1か月ほど前の毎日新聞の記事でしたか、「農業は甘くない」という論説委員の解説が掲載されていました。
基本的に野菜は、自分たちで作ったものを中心に食べているのであまり実感はないのですが、先日手元にない野菜を買いに行ったら、値段がべらぼうに高いのにびっくりしました。
なぜか。
もちろん天候不順の影響もあるのでしょうが、
「大企業のハイテク技術を利用した農業参入が話題になった割には、ことごとく失敗していて、従来通り農家の方々の人手をかけた作業に頼らざるを得ない面がある」
ということなのだそうです。
今まで新聞には、大企業が手掛けたハイテク野菜工場の例がいくつか掲載されてきましたので、ほとんど私が知っている例ばかりです。でも、みんな撤退していたのですね。
新聞によると、
「オムロンが海外の先端技術を持ち込んで始めたトマト栽培は3年で撤退した」
…始めたのは知っているのですが、撤退ですか。
「東芝は、人工照明を使ってレタス、水菜、ほうれん草などを作ったが、2年で施設を閉めた」
付加価値のないものは、採算的に合わなかったのでしょうね。
「ベンチャー企業の『みらい』は最先端技術を…民事再生法を申請した」
「吉野家は、キャベツ、玉ねぎの栽培を始めたが縮小した…要求する品質を満たせない作物もあった」
など。
華々しく新聞に取り上げられていたのですが、失敗していたのですね。知りませんでした。
やはり農業は、単なる機械化・ハイテク化だけでなく、長年の経験と自然に対応する知恵と勘を身に着けていなければならないということなのでしょうか。
ワシらは…というと、採算を考えることもなく、食べたいものを作り、収穫を楽しんで、人に分けてあげて喜ばれ、自然相手に気楽にやっていいます。
とてもはずかしくて農業とは言えませんが、でも自分たちとしては、それが一番なのです。