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2016年4月8日金曜日

タロニャンの儀式

~マグロが食べたい!~




 子供のころはいつも身の回りに犬がいましたが、ネコは飼ったことがほとんどありません。

 瀬戸市せいれい町に住んでいた時に、一時的に子ネコを飼ったことがありましたが、ペット禁止を言い渡され、車で秋田の堆肥研究家の実家に連れて行きました。

 したがってネコを本格的に飼うのは、今回が初めてです。どうしたらいいのか・・・。

 ネコの習性は「ホワッツ・マイケル」を何度も読み返していたので一応知っていました。

 犬は人の言うことを聞きますが、ネコは自分勝手で人のいうことを聞きません。実際飼ってみるとそうでした。

 「こい!」といってもこないし「お手」といっても知らん顔。一緒に走ろうと思っても勝手に独りで駆けていくし、もちろん棒を投げてそれを持ち帰ってこいといっても知らん顔です。ムムム・・・。

 と思えば、私が疲れて和室に大の字になっていると、心配そうにすりすりしてくるし、歯を磨いているとかならず洗面台まで登って「ニャ~ン、ニャン」といって挨拶に来ます。よくわかりません。

 食べ物は基本的にはキャットフードです。でも、ネコは生魚を食べるようなので、試しに私の目の前にあったマグロを小さくちぎって与えてみました。そうするとタロニャンはすごい勢いで食べています。ハナちゃんはなめるだけで食べません。

 「へぇ~、タロニャンはマグロを食べるんだ」

 でもこれが失敗のもとでした。

 タロニャンは、それ以来毎日夕方6時ころになると、食事のときに私がいつも座っている椅子に陣取って、そこから動こうとしません。私が行くまで、いつまでもいつまでも椅子の上で待っています。


 「早く来ないかにゃ~」




 そして私が近づくと、もうこれ以上はないという表情と声でマグロをねだるのですよ。

 「ふにゃ~~ン!マグロちょうだ~い!」



 (本当はもっとかわいいのですが、カメラの性能が良くないので・・・)

 仕方がありません。一切れを細かく切って分けてあげます。タロニャンは大満足です。


 毎日食卓に刺身が登場するわけではありません。でもネコ大好きの堆肥研究家は、生協から冷凍マグロをネコのためにわざわざ購入し、ネコのために毎日一切れマグロを細かく切って私に渡します。

 そしてタロニャンは、私の手のひらのまぐろをおいしそうに食べるのです。

 もうかれこれ一か月以上続いている、私とタロニャンの儀式なのでした。