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2014年9月26日金曜日

草の海

~刈り上げ式~

 作家の椎名誠さんの小説に『草の海』というのがあります。モンゴルのことを書いた小説です。モンゴルは都市部を離れると、一面草におおわれているらしく、草が風になびいている草原が、あたかも海の波のように見えるのでしょうね。


 8月下旬にエスペランサ村を訪れたとき、その小説を思い出しました。その後、拙ブログの「プロの仕業」にも書いたように、敷地内の一部はきれいに刈り取られていましたが、それ以外は村の集会所の建築現場を除き、背丈ほどの草におおわれています。私たちが草を刈らなければならない面積は4千坪くらいでしょうか。板塗り作業を終えてから、3人体制で取りかかってきました。でも、想像以上に大変でした。


 Fさんに助っ人として手伝ってもらっているとはいえ、もちろん毎日お願いするわけにはいきません。堆肥研究家は草刈りを面白がっていましたが、刈り払い機を操縦している間は右手でレバーを引きっぱなしです。

  どうやらやりすぎて、親指を痛めてしまったようです。また、興味津々で素手でつる植物に触っていたところ、指にとげが刺さってしまい、取れなくなってしまいました。大変です。


 仕方がないので、私だけで草刈りをおこなうことが増えてきたのですが、私も手足のしびれという持病を抱えていますので、30分続けると手がしびれてしまいます。したがって休憩を十分取りながら、2時間くらいを限度にせざるを得ません。実際は面白すぎて、昨日など4時間やってしまいましたが。


 私の場合、勝負するところは、おもに難攻不落と思われる、草が密集して山のようになっているところです。例えばこんなところ。



 そのほうが、「ガチンコ勝負」でやりがいがあります。もちろん当然力が入ります。草が絡まって、刈り払い機の動きが鈍くなってくると、力ずくで刈った草を払いのけるのです。刈り払い機の刈り払い機たる所以が実感できました。


 ただ、草が密集していると、草の下のほうのようすがわからないので危険です。高速で回転している刈り払い機の刃が、大きな木の幹にあたるときがあり、手に「がくん」と大きな反動が伝わります。そんなときは、焼け焦げたようなにおいがして、嫌な気分になります。今日なんかは、バケツぐらいの大きさの金属の缶にあたってしまい、危なかったです。刃は大丈夫だったろうか。


 また、刈り払い機のあたりどころが悪いと、刈り払い機が大きくふり払われてしまいます。これを「キックバック」というのですが、大変危険です。いくら広いとはいえ、近くに人がいると危ないので、いつも周りに目を配りながら作業しなければなりません。名古屋にいる間に、コマツの教習所で正式に刈り払い機の研修を7時間受けておいてよかったです。


 会計的には、「キックバック」というと、リベートなど何やらお金が返ってくることをいうので、ある面うれしい用語ですが、草刈り的にはあまり経験したくない言葉ですね。


 ということで、私も手のしびれのほか、最近肩や腰が慢性的に筋肉痛になっていました。エスペランサ村のご近所の人からも「よく頑張りますね」と、半ばあきれれられているのですが、何とかめどがついてきました。


最初はこんな感じでしたが、


 ここまでたどり着きました。


 まだ、「そり残し・・・」じゃなかった、刈り残しも少しありますが、まぁいいでしょう。今日はいつもの美味しいラーメン屋で「刈り上げ式」「です。


 それにしても、ワシら「よくやるよなぁ」と、自分でも呆れかえっているのでした。