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2014年6月4日水曜日

松山選手の優勝

~勝利の女神のディンプル~

 松山選手がアメリカツアーで優勝したメモリアルトーナメントを、生放送でずっと見ていました。ゴルフは筋書きのないドラマだとはいえ、優勝にいたるまでの過程があまりにもドラマチック過ぎましたね。これだからゴルフはおもしろい。


 3日目を終わって優勝圏内でしたが、先週の大会で最終日を首位タイで迎えながら、もろくも崩れてしまったし、今回は争っている面々は強豪ばかりでしたので、正直どうかなと思っていました。

 一応録画はしていたのですが、朝目が覚めて念のためにスマホで順位を確認したところ、バックナインに入って、ババ・ワトソンやアダム・スコットと優勝争いをしてるではありませんか。飛び起きました。

 バックナインは劇的でしたね。アダム・スコットが徐々に脱落していって、ババ・ワトソンとの一騎打ちかと思われたのですが、信じられないかなババがOB打ってトップを陥落、松山選手がトップに立ちました。
 

 このまま最後まで行ってくれと願ったのですが、想像を絶するプレッシャーだったのでしょう。今度は松山選手が16番ショートで池ポチャ。池に入った瞬間、アナウンサーと解説者の横田プロが「あ~~っ!」とうめき声を上げます。テレビ観戦している我々と同じ心境だったのでしょう。結果ダブルボギーで、先にホールアウトしたケビン・ナと並んでしまいました。


 残り2ホールは難しいホールが続きます。案の定、17番でボギーが来ました。「うわぁ~~」と解説の横田プロが、またしても声にならない声を上げます。残るホールは難関の18番。ここでバーディを取らないと、プレイオフには持ち込めません。


 この段階で、私はもうちょっと厳しいなと思っていましたし、横田プロもアナウンサーの問いかけに生返事で元気がありません。ただ、アナウンサーだけは、「松山選手はこのホール3日間ともバーディを取っています」と励まします。4日連続で取ると史上初めてだとも。この難ホールでそんなことないよなぁと思いながらもティショット。


 打った後、松山選手の体が大きく傾きました。口元が「あ~」と言っているように見えます。そしてクラブを地面にたたきつけたように見えました。もう駄目なんだとがっかりです。ボールを追うカメラは、ボールがラフを転々としている様子を映し出していました。「うわ~」と思った瞬間、ラフを転々とはねたボールがフェアウエーのほうに転がっているではありませんが。もう少し来いと念じると、ボールはフェアウエーに。ゴルフの女神は、まだ可能性を残してくれたのです。


 ただ、松山選手がドライバーを打った後地面を叩いた時、集音マイクにでも当たったのか、ドライバーのシャフトが折れてしまいました。なんということでしょう。この時すぐに頭に思い浮かんだ言葉は「小次郎破れたり」でした。プレイオフを戦えないではないですか。なんという試練でしょう。でも、やるしかないのです。


 高く打ち出されたセカンドショットは、ドローを描いていきました。カメラは、自信のありそうな松山の顔を映し出しています。いいんじゃないかなと思った瞬間、ボールはグリーンに乗ってピンに近付いて行きました。ここまで追い詰められて、このショットですか、「う~~ん、すごい」と唸るしかありません。横田プロも元気を取り戻したようです。バーディでプレイオフです。


 プレイオフでもドアマが待っていました。ドライバーがない松山選手は、スプーンでティーショット。打った後体が傾きます。右に行ったようです。バンカーでした。続いてケビン・ナ。これが思いっきり左に引っ掛けて、なんと川へ。第3打目も深いラフです。この段階で、松山選手の勝利を予感させたのですが、それほどゴルフは甘くありません。バンカーからの第二打は、左に大きく引っ掛けて、観客席の中へ。まだわからないと思った瞬間、なんと観客席には勝利の女神がいた」のでした。


 松山選手の打ったボールは、勝利の女神の膝のあたりに当たったようで、当たったところにはゴルフボールのディンプルの跡がくっきりと浮かび上がっていました。女神は痛そうにするどころか、「ここに当たったんだわぁ」とでもいうように、カメラに向かて笑っています。大事に至らなくてよかったです。


 それでも、第三打はボールが見えないくらいの深いラフにあり、しかもバンカー越えです。グリーンも速いです。ラフからなので、ボールは止まりません。高いロブでボールを上げて転がりをできるだけ抑えなければならないのですが、バンカーに入ってしまったら、形勢逆転です。緊張の一瞬でしたが、うまくグリーンに乗りました。とりあえず一安心です。


 パットは、ケビン・ナのほうが先に打つのかなと思っていたのですが、どうやら松山選手のほうが先のようです。触っただけのパットは、ゆっくりゆっくり転がって、カップの中にド真ん中から吸い込まれていきました。私は我を忘れて、大声で「はいった!!」と叫んでいました。リビングの窓を開けていたため、ご近所の方はびっくりしたかも。横田プロもアナウンサーも感動していましたね。私もこんなに感動したのは、久しぶりです。つい、長いブログになってしまいました。


 夜に録画で再度見たのですが、ドラマもここまではやらないような、劇的なシーンの連続でした。
 


 これだからゴルフは面白い。横田プロ、もっと解説がんばって。