~役に立った竹~
念願の原木が手に入ったので、さっそく「種こま」を原木に打ち付けましょう。一本の原木に、種こまをだいたい40個~50個打ち付けると想定して、種こまを4,000個購入してきました。シイタケ3,000個になめこ1,000個です。それに電動ドリルも。
シイタケは、種こまを打ち付けたところから出てくるものと思い込んでいたので、
「これでシイタケ・なめこ4,000個だぁ!」
と喜んでいたのですが、そういうことではなくて、種こまを打ち込んでシイタケ菌が木の中を駆けずり回れば、種こまの数にかぎらず生えてくるのだそうです。おお、そうでしたか、場合によっては一万個も・・・と、思いは膨らみます。
二人でドリルで4,000個の穴をあけ、トンカチで4,000個のこま打ちを行うのも大変なので、Fさんに声をかけて手伝ってもらうことにしました。3人ならはかどるでしょう。春の日差しの中、電動ドリルの音と、トンカントンカン種こまを打ち付ける音が、心地よく響きます。
しばらく作業をしていると、お隣で桜の木の剪定をしている方がやってきて、興味深そうに話しかけてきました。こちらとしては、作ったシイタケ等を販売したりすることが目的というわけではなく、ただ単に面白そうだからやっているだけなので、遊び半分で適当に答えては笑いを誘います。楽しいひと時です。
さて問題は、こま打ちの終わった「ほだ木」を、どのように立てかけるかです。地面に寝っころがしておくわけにはいきません。キノコの教科書を読んでみると、Yの字の木を二本地面に打ち込み、それに一本長い木を通して立てかけるとか、いろいろやり方があるようですが、そんなに都合よくYの字の木なんかあるはずないでしょう。
エスペランサ村の「第二区画」である、梅並木の裏の松林に行けば、何かいいアイディアが浮かんでくるかもしれません。中に入っていきましょう。すると、突然頭の中で何かが「ぴかっ」とひらめきました。昨年切り倒した「竹」があるではないですか。
さっそく村の端っこに置いてあった、10メートル以上はある竹を取りに行きます。100mくらいは引きずっていかなければならないでしょうか、両手で抱えてずるずる引っ張っていきます。3往復しました。
引きずって持ってきた竹の、細いほうの先端を切り取って、手ごろな長さにしました。その竹の両端を、松林に複雑に絡みついている「蔓」や、倒れ掛かった木、あるいは枝で支えます。うまくいきました。これでほだ木を立てかける準備が完了です。
ケートラ越麻呂号でほだ木を運べるところまで運び、後は人力で松林の中まで持っていきます。太いほだ木は結構重いので、一苦労でしたが、整然と立てかけられた様子を眺めるとなかなか美しいです。充実感で体が満たされます。
一方なめこは、ほだ木を立てかけるのではなく、木の三分の一ほど地面にめり込ませながら寝かせるのです。助っ人のFさんが、頑張って地面を掘ってくれました。ありがたいです。
二日がかりでしたが、なかなか贅沢な遊びでした。
エスペランサ村の松林の中には、ちょうど良い日陰の場所があり、キノコ栽培には絶好の場所だと思っているのです。どんなシイタケやなめこができるか、今から楽しみです。
※写真は、「Esperanza Village」のHP 「Espersnza Farm」の写真集「第四区画」をご覧ください。
http://esperanza-village.com/custom17.html