~掘るべし!掘るべし!掘るべし!~
「明日のジョー」というボクシング漫画は、傑作でした。我々の世代では、語り草になっています。少年刑務所で矢吹丈は、丹下段平から「あしたのために」と書いた手紙を受け取るのですね。ジョーは、その手紙を元に、ひたすら練習を重ねます。
あしたのために、「打つべし!打つべし!打つべし!」と。
さしずめこちらの場合は、あしたのために「掘るべし!掘るべし!掘るべし!」でしょうか。ひたすら愚直にバックホーで掘り進んでいきます。
ひたすら掘り進んでいくと、何やらぬかるみがあるようです。バックホーはお構いなしに掘り進んでいきます。「あれ?ちょっとまずいんじゃないの・・・」と思った時には、もう両方のキャタピラが泥の中に埋もれていました。いくらエンジンをふかしても、前にも後ろにも進むことができません。どうする・・・。
「さすがのHさんでも、ちょっとこの状況では無理なのでは」と思いました。
ところがHさんは、バケットを大きく前に振りかぶって大地をがっしり噛むと、その場所を固定させ、アームを手前に引いて、難なくぬかるみを脱出します。こんなことができるのですか・・・。う~ん、神業です。
泥の海を脱出したHさんは、ついでに水路も作ってくれるようです。バケットが、バックホー本体の手前数センチまで接近して土を運んでいきます。そしてどんどん進んでいくのですが、私は心配になります。
「あの~そのまま進むと、バックホーが木にぶつかってしまうんですけど・・・」
ところがバックホーは、紙一重の見切りで木をよけていくのですね。信じられません。
この町の80歳代の人たちは、みんな一芸に秀でた人ばかりで、プロとしての誇りをもって仕事をしています。
私の場合は、英語以外は一応何でもこなすというか、仕事でも趣味でもなんでもある面オールラウンドプレーヤーではあるのですが、自分には「これだけは絶対誰にも負けない」と自負できるものがあるのだろうか・・・。
つい考えさせられてしまいました。
第三区画終了です。