私が東海会の広報部長を担当していた時の副会長で、当時愛知県の包括外部監査人だった梅田先生とタクシーの中で一緒になったことがありました。梅田先生とは同じ法人でしたので、いろいろ話し相手になっていただいていましたし、私も包括外部監査の補助者としてお手伝いさせていただいていたのですが、その時すでに梅田先生は病に侵されていました。タクシーの中で、「今度私が梅田先生の後を継いで、東海会の副会長を担当することになりました」とお知らせしたのですが、先生は「協会の業務に限らず、ひたすら頑張っていて、たとえそれが今は報われないことであったとしても、想いのまま一生懸命頑張ってやっていると、長い間にはいつか自分の所に戻ってくるよ、人生とはそういうものだよ」と静かに優しく言われたのを覚えています。
会計士協会の活動自体は、私の場合法人の業務プラスαで行っていたため、全体の仕事量としてはかなり大変でしたが、自分としては楽しみながらやっていたことでしたので、それが報われようが報われなかろうが全く関係なかったのですが、梅田先生のこの言葉は、その後の人生においてしっかり私の頭の中に刻み込まれました。
なぜこのことを思い出したかというと、先日知り合いの税理士に会ったときに出た話ですが、ある顧問先のために長年一生懸命仕事をしていたというのに、どうも先方の一方的な思い上がりにあったようで、大変嫌な思いをしたということでした。しばらく悩んでいたようですが、ある人から、嫌なことがあって反撃したくなった時には、「ありがとう!」と声に出して言いなさいと諭されたようです。そうすると気持ちが落ち着きますよと。まるでお坊さんのような人なのだ。
私は以前から、仕事中や日常生活の中でも、怒ることは4年に1回くらいしかなかったのですが、最近はもう成仏してしまったのか、もうほとんど怒ることはなくなってしまいました。それでも嫌な思いをすることは人並みにあるのですが、以前は大きく息を吸って、ふ~っと吐き出していたのですね。そうすると気持ちがだいぶ落ち着きます。でもこれからは嫌なことがあったら、大きく息を吸って「ありがとう!」と声に出して言ってみることにするのです。このブログを読んだあなたもさっそくやってみませんか。
その知り合いの税理士は、思いがけないほど落ち込んでいたので、さっそく私のお気に入りのお寿司屋さんである「たつ福」に連れていくことにしました。
たつ福の大将も励ましに、最上級においしいウニの握り(というよりウニのてんこ盛り)を握ってくれました。これこそ本当の「ありがとう」なのだ。