~会計監査とレビュー制度に仕事の充実感を見出せるか~
今日は東海会の会計監査の日で、外部の監査法人による会計監査を受けています。先週の14日には、東海会の4人の監事さんによる会計監査が行われたばかりなので、受ける方もなかなか大変です。また5月15日には、協会本部の東海会に対する監事監査も予定されており、ほんとに大変です。
会計士協会もそうなのですが、監査法人も公認会計士協会の品質管理レビューに金融庁の公認会計士監査審査会の調査があるため、どえりゃあ大変です。ほとんど毎日監査とレビュー対応に追われていたら、若い人たちの監査離れが起きるのではないかと心配です。監査の中に面白みを見出すことができればいいのでしょうが。
一般的に組織が大きくなればなるほど組織を守らなければならないという、いわゆる「組織の論理」が働くため、どうしても「個」が埋没してしまい、サラリーマン化現象が進むのはやむをえないことなのですが、大きな組織の中で大きな仕事をこなすという醍醐味もあるため、どちらを選択するかは、あとは個人の価値観や人生観の問題だと思うのです。
私のケースは、最初は大手監査法人に入所し、そこから、小→中→大といろいろ渡り歩いてきたため、それぞれの組織の良し悪しがよく分かります。最初の「大」のときは、大法人といっても個人の事務所が集まってできたところがあり、いくつかの監査室に分かれていました。私の所属していた監査室は60人~70人くらいの監査室で、しかも上下関係があまりなく、一人ひとりがプロという感じで非常に自由な雰囲気の中、大変過ごしやすい事務所でした。また、この先輩はすごいなという人もたくさんいたため、仕事をやるうえで参考になったし、仕事や趣味においてもおおらかに過ごすことができました。今考えてみると、我が会計士人生の黄金時代だったような気がします。
その後名古屋に来て地元の小さな監査法人に入ったのですが、常勤の会計士が8人しかいない事務所で、どうなるか心配だったのですが、別の大手監査法人と合併することになり、名古屋としては「中」の監査法人となりました。「中」のときは、比較的自由で仕事においても裁量があり、成長していく喜びも実感することができます。たまたま「中」のときに名古屋事務所長をすることになってしまったため、事務所を大きくしたいと死に物狂いでひたすらがんばってきました。毎月100時間以上の残業を4~5年続けていたのもこの時期で、けっこう大変でしたがそれはそれで充実していた時期だったと思います。
そして再び名古屋における「大」となり、組織としてはよかったのでしょうが、そこで働く一人ひとりの会計士にとって「大」となってよかったのかどうかは、私にはよく分かりません。多分ひとそれぞれだと思います。ただ、会計士業界としては、今後はやはり中小の監査法人がある程度大きくなっていかなければならないと考えており、どこかでまた合併や再編の波がこの業界にもやってくるのだろうなと、なんとなく感じているのです。
監査法人は再編の歴史なのですから。