カテゴリリンク

2012年3月14日水曜日

税金はなるべく払いたくないもの

~確定申告の無料相談は結構忙しい~




 確定申告の時期ももうすぐ終わりです。税金を払うのは国民の義務とはいえ、できることならばなるべく少なくて済むにこしたことはありません。サラリーマンならば源泉徴収で毎月税金を払い、年末調整で1年分の精算を行います。でも、例えば医療費控除を受けるときや年末に子供が生まれたときなど、場合によっては税金の還付を受けることができるケースがあります。そんな時は自分で確定申告をしなければならないのですが、普段申告書を作成したことのない人にとっては、結構面倒くさいものがあります。ましてや、還付を受けることができるのに、気が付かないケースもあることでしょう。知らない人が損をするというのが税金のよろしくない仕組みです。


 私も税理士登録をしていた時期があるのですが、そうすると年に一度は確定申告の無料相談員を行わなければなりません。もともと当時の公認会計士試験3次試験の受験科目の中では法人税法が得意中の得意であり、試験に合格してからも所得税や相続税・資産税を集中的に勉強していたため、税理士登録してからも特に困ることはありませんでした。したがって、無料相談に出かけて行っても、どこからでもかかってきなさい状態で、特にプレッシャーを感じることもありませんでした。


 今は基本的には相談員である税理士は、申告書の代筆を行ってはならないことになっていますが、私が相談員をやっていた初めのころは特にそういった制限はありませんでした。したがって、申告書を書いていただくよりも、自分で書いた方が早いため、下書きから清書まで、ひたすら自分で書きまくっていたのです。9時ころから始まって、相談者がいなくなる大体16時ころまで続くのですが、その間ひっきりなしに書いていますので、12~15人分の申告書を作成することになります。これはかなり疲れました。


 最近では、基本的に税理士は代筆は行ってはならないということになりましたので、相談にのってあげて申告書の書き方を指導してあげるだけでよくなりました。それでも、お年寄りの方や、体調の悪い人が相談にやってくると、「代筆はできないことになっていますので自分で書いてください」と冷たく突き放すことはやはりできません。税務署員に見つからないようにこっそりと申告書を書いてあげるのです。


 無料相談をやっていて困るのは、領収書の束をバラバラ持ってきて机の上に広げ、これで申告書を書いてくださいというやつです。集中して相談をこなしているときに、このような無神経な人が来ると、一瞬逆上しそうになるのですが、ここは心を冷静に保ち、

「しっかりご自分で集計してから持ってきてくださいね」

 とお引き取り願います。また、もっとすごかったのは、医療費控除を受けたいといってバラバラと領収書を持参してきたお姉さんがいて、よくよく源泉徴収票を見てみると、源泉税がゼロだったことです。こちらも、


「お姉さん、税金を払っていないのに還付はできませんがね」

 と言ってお引き取り願いました。


 たまに高額の給与所得がある人が、医療費控除の申告に来ることがあるのですが、うらやましくてわざと間違えてしまいたくなることもあります(ウソですけど)


 無料相談とはいえ、やはり相談に来る人はみんな真剣ですし、お金に関することでもありますので、ミスがあってはならないとこちらもかなり神経を使います。今年も早いもので確定申告の時期も終わろうとしていますが、払い過ぎや還付漏れにはくれぐれも注意しましょう。