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2014年2月25日火曜日

個人会計士の監査業務

~独立するとなぜいつも税務なのか~

 公認会計士の税務業務に関して、公認会計士サイドや税理士サイドから、いろいろな意見が出されています。


 公認会計士の業務には、監査業務をはじめ様々な業務がありますが、税務業務に関しては、現状は税理士登録をしなければなりません。監査法人は税務業務を今の法律ではできませんので、税務業務に関しては、公認会計士が個人として税理士登録を行って実施しています。もちろん、実務的には何ら支障はないと思っています。


 公認会計士登録を行うためには、公認会計士試験である短答式試験や論文試験に合格するだけではなく、実務経験を経て、終了考査に合格しなければなりません。


 ここで一つ大きなハードルとなるのが実務経験で、公認会計士試験合格者の大部分は、監査法人に勤めることになります。そして、終了考査合格後、様々な事情で監査法人を退職すると、そのうちの多くの人が税理士登録をして、税務業務を行うわけです。このケースの場合、税理士登録をした個人公認会計士は、なぜかほとんど監査業務を行いません。


 監査法人制度ができて47年ほどになるわけですが、できた当初は、法人といってももともとは大きな個人事務所の集まりでした。個人事務所であっても、もちろん上場会社の監査も実施していたでしょうし、今でいうところの会社法監査の対象会社や、学校法人の監査や任意監査もあったはずです。


監査法人は、その後合併や統合を繰り返し、さらに拡大していきます。ビッグ8がビッグ6になり、いろいろ紆余曲折があって、現在は4大監査法人と言われるようになりましたが、クライアントは上記のように様々です。


グローバルに展開している会社や上場会社は、これもグローバルに展開して海外と提携している監査法人が行えばいいのでしょうが、そうでない会社はもっと選択肢があるはずです。


 個人の公認会計士というと、すぐ税理士登録をして、結局税務業務を行っている人が大部分です。


でも、せっかく監査業務は公認会計士の独占業務として認められているのですから、ここは発想を切り替えて、個人会計士が、もっと会社法の監査や任意監査を行うことがあってもいいと思っています。