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2016年3月17日木曜日

最初の洗礼

~カミキリムシ恐るべし~




 「北北限のイチジク」のところでも書いたように、イチジクは「カミキリムシ」対策がすべてです。わかっていたので、定期的にチェックしていました。


 「イチジクの幹に小さな穴が空いていないかどうか」


 この辺りでも、イチジクの栽培を試みたけれど、カミキリムシで全滅したという話を聞いていました。私も昨年2回ほど見つけています。いるのですよカミキリムシが。要注意です。


 先日雪が完全に解けたので、タケノコ堀のために竹の周りを整備しようと思いつき、堆肥研究家がのこぎりを取りに行きました。私はその間、久々にイチジクの幹に穴が空いていないかチェックです。大丈夫でした。


 でも、幹のてっぺんが空洞になっています。確か最初に棒苗を見たときも、少し空洞になっていたような気がしたので、そんなものかなとあまり気にしませんでした。ほかの木も空洞になっているし・・・。


 その中の一本に、空洞のところに白い米粒のようなものがついているのに気が付きました。


 「なんだこれ?」


 と思って軍手で取り除きます。幹を触ってみると、幹がおがくずみたいに崩れてしまいました。


 「えっ!・・・なにこれ?」


 頭の中が真っ白になりました。どんどん崩れていきます。崩れた最後に、また白い米粒が・・・カミキリムシの幼虫でした。ほかの枝も調べてみます。


 剪定ばさみで上から約3cm刻みで切っていきます。空洞です。もう3cm・・・だめ・・・さらに3cm・・・思い切って5cm・・・まだだめ・・・。


 頭の中に「全滅」という言葉がよぎります。


 何回か切っていくうちに、やっと芯があるところにたどり着きました。




 とりあえずほっとします。全部芯のあるところまで切り取りました。これでいいのだろうか?


 結局20本ほどあるすべてのイチジクが、カミキリムシにやられていました。大体一本上から5cm~10cmくらいでしょうか、中には50cmほど深くやられていたものもありました。


 このままもうだめになってしまうのだろうか・・・


 いてもたってもいられず、先日紹介してもらったJA湖東の果樹担当Kさんのケータイに電話します。


 「カミキリムシだと思うのですが、どいうしたらいいですか」


 「おがくずのように崩れたでしょう、カミキリムシに間違いないです。」


 やっぱり・・・。


 「処置としてはそれでOKです。この後切り口を『トップジンMペースト』というのでふさいでください。あと細いノズルのついているカミキリムシ専用の『キンチョール』があるので、それを注入してください」


 そうですか、細いノズルのあるイチジク専用の薬なら私もネットで見ていたので知っています。Kさんは続けます。


 「カミキリムシ対策は、ほかにありません。防除の方法がないのです」


 農薬はまきたくなかったので、それはそれでいいのですが、結局は「見つけたら取り除く、穴があいていたら園芸用キンチョールを注入することくらいしかできないのだそうですね。定期的な見回りが大事だということでした。


 私はケートラをすっ飛ばしてJA湖東へ向かいます。


 「トップジンMペーストと園芸用キンチョールください。ください、ください、ください。くださいったらくださいな」


 ジャガイモの種イモがちょうど届いていたので、一緒に持ち帰ります。


 さっそくイチジクの切り取った跡を、トップジンMペーストで塞ぎます。




 そして再度イチジクに小さな穴がないかを丁寧に調べました。


 穴は3箇所ありました。極細のノズルを差し込んで園芸用キンチョールを注入します。無農薬とはいえ、このくらいは仕方がないですね。


 イチジクはまだ生きています。昨年あれだけ頑張って育てたのです。これからは気を付けてしっかり見回ることにしましょう。


 とても勉強になりました。