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2009年12月29日火曜日

感性の話

~物事を見る目は成長する~


 今年ももうすぐ終わろうとしています。仕事の面では、毎日毎日目の前の業務をこなすことで精いっぱいだったのですが、趣味の世界では大きな成長があったと自分では思っているのです。
 今年の何月頃だったか忘れましたが、日経新聞の最終面で「日本の名椀10選」という特集記事が記載されていたのをご存知でしょうか。世の中にこんなに素晴らしいものがあるのかと感動したのを覚えています。その中でも特に一見して心を惹かれた茶碗が、李朝ものでした。どんなにお金を積んでも手に入らないものばかりです。昨年の10月ごろから李朝の骨董に心を奪われてしまい、それが衰えるどころかますます気持は高まるばかりです。もしかして私のご先祖様は、朝鮮の陶工だったのでは?


 最初は自分の感性だけで勝負して、見たり触ったり話を聞いたり、たたいて音を聞いたりにおいをかいでみたりしていたのですが、そのうち写真集を買い集めるようになり、最近では焼き物関係の本を買いあさっているのです。自宅で時間があると焼き物の本を開き、寝る前は写真集を眺め、骨董市があるといっては足を運び、週末には骨董店に出かけ、この道のプロと酒を飲みながら話を聞いたり名品を見せてもらったり、そしてそれをゆずってくださいと無理を言い・・・。大変な一年(一念ともいえる)でした。もしかしてIFRSの勉強に費やす時間の10倍ぐらいは焼き物の勉強をしていたような気がします。


 また、ギター関係では、以前から頭の中でいろいろ想像を巡らせていたのですが、何度か試行錯誤した結果、最近素晴らしい指板のデザインにたどりつくことができました。いったいどんなギターが出来上がってくるのか、今から大変ドキドキしています。
 まさかこの年になって、自分の周りに新しい世界が開けてくるとは夢にも思っていなかったのですが、いずれの世界も奥が深くて面白い世界に巡り合ったものです。


 それはそれで大変素晴らしいことなのですが、文化的なものを追及しているうちに、自分のものを見る目が研ぎ澄まされたのかどうかはわかりませんが、一方で、最近いわゆる世の中のあまりよろしくないものまで見えてくるようになってしまったのには困ったものです。政治の世界もそうですが、自分の身の回りに起こる出来事のなかにも、愚かな行動にみえることが多くなってきたような気がします。景気のせいもあるのでしょうか。
 骨董の世界では、たまに失敗すれば、それをきっかけにさらに真贋を見極める目に磨きがかかるといいますが、仕事の世界では、よろしくない場面に直面してしまうと、モチベーションが下がってしまいます。でも、おかしいことはおかしいと、来年も言い続けようと思っているのです。


 さて、年末年始は秋田で過ごすのですが、焼き物関係の本を10冊くらい持ち込みました。読破するのだ。