋で開催されたため、私も参加させていただきました。ただ、翌日から中日本地域連合会議が和歌山県で行われる予定だったので、準備もあり早めに帰宅。いつもより早めの帰宅に連れ合いも驚いたようすでしたが、静岡の会員の方から連絡があったとのことでした。会員の方から自宅に直接電話があったのは、私が東海会会長になってから初めてのことであったし、24時間体制で電話を待っているということのようでしたので、何事かと気になったこともあり、着替える前に電話をしたのでした。


 内容的には、協会会務の運営に対する質問が大部分でしたが、まとめてみると


  ①会計士協会の総会の定足数の問題
  ②本部会長選挙のあり方
  ③協会本部における監査法人と個人事務所との関係
  ④予算の執行の問題



の話が中心だったと思います。


 私もお話できる範囲内でお答えさせていただいたのですが、詳しい内容は省略することとして、何しろ一朝一夕には解決できない問題ばかりですので、電話ではなく直接お会いして話し合わなければならない事項でもあるのです。また、私としても、東海会の会員の中に、このようなご意見の方もいるということを、本部に進達しなければならないという思いを強くした次第です。


 本部総会においても、「会員の声を聞く会」を形式的には設けていますが、いつも時間がなくて十分とはいえません(今年も確か質問は2~3しか受け付けてもらえなかったと記憶しています)。また、東海会の総会においても、特定の方の質問ばかりで、活発な意見交換は行われていませんでした。


 協会のガバナンス改革の問題も、正副会長会や常務理事会・理事会でいろいろ議論しているし、ホームページやニュースレター等で情報を配信しているではないかと、執行部側では思っているかもしれませんが、なかなか一般会員までは浸透していないというのが現状だと思います。それが定足数の低下の問題や、協会への参加意識の低さにもつながっているのではないでしょうか。これから会員がどんどん増えてくると、協会の運営もますます難しくなってくるような気がします。


 会員の意見をもっと吸い上げる機会を持つことが必要なのですが、静岡県にも年に何回かお伺いする割には、公式の場ではなかなか意見を募っても出てこないのですね。機会をみつけて、いろんな場所・方法でどんどんご意見をいただければと思います。


2009年9月5日土曜日

IFRSの専門家が足りない

~まずは情報収集からはじめましょう~


9月3日の日経新聞によると、国際会計基準を前倒しで適用しようとしている会社がけっこうあるようです。財務諸表を作成する側も監査する側も、短期間で対応するには相当の努力が必要なのではないでしょうか。


IFRSを本当に理解している人は、日本においてはまだまだ少ないといわれています。将来的に、仮にIFRSを全上場会社に強制適用という事になると、監査する立場の公認会計士としては当然のごとくIFRSを理解していなければならないわけですが、今の段階では大手監査法人に勤務する公認会計士ですら、大部分が勉強中といった段階ではないでしょうか。時間はまだまだあるので、あせる必要はないとは思うのですが、公認会計士は会計のプロなのですから、上場会社の経理の人に先駆けて情報を入手し、知識を身につけていかなければなりません。我々は馬ではないので、水が必要だと思ったら水のありかを自ら探し回り、十分補充するだけでなく、不足している人にも分けてあげなければならないのです。2日に行われた協会本部理事会では、協会のIFRS対応についていろいろ議論が交わされたのですが、協会としても「会計監査ジャーナル」やホームページ、研修等を通じてIFRSに関する必要な情報をその都度提供していくということですので、心配は無用とのことでした。


IFRSに関しては、会計の専門家だけでなく、一般企業の方々も大変興味を持っているようですし、早期適用しないまでも、今のうちに対策を検討し始めている会社もかなりあるようです。内部統制監査の対応が一段落したと思ったら、今度はIFRS対応という事で、今後も会計の世界はめまぐるしく変わっていくのでしょう。強制適用される時期が5~6年くらい先といわれていますので、そのときまでには退職していると思われる方(もしかして私もそうですが)は力がはいらないかもしれませんが、10年ほど前から始まった会計ビッグバンの最後の総仕上げともいえる大きな会計のうねりの全貌を、この目でしっかりと見届けたいと考えているのです。


昨日も実はIFRSの講演を頼まれたのですが、たまたま日時が、私がピンポイントで入れた人間ドックの日と重なってしまったのでやむなく辞退。今後いつ講演を頼まれるかわからないので、怠りなく準備だけはやっておかなければならないのだ。


それにしても、グローカルに活動している会社にまでも、IFRSは必要なのだろうか?


2009年9月2日水曜日

そうだ!ポスターを作ろう

~名古屋は優秀なイラストレーターが多いのだ~


公認会計士協会本部も、最近広報戦略に力を入れ始めていますが、東海会だって負けてはいません。このたび、公認会計士協会東海会のポスターを制作することにしたのです。きっかけは、弁護士会さんや税理士会さん等の各士業団体が、それぞれ独自のポスターを作っているにもかかわらず、会計士協会だけがなかったからです。毎年この地区においては、名古屋自由業団体連絡協議会といって、10ある各士業団体が合同で無料よろず相談会や大規模な若手の懇親会等を行っているのですが、それぞれ業界説明用の小冊子やポスター・チラシ等を持ち寄って自らの業界のPRを行っているのです。ポスターがない我々は、なんとなく寂しい思いをしていたわけですね。


公認会計士協会が過去において、全くポスターを制作していなかったかというとそうではなくて、中地会長の頃に何種類か制作していたような気がします。記憶にあるのは「公認会計士はもっと働け」と、「あなたは公認会計士を信じますか」といった大変刺激的な表題のポスターでした。前者のときは、確か私もマネージャーで大変忙しかった頃で(今もそうですが)、これ以上どうやって働けというのだと思いましたし、後者のポスターには、公認会計士協会もけっこう大胆なポスターを作るものだと驚いたものです。


ポスターで真っ先に思い出すのは、名古屋で行われた研究大会用の金シャチポスターですが、あの時は大変だったなぁ。今回も、あのポスターに負けず劣らずのものにしたいと思っていたのですが、今回のポスターは、前回のように特定のテーマに絞ったものとは異なり、理解するのが難しいといわれている公認会計士の業界全体をイメージして制作してもらわなければならなかったため、果たしてどんなものが出来上がってくるか、多少心配なところもありました。でも、いくつかサンプルで出来上がってきたものの中には、なかなかいいイメージのものが含まれていたのです。名古屋のイラストレーターは、優秀な方が多いのだ(何しろ名古屋モード学園があるケンネ)


広報委員会で検討していただき、選ばれてきたポスターを最初に見て思ったのは、井上陽水の曲の「闇夜の国から」でした。「♪闇夜の国から二人で船を出すんだ~。海図も磁石もコンパスもない旅へと♪」。そう、公認会計士は、日本経済のさまざまな場面において、ある時は海図となりまたある時は磁石となり、そしてコンパスにもなって、経済社会を正しい方向へと導いていく使命を負っているのです。そして、ポスターの中では、その役割をイメージされている人物が登場しているのですが、それはもちろんこの人、「簿記会計の父」と呼ばれるルカ・パチョーリなのでした。


もう一度広報委員会で細部をつめ、皆さんに公開したいと思います。