~0.6mmの技~
ヤイリギターの筆頭クラフトマン小池健司さんから画像が届きました。
小池さんは、最近名古屋鉄道のCMに登場しているようですよ。名古屋の皆さん、ご覧ください。
昨年来構想に取り掛かっていた「玉杢ギター」の制作が始まっています。
サイドとバックには「マホガニーの玉杢」という希少価値の高い素材を使用し、トップ材には貴重なジャーマンスプルースの極上品で制作していただくギター。
これでもういいではないか、と思いたくなるところですが、ここで満足してはいけません。世界で一台のギター、そしてだれにもまねのできないギターを創るのです。
まず口輪です。ロゼッタ。サウンドホール周りの飾りをどうするか。
年末年始ずいぶん悩みました。なくてもいいのではないか…とも思いました。
でもギターを真正面から見た際に、口輪が真っ先に目に入ってきます。考えました。
そこで出た結論は、「アバロン(メキシコ貝)で、できるだけ細く円を描いてください」
というお願いでした。そして付け加えて依頼したのが、
「遠くからギターを見ていて光が当たった時、あるいはギターを弾いて動いたり見る角度が変わった時に、さりげなくキラッと光るくらいの細さで」
という、何とも難しいお願いでした。
サウンドホール周りの飾りは、見た目派手なものや美しいものもいろいろありますが、今回の飾りは、難易度的にはかなり高いはずです。
画像の飾りは、両側の円が1mm、中央の円が0.6mm。この細さでアバロン(メキシコ貝)を削ってきれいに円を描く(彫って埋めていく)のです。
まさしく匠の技ですね。
イメージ通りのギターになってきました。