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2012年4月6日金曜日

がれき処理問題

~なぜ受け入れられないのか~





 東日本大震災からの復興がなかなか思うように進まないのは、やはりがれき処理の問題があるからだと思います。これを被災地だけで処理しようとやっていたら、その処理だけでおそらく何十年もかかってしまい、とても復興どころではないでしょう。ここは日本全国一致団結して協力して、みんなの力で復興に協力しようではありませんか。と思っていたのですが、ことはそう簡単にはいかないようです。


 東京都が石原知事の決断でいち早くがれきの受け入れを表明し、作業に取り掛かっています。秋田県も佐竹知事が岩手県庁を訪れて、東京都に次いでがれき受入れの基本協定を結びました。東北の新生に向けて協力体制を作っていただけるということで、うれしい話です。その後もいくつかの自治体が受け入れを表明しているのですが、なかなか次から次へと全国的に広がるということにはならないのですね。


 自治体側ががれきの受け入れを検討あるいは表明しても、住民が反対するケースが多いようです。ニュースを見ていると、地域住民の一部が受け入れ表明をした自治体側に詰め寄り、「故郷」を合唱したというではありませんか。自分の古里さえよければそれでいいと考えているのだろうか。


 確かに国の原発関係に関する対応のまずさや発表に対する不信感、議事録を作成していないなど真実を明らかにしたがらないというか、隠そうとする体質を考えると、「とても信用できない」といった気持ちはよくわかります。でも、いつ同じようなことが自分たちの身に降りかかってくるかもしれないし、ここは「自分たちだけが良ければいい」という考えは捨てて、国家プロジェクトとして全面協力していただきたいものです。それが結果的に回りまわって自分たちの幸せにもつながるはずではないですか。


 地震が発生した時、あるレストランで食事をしていた人たちが一斉に外へ飛び出したのですが、そのうちの大部分の人は地震がおさまった後食事代を払って帰ったそうです。そして、その場では払わなかった人も翌日にはレストランへやってきて、食事代を払っていったそうです。日本人はそういった礼儀正しくて思いやりのある民族のはずです。


 「災害に県境はない」と秋田県の佐竹知事は言っています。がれきを受け入れて処理しても、そこに住んでいる人には何も影響がないのだということをきちんと説明して、それが確認できたら、全国ベースで取り組んでいただきたいです。住民が受け入れ反対で自治体側とももめているニュースは、日本人として恥ずかしので、もう見たくないです。