エスペランサ村を整地・開墾するにあたって、最大のネックになるのは、やはりこの広さです。でも、この広さをうまく活用できれば、最大の武器にもなるのです。
実はこのエスペランサ村内には、81歳になるおじいさん(といったら叱られそうですけど)が、プレハブ小屋を建てて住んでいます。Hさんといいます。エスペランサ村の土地の前の所有者で、この地域一帯を開発された方です。お住まいは大変なお屋敷だときいていますが、日中はほとんど毎日このプレハブ小屋を拠点にして、所有している近隣の土地の整地をしたり、畑作りや鶏の世話をしているのです。なんと魅力的な方でしょう。こういうこだわりを持った人は、わたしは大好きです。
当初、この土地を私たちに譲ってくれるときに「プレハブ小屋を撤去する」と言っていたので、あわてて引き止めた経緯があります。Hさんは、この辺りの事情に大変詳しいし、何しろ物知りで、話すたびに毎回面白い話題が出てきます。ぜひ「エスペランサ村の村長」として、村を支えていただきたいと考えているのです。
昨年末、地域の人が集まった時に、私がここでいったい何をしようとしているのかプレゼンを行った話は、拙ブログにも書いた通りです。そこで指摘されたのは、この辺りの土は赤土で、農業には適さないということでしたが、このことは私に重くのしかかっていました。でも、実際にはご近所の皆さんは、立派な畑を作っています。
私たちはさっそくHさんに、畑の土をどうしたらいいかと相談しました。そうしたらHさんは「いい土を見せてあげるから、車で後からついてきなさい」と言い、四駆の車に颯爽と乗り込みました。
車を少し走らせたところには、なんと良質の土の山と、大きな油圧ショベル(バックホウ)が置いてあるではありませんか。81歳のHさんは、バックホウにひょいと飛び乗って運転席に入り込むと、華麗にバックホウを操ります。
そばでは堆肥研究家が見守っています。
むむむむむ・・・これからどうなる?
え~!すっご~い!
よよよよ・・・
いえ~ぃ!やったぁ~!
バックホウでひとかきしてとった土を、堆肥研究家が調べています。
この土なら全然問題ないです。
Hさんは、この土を使って耕してきたご自分の畑のようすを説明しています。
ここには、今ひとかきした土以外にも、いわゆる黒土もあり、それから堆肥が混じったような、さらに畑に適した良質の土もありました。
エスペランサ村の「土問題」に、光明が射した思いです。
この後「整地・開墾編」は、いよいよ佳境に入ってきます。