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2012年3月5日月曜日

猫だって嫌なものは嫌という

~おかしいといえない社風~




 物心ついたころから犬を飼っていました。そして実家にはつい数年前まで、帰ると必ず私を待っている犬がいたのです。そんなことが関係しているのかどうかはわかりませんが、犬を連れて散歩している人と道端ですれ違うと、必ずと言っていいほど犬が私に近寄ってきます。飼い主が強引に連れて行こうとしても、犬は私の方を振り返りながら、名残惜しそうな顔をしています。私にはわかるのです。


 東京から名古屋に移り住んでからは、しばらくは連れあいあの住んでいた職員住宅にもぐりこんでいました。ある日そこに生徒が猫を連れてきたのですが、いろんないきさつがあって、その猫をつい引き取ってしまうことになったのです。猫を飼うのは初めてだったため、どのように扱っていいのかわかりません。最初は犬と同じように接していたのですが、気まぐれでこちらの思うように行動してくれないのですよ。しかりつけるとますます人間関係?が悪くなってしまいます。それでも、仕事が終わって家に帰ってドアを開けると、うれしそうに背中を床にこすりつけてごろごろやっているのはやはりかわいいし、私が一人で部屋に閉じこもって勉強などをやっていると、こっそり部屋に入ってきて、背中を駆け上ってきたり、消しゴムをころころ転がして遊んでいたり、疲れると膝の上で寝ていたりします。


 かといって話しかけても知らんぷりです。なれ合いを拒むというか、食事を与えるとき以外は人間に媚びることはしません。高貴な生き物なのだ。小林まこと「ホワッツ マイケル」という猫漫画を読んで、やっと猫の習性を理解してきたのですが、結局は部屋の中で猫を飼ってはいけないということになってしまいました。やむなく車で秋田まで連れて行き、連れ合いの実家に預けることにしたのです。でもそこは猫天国。今でも4匹飼っていているのですが、遊び盛りで大変なのだ。


 自由気ままに生きている猫ですが、それに比べて人間社会はどうでしょう。生活が懸かっているから嫌な仕事でも「わかりました」といってやらなければならないし、理不尽だと思いながらも文句もいわずこなさなければなりません。それぐらいは当たり前の事として受け入れるしかないのですが、職場が言いたいことも満足にいえない社風であってはやはりよくないですね。


 正しいことなのに、言ってはいけないこととして我慢している人は、猫を見習ってほしいです。