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2011年12月12日月曜日

公認会計士にとって必要な資質

~「モチベーション」「誇り」「使命感」~


 今年の公認会計士試験合格者が発表になってからほぼ1か月になりますが、合格者の皆様方が無事就職できたかどうか心配です。今年の試験はもうすでにご承知の通り、合格率がだいぶ下がり、合格者の数も大幅に減りました。ほんの3年ほど前の約半分です。それでも監査法人側の求人数は、さらにその半分ほどだといわれています。せっかく厳しい試験に合格したにもかかわらず、就職できない人が半分近くもいるという実態を、いったいどう考えたらいいのだろうか。「待機合格者」などと言い方をすり替えてはいるけれど、大変大きな問題だと思います。この道を選ぼうとした人たちには、ひとりひとりにそれぞれ、迷いと後戻りできないという大変な覚悟と決断・それに人生の岐路があったはずで、しかも膨大な時間と努力を費やしているはずです。その知識を生かせるような機会をぜひ得ていただきたいし、決断は間違っていなかったと後になって言えるような仕事についていただきたいです。


 公認会計士に必要な資質は何かと考えてみました。私は3つあると思います。以前NHKドラマ「監査法人」のDVDに用語解説を書いたのですが、その時に追加で書いて結局「ボツ」になった用語がありました。そこから引用すると


■モチベーション

公認会計士にとって最も必要な要素。たとえ日常業務がハードであっても、モチベーションを高く維持し続けることが、この業界で活躍するためには必要です。「志」ともいいます。志の高さと使命感。これがいかに重要であるかは、ドラマ「監査法人」をご覧いただけるとわかると思います。


■誇り

「地位やお金なんかいらない・・・誇りが俺を支えてくれる」いいセルフだと思います。地位やお金は後からついてくるもの。いい仕事をやっているという自負、つまり誇りがあれば、多少の困難でも乗り切ることができるということだと思います。他人の評価を気にしすぎると、仕事が少しつらくなりますけどね。


■使命感

ドラマ「監査法人」の中で、私のほうからドラマの中のセリフに取り入れてくださいとお願いした言葉が、公認会計士法の中にいろいろ含まれています。


【公認会計士法第一条(公認会計士の使命)】

 「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする」



【公認会計士法第一条の二(公認会計士の職責)】

 「公認会計士は、常に品位を保持し、その知識及び技能の修得に努め、独立した立場において公正かつ誠実にその業務を行わなければならない」


ドラマでは、後者の条文を第6話の冒頭で取り入れていただきました。今こうして条文をPCに打っていると感じるのですが、あらためて重い条文ですね。私を含め全国で働く公認会計士は、我々の原点でもあるこの条文にもう一度立ち返らなければならないのだと思います。


 最後にもう一つ。正しいと思ったことをきちんと主張するのも重要な資質だと思います。間違っていることを間違っていると主張できないようでは、プロの会計士として情けないです。言ってもしょうがないとあきらめたら、それで試合終了ですよ。





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