カテゴリリンク

2008年8月12日火曜日

会計士補は今日も行くのだ

~ NHKドラマ「監査法人」Q&Aシリーズその6 ~


Q.6 健司の年齢で大会社の主査に抜擢されることもあるのですか?


Ans
��.当然です。バリバリやってもらわなければ困るのだ
��.篠原理事長の飲み仲間だから、特別抜擢されたのです。
��.厳格監査を押し通さないと、なかなかなれませんね。



 そろそろお盆休みという人も多いと思います。私も休み中なので、仕事から解放されると、たまに過去を振り返ったりするようになりました(8月5日で52歳になったのだ)。私が受験生のころは、今の時期はちょうど2次試験が終了して合格発表を待っている期間で、なんとなく落ち着かない日々を過ごしていました。公認会計士2次試験に合格して監査法人に勤め始めたころ、合格前に夢見ていた世界と現実の世界とのあまりのギャップに驚き、落胆と哀しみと怒りと愛情をこめて作った歌があります。「会計士補ブルース」といって、仕事をしながら、心の中ではいつもこの歌を口ずさんでいました。歌詞は、いろいろ誤解を招くおそれがあるためここには書きませんが、27年前は今と違って、出張なんかに行くと会社との接待も結構あったし、ゴルフもよく行われていたようです。


ちなみに一番の歌詞だけ


一.電卓の音が鳴り響き 今日も朝から販管費
   書類の山に気も沈む
   朝から晩まで請求書 めくりめくって領収書
   ついでに月末おいらの飲み屋の請求書
   不況愛嬌なんのその
   会計士補は今日も行く


二.会社の接待大切に・・・・おっとっと、ここで止めておきます。


 この歌は、昔ジャイアンツの柴田勲選手が二軍の合宿所生活時代に、二軍選手の生活ぶりを、哀愁をこめて作った歌があったこと(曲名も歌詞も覚えていませんが)を思い出して作ったものです。
 合格当初はまだ若く、理想に燃えているため、「こんなことではいかん!」と思うのですが、時間がたつにつれて「なんか変だな?」に変わり、いつしか「まぁいいか・・・」となっていくのでしょうか?いやいや、そんなことはないのだ。
 私が入所した当時も、入所後2~3年で(つまり会計士補のときでも)、小さい会社の実質現場責任者(いわゆる主査)を任されることもありましたし、それは今でも変わらないと思います。監査法人内の正式な肩書きとして、主査(マネージャーという事もありますが)と名乗るのは、一般的には公認会計士になって4~6年くらいたってからと思われますが、健司が北陸建設工業の主査を、初めて任されても何の不思議でもありませんし、東都銀行のように、日本を代表するような大会社の主査を、パートナーの吉野さんが担うということもなんら不自然ではないのです。
 第一話の北陸建設工業の監査で、小野寺さんからメールがきて「初めての主査で大変だと思うが、君たちはプロフェショナルなのだから、がんばれ・・・」のシーンには思わず涙してしまいました。若い会計士にとって、「会社を任される」という事は本当にうれしいことであり、私などは、重要な会社になればなるほど、ヨロコビを感じたものです。
 今の若い人はどうなのでしょうか?難しくてリスクの高い会社ほどやりがいがあって面白いと思っているのか、あるいは何も問題がなくて楽な会社ほど担当したいと考えているのかどうなのでしょうね。私の場合は、前者の会社を担当すればするほど、力が湧いてきたような気がするのですが、いかがでしょうか。