~成功事例に学ぶ~
「負けに不思議の負けなし」とは、野村克也氏の言葉です。負けたからには負けの原因が必ずあるはずだから、敗因をしっかり分析して、次の機会に役立てようということです。それはそのとおり。
そういえば、公認会計士協会で「監査事例集」なるものを作成して、会員に配っていますね。会員の失敗事例を集めて、同じ失敗を繰り返さないようにしましょうという趣旨だと思います。
私はいつも思うのですが、監査事例集になぜ「成功事例」を載せないのだろうかということです。
マスコミに登場するような不適切な会計処理は、ほとんどが内部告発によって明らかになったもので、公認会計士が発見したという事例を、私は1件を除いて知りません。
その1件というのは名古屋で起こった事案で、最終的には経営者を含め逮捕者が出るという事態にまで発展したものです。地元の中日新聞には「監査法人からの指摘で・・・」と何度も取り上げられましたし、捜査に協力したということで愛知県警からも感謝されました。
おそらくこのような事案は、公認会計士監査が始まって以来初めての出来事だったのではないでしょうか。ネットでも、称賛するコメントがあったほどです。担当した公認会計士は、誇っていいと思います。
私が知っている名古屋の公認会計士 I さんは、とても優秀な公認会計士で、不適切な会計処理を発見したのでした。では、なぜ発見できたのかというのは、監査実務を行っていくうえではたいへん参考になるもので、これを会員が共有することができたらいいのになと、いつも思っていました。
公認会計士協会も、単なる「結果論」だけで会員の失敗事例だけを取り上げるのではなく、様々な監査環境の中で、いろんな要因が複雑に絡み合う監査現場で、「なぜ発見できたのか」という成功事例も、もしあったらどんどん集めて取り上げてほしいものですね。
それはそうと、エスペランサ村の1年です。
今年は初めて農業・・・というか「大規模家庭菜園」に挑戦したのですが、大方の予想どころか自分たちの予想をも裏切って、ずいぶんとうまくいきました。
なぜなのか。
もちろん、私たちの「エスペランサ村にかける思い」や「気の遠くなるような努力に創意工夫」「いつまでたってもやめない根気強さ」「決してあきらめない粘り強さ」それに「助っ人のFさんはじめ様々な皆さんの協力」があってのことですが、野菜や果樹がうまく育った最も直接的な原因は、なんといっても「馬糞堆肥」でしょう。
昨年から今年の春先にかけて、4トントラック(山盛り積めば7トンといわれている)10台分の堆肥を投入しました。しかも一輪車とバケツの人力攻撃でした。この堆肥を畑にまんべんなく敷き詰め、また果樹の周りにも敷き詰めたのです。大正解でした。
これに気をよくして、畑面積はさらに倍増させるつもりで、この秋にすでに4トントラックで7台分敷き詰めました。来年の春のため、堆肥は1台分残していたのですが、雪が降る前日にさらに4台分持ってきていただきました。ぎりぎり間に合ってよかったです。
今の時期はもう農作業はできませんが、来年何を植えるかを考えるのも楽しみの一つです。
冒頭の写真は、雪に埋もれた堆肥の山です。この堆肥が、来年もエスペランサ村に、豊かな恵みをもたらしてくれることでしょう。
春先が待ち遠しいです。