カテゴリリンク

2009年9月5日土曜日

IFRSの専門家が足りない

~まずは情報収集からはじめましょう~


9月3日の日経新聞によると、国際会計基準を前倒しで適用しようとしている会社がけっこうあるようです。財務諸表を作成する側も監査する側も、短期間で対応するには相当の努力が必要なのではないでしょうか。


IFRSを本当に理解している人は、日本においてはまだまだ少ないといわれています。将来的に、仮にIFRSを全上場会社に強制適用という事になると、監査する立場の公認会計士としては当然のごとくIFRSを理解していなければならないわけですが、今の段階では大手監査法人に勤務する公認会計士ですら、大部分が勉強中といった段階ではないでしょうか。時間はまだまだあるので、あせる必要はないとは思うのですが、公認会計士は会計のプロなのですから、上場会社の経理の人に先駆けて情報を入手し、知識を身につけていかなければなりません。我々は馬ではないので、水が必要だと思ったら水のありかを自ら探し回り、十分補充するだけでなく、不足している人にも分けてあげなければならないのです。2日に行われた協会本部理事会では、協会のIFRS対応についていろいろ議論が交わされたのですが、協会としても「会計監査ジャーナル」やホームページ、研修等を通じてIFRSに関する必要な情報をその都度提供していくということですので、心配は無用とのことでした。


IFRSに関しては、会計の専門家だけでなく、一般企業の方々も大変興味を持っているようですし、早期適用しないまでも、今のうちに対策を検討し始めている会社もかなりあるようです。内部統制監査の対応が一段落したと思ったら、今度はIFRS対応という事で、今後も会計の世界はめまぐるしく変わっていくのでしょう。強制適用される時期が5~6年くらい先といわれていますので、そのときまでには退職していると思われる方(もしかして私もそうですが)は力がはいらないかもしれませんが、10年ほど前から始まった会計ビッグバンの最後の総仕上げともいえる大きな会計のうねりの全貌を、この目でしっかりと見届けたいと考えているのです。


昨日も実はIFRSの講演を頼まれたのですが、たまたま日時が、私がピンポイントで入れた人間ドックの日と重なってしまったのでやむなく辞退。今後いつ講演を頼まれるかわからないので、怠りなく準備だけはやっておかなければならないのだ。


それにしても、グローカルに活動している会社にまでも、IFRSは必要なのだろうか?