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2012年1月13日金曜日

ホークスの憂鬱

~人事考課の失敗例~




 ホークス杉内選手がFA制度を利用して、ジャイアンツへ移籍することになったようです。またしてもジャイアンツの横暴かと思ったのですが、どうも事情は多少違うようです。


 昨年日本シリーズで優勝し、日本一に輝いたホークスですが、和田選手がアメリカ大リーグへ挑戦し、ホールトン投手と杉内投手がジャイアンツへ移籍することになりました。勝ち頭3人が抜けることになります。各球団の支配下登録選手は確か60~70人ほどだと記憶しているのですが、例えば一般事業会社でもそのぐらいの規模の会社で、エース級の営業マンが3人もいなくなり、同業他社へ移籍ということになると、これはもう大変なことです。上司の責任問題に発展することになるでしょう。


 新聞によりますと杉内選手の場合、昨年の契約更改の席上、交渉相手(この場合評価する人)「来年君がFAの権利を取得したとしても、どこも獲得する球団などないよ」という趣旨のことをいわれたのだそうです。事実とすれば、プライドが傷つけられたことでしょう。


 この言葉がずっと頭の片隅に残っている状態で一年間を過ごし、昨年の契約更改の席では、極端な成果主義の報酬を提示されたのだそうです。プロ野球の選手ならば結果がすべてですので、成果主義で年俸が決まるのはやむを得ないとは思いますが、彼らだって生身の人間です。調子が悪い時もあれば、けがをするリスクを常に抱えながら日々プレイしているわけです。どのような交渉だったのかはわかりませんが、成果主義が給与に極端に反映されてしまうのでは、選手にとってもリスクが高すぎて、飲むことができなかったということなのでしょう。


 最終的にはホークスも、成果主義的な要素を排除して、固定性の年俸を提示したそうですが、昨年からのしこりもあり、いくら愛着のある球団であっても去っていかざるを得なかったのだといわれています。人事考課の失敗例でした。


 実力があれば、去って行っても救ってくれる球団があります。でもその球団がジャイアンツだったというのはちょっとなぁ。


 最近新聞で選手の推定年俸が報道されているのですが、年俸金額の後に必ず出てくるあの「プラス出来高払い」というのには、何か違和感がありますね。ちゃんと成績を残せばもっと払うから頑張れよと言われているのと一緒で、成果主義の要素を取り入れているのでしょうが、「出来高払い」という言葉になぜか悲しいものを感じてしまうのは、私だけでしょうか。