~今日の日経「春秋」の記事~
今日はブログを書くのをお休みにしようと思っていたのですが・・・。
今日の日経新聞の「春秋」には驚きましたね。お正月早々こんなひどい文章を読まされるとは。
「春秋」によると、「会計士の活動」は、「資本主義の発展に少なからぬ貢献をしてきたといえよう」といいます。そして、・・・以下「 」内は新聞の記事そのものを抜き書き
「ところが今、この専門的な職業の存続を危ぶむ声があがっている」
というわけですよ。えっ!なんのことだろう?と読み進みます。なぜかというと、
「人工知能(AI)に不正会計の事例を学習させることで、すばやく虚偽を見抜けるようになってきたからだ」
と続くわけですね。そして、あろうことか、
「技術革新が人の仕事を奪った例」
として、
「産業革命下の英国で起こったラッダイト運動が知られる。」
を例に挙げています。そこで「ラッダイト運動」ですか。私も久しぶりに思い出しましたよ。
「機械に職をとられた織物職人たちが、機械を打ち壊した騒動」
として引き合いに出しています。
この書き手は、公認会計士が、『AI監査反対』などと叫んで、集団でPCを打ち壊す騒動を起こしているシーンでも想像しているのでしょうか。ずいぶんひどいですね。
「AIに取って代われれる恐れが指摘される仕事」
の代表例に挙げられているわけです。そして、
「帳簿の点検がAIに置き換わり始めたとき、会計士はどうしたらいいか」
と問いかけ、ある会計士の話を持ち出し、最後は
「産業構造の変革期は廃れる仕事がある反面、伸びる仕事も出てくる。AI革命の今、そのただ中に入ったようだ」
なんて書きながら終わっています。
この記者は、公認会計士の仕事は、「廃れる仕事」だとでも言いたいのでしょうか。
これからは、監査人側でAIを利用した監査手法が開発されるにしても、通常の会計の枠内での処理以外にも、現在の企業会計には、減損や税効果等、判断の要素が多くはいります。
それに「経営者不正」や「意図的な不正」は内部統制の枠外で行われます。
そう簡単に「すばやく虚偽を見抜ける」とは考えれらません。
「独立不羈」の公認会計士の仕事が、そう簡単に「廃れる」ようなら、資本市場は混乱するでしょう。
「春秋」は、日経の1面で、だれもが読むところです。もっと良識のある文章を書いてほしいですね。魁新聞の「北斗星」とは、大違いです。
今日の日経「春秋」を読んだ全国の公認会計士は、きっと憤りを覚えたことでしょう。
公認会計士協会が、会員のための組織、あるいは将来の会員のための組織であるならば、日経新聞に抗議すべきだと、私は思います。