~ここ掘れ!イモイモ~
今日も結局仕事を終えたのが、夜の10時ころでした。いったい何をやっているんだか・・・。
気分転換に「サツマイモ」の話です。
堆肥研究家が作った「鬼まんじゅう・・・のようなもの」ですが、原料となったサツマイモは、全く期待していなかったものでした。
エスペランサ村の5,300坪の敷地の中には、100坪ほど、荒れ地というか砂地があります。
昨年の夏、背丈ほども生い茂る「草の海」約4,000坪の敷地を、3人がかりで刈払い機を使い、朝から夕方まで1か月ほどかけて草刈りを行ったのですが、どういうわけか草が全く生い茂っていない部分があったのです。赤い砂地でした。
私がバックホーで天地返しを行った際も、何の手ごたえもなかったので、「ここの場所には何も植えてはいけない」と、しっかり頭の中に刻み込んでいたのでした。
今年の夏の初めころだったでしょうか、「コメリ」にサツマイモの苗が売っていました。その頃、地元の秋田魁新聞に、子供たちが農業体験でサツマイモを植えている記事が何回か登場しました。読んでみると、「砂地にサツマイモの苗を植えた」と書いてありました。
ネットで調べてみると、サツマイモは砂地に適していると書いています。しかも、水をやらなくても、黙っていても育つと。おお!そうですか。エスペランサ村にも砂地があるではないですか。
ろくに草も生えないような砂地に、本当にサツマイモが育つのだろうかという意見も、エスペランサ村の常務理事会で出ましたが、そこは
「なんでも自分たちで試してみなければ、結果はわからないではないか」
という村の基本方針に従い、試しに植えてみることにしたのです。
さっそく耕運機を200ヤードくらい移動させ、畝を作りました。砂地なので手ごたえがないですね。おそらくだめなんだろうなというあきらめの気持ちが先立ちましたが、でも一方では、もしかしてという気持ちも片隅にはありました。
結局、長く続いた日照りの間も水をやらず、肥料もやらないでほったらかしでした。今考えてみると「サツマイモさん、すまなかった。」なのです。
当然ながら、苗はあまり育ちません。収穫の時期を迎えたときは、この町のあちこちで見かけるサツマイモの苗は、大きく立派に育っています。それに比べて・・・エスペランサ村のサツマイモは・・・ほとんどあきらめていました。収穫する気も起きませんでした。
そうこうするうちに、ご近所で畑をやっている人が、私に近づいてきて、「あの場所に、いったい何を植えたのかい」と聞いてきました。
「ためしにサツマイモを植えてみたのですが、やっぱりだめでした」と私は答えます。
「おお、そうかそうか。あそこの場所は、前の所有者のHさんがいろいろ工夫したけれども、結局何を植えてもだめだったところなんだよなぁ~」といいます。
「だったら最初に教えてくれよ」とも思いましたが、私の性格では逆に「では、私がやってみましょう」となったでしょうね。
二人で話をしていると、堆肥研究家がやってきました。大きな発泡スチロールの箱を抱えています。そして、サツマイモを植えているところに行くと、ワシワシと土を掘り始めたではありませんか。
「採れるはずないがね!」と私が声をかけても、堆肥研究家はお構いなく掘っていきます。
「ここ掘れ!イモイモ」
と、サツマイモからの啓示があったのだそうです。
「あった!」
なんと、そこそこ立派なサツマイモができているではありませんか。JAが運営している「野菜畑」で売っているサツマイモと比べても、何ら遜色ありません。感動の瞬間です。私も続いて掘り始めます。「ここ掘れ!イモイモ」。大きな発砲スチロールの箱いっぱいのサツマイモが集まりました。
もちろん植えた苗の本数からすると、収穫できたのはわずかですが、二人で食べる分としてはもう十分です。
水も肥料もやらず、ほったらかしでもこれだけ収穫できました。そうであるならば、来年は、この辺一帯をきちんと管理して、「サツマイモ畑」にすることにしましょう。
さっそく私は残っていた堆肥をバケツに詰め込んで両手に抱え、3日かけて150往復くらい堆肥を運んだのでした。
来年が楽しみなのだ。