~逆転の発想!~
エスペランサ村内で、果樹を育てたり野菜を作ったりするためには、水を確保する必要があります。また、大雨が降った場合に備えて、水が流れていく路も確保しなければなりません。全体の敷地の中で、どこにどのように水の流れを作ったらいいのか、これは今後のためにも大変重要な課題です。
当初考えていたのは、現状梅並木の後ろ側に狭いながらも水の流れがあるため、そこをきれいに片づけて、土管を入れて水路にしてしまうという案でした。さっそくこの考えでどうかとHさんに相談するために、プレハブ小屋に向かいます。
Hさんは、ここをいったいどうしたいのかと我々の話を聞いています。そのあとでHさんから出てきた案は、逆転の発想というか、全く想像もしていなかった案でした。
Hさんから出てきた案は、梅並木の裏に水が流れている窪地をさらに広げて水路にするのではなくて、むしろ埋めてしまおうというものでした。埋める際には、冬に梅の木を剪定した際に大量に出てきた枝を使います。これです。
そして、その上に土をかぶせるのですね。いわゆる「暗渠(あんきょ)」です。
翌日、造園業者のFさんと庭園見学に行った際にお聞きしたのですが、大量の枝を埋めてつくる「暗渠」というのは、今でこそあまり見かけなくなったものの、昔はよく作られていたとのこと。土の下に適度な空間ができて水が流れるので周囲の樹木にとっても良い環境になる理想的な形なのだそうです。 おお!そうだったのか。それではさっそく行動に移すことにします。
梅並木のさらに奥のほうには松林があり、そこには伐採された大枝や蔓等が足の踏み場もないくらい散乱していたので、とりあえず人力でも片付けようと考えていたところでした。
それならば、捨て場所に困っていたそうした枝や小木なども、暗渠にする窪地に集めればいいわけです。梅並木の剪定枝と松林の大枝の両方を有効利用することができるわけです。
伐採した松の枝を窪地に集めました。こんなにあります。
そして次に、剪定された梅並木の枝を、一本一本窪地に埋めていきます。
懸命に作業に没頭する堆肥研究家。
「え~い!これでもかっ。ニャロッ!」
そして最後に、上から土をかけます。
この作業に、二人で二日間かかりました。上空高くトンビがぴーひょろ鳴いています。トンビの鳴き声を聞くのは何年振りだろうか。
最後はこうなりました。素晴らしいです。
あ~腰が痛て!