~来年もまた来てくださいね~
いよいよ確定申告の期間になりました。昨日は二発目の「一発決算」です。朝から仕事をはじめて夕方には所得税の確定申告書が出来上がり、夕食後に消費税の確定申告書を書き始めて、結局終わったのは夜の10時でした。
本来は、エスペランサ村でのんびり「大規模家庭菜園」を楽しもうと思っていたのですが、種や苗木の購入代金を稼がなければならないので、ここはしっかり本業で頑張りましょう。それにしても、今年の消費税の申告は、5%分と8%分を分けて集計して付表を作成しなけれならないので、面倒ですね。
先日、年金関係の無料相談会に行ってきました。この会場では300人ほどが、e-Taxでの確定申告をおこないました。
基本的には、各個人がPCを操作しながら自分で申告書を作成していきます(この場合は、着席しないで立ったままPCに向かいます)。複雑な案件だったり、相談者が杖をついたお年寄りや車椅子を使っている場合は、我々税理士が相談にのり、e-Taxで代理申告してあげるのです(この場合は税理士と相談者が対面するかたちで着席します)。
私は今までe-Taxの操作をしたことがなかったのですが、事前に税務署に行って操作方法の研修を受けてきていたので、本番ではスムーズに行うことができました。
私のところに来た相談者は、やはりご高齢の方が多く、基本的には「医療費控除」でした。ここで皆さん勘違いされているのが、「医療費控除は、10万円以上の医療費を支払っていなければ、控除を受けることができない」という、誤った認識です。
世間一般で、「10万円」ということがよく言われているため、それで判断してしまうのですが、所得金額が200万円未満の場合は、医療費の金額が10万円に達していなくても、医療費控除を受けることができるのですよ。ましてや年金収入だけの人は、収入金額から一定金額を控除した後の所得金額が、200万円を超えることは稀ですので、どんどん還付申告をしてほしいものです。
今回、私が驚いたのは、車椅子のおばあさんでした。大正10年生まれですので、今年94歳でしょうか。ご自分では耳が遠いとおっしゃっていましたが、そんなことはありません。私の質問に、テキパキと答えてくれます。
最後に税金金額を算出したところ、「還付」でした。私もほっと一息です。さて、還付される入金口座を教えてもらおうと思ったのですが、口座番号が書いてあるキャッシュカードか通帳を用意しているかどうか一瞬心配しました。
「口座番号のわかるものを、何かおもちですか」
と私は尋ねます。するとおばあちゃんは、それが当り前であるかのように、口座番号をすらすら答えてくれるではありませんか。一応念のために、昨年の申告書の控えを見せていただいたのですが、間違いありませんでした。すごい記憶力です。
帰り際私は、
「来年もまた来てくださいね」
と、おばあちゃんに声をかけていたのでした。
今回、年金関係の無料相談員をやってみて思ったのは、ボランティアではあるけれど、自分のやっていることが、さまざまないわゆる「税金弱者」の方々の役に立っているという充実感です。それは、監査法人に勤務していたときとはまったく異なる充実感です。
次回の無料相談は、いよいよ最近話題の「農協」です。こちらももちろん初めてですので、しっかり準備しましょう。