「第一区画」の畑地帯はバックホーで天地返ししましたが、そのままの状態にしておくわけにはいかないため、Hさんに整地していただきました。おかげ様で、堆肥の投入作業に入ることができました。
果樹園予定の「第二区画」と「第三区画」は、実際に堆肥を入れて果樹の苗を植えるのが来年の予定なので、とりあえずはボコボコの状態にしてあります。でもやはり来年までこのままにしておくのには、外観上抵抗がありました。
果樹は、広い土地に均等に堆肥を敷き詰める必要はなく、いわゆるピンポイントで投入すればいいらしいのですが、例えば植える種類によっては、狭い範囲でもある程度均等に敷き詰めておいたほうがいいのもあります。
堆肥研究家は、世間では珍しい「アケビ園」を作るのが夢なのですが、アケビ園予定地には今のうちに堆肥を敷き詰めておきたいのですね。でも、私の技量ではボコボコの土地を整地するのは無理なので、来年の春まで待つしかないとあきらめていました。
しかし、ここで再びHさんが登場します。先日、「村の集会所」建設の進捗状況を見に行ってみると、なんと「第二区画」の遠くのほうに、以前レンタルしたバックホーより一回り大きなバックホーが力強く活躍しているのが見えました。
私はうれしくなって、バックホーのそばに駆け寄ります。Hさんは「最近いろいろ忙しいけれど、今日・明日は何とか時間が取れたので、今のうちに整地してあげる」と言います。おお!そうですか。我々も、堆肥の投入作業に力が入ります。
私も時折、バックホーの作業を眺めていたのですが、その力強さに驚かされます。まるで工事現場にいるようでした。
すんだ秋空の下、バックホーが炸裂します。
翌日訪れると、再びHさんがやってきました。運転し続けて、お昼になっても一向に運転をやめようとはしません。私が運転に見とれていると、Hさんはエンジンを止め、ドアを開けて私に声をかけます。
「ワシは終わるまでやめないから、あなた方はお昼にしてくれ」と。
83歳のプロが食事もとらずに頑張っているのに、私たちだけ食事に行くはずないじゃないですか。
こちらもそんなやわではありません。私も「備中鍬」を振りおろして、ブラックベリーを植える予定の場所に、次々と穴を掘っていきます。
Hさんは休みなしで作業を行い、終了したのは午後3時半でした。
整地された第二区画です。同様に、最も広い2,500坪ほどもある第三区画も整地されました。宅地分譲しようという誘惑に駆られましたが(うそですけど)、やっと畑や果樹園らしくなってきました。
「整地・開墾編」も、もうすぐ終幕です。
それにしても、この地方の高齢者といわれている人のプロ魂・底力を垣間見た思いでした。
もちろんワシら50代だって、負けていられないのである!