「エスペランサ村」では、基本的に「生活のすべは、何事においても自分でこなさなければならない」ということを、コンセプトとしているのです。得意なことに集中して、効率的に分業体制をとるのではなく、すべて自分でやってしまわなければならないのです。
村においては魚が重要な蛋白源となるため、当然魚もさばけなければなりません。ただ、私の三十数年に及ぶ包丁人生の中で、残念ながら魚をさばくということに関しては、まだまだ十分なレベルには達していません。おそらく決まったやり方があるのだと思いますので、自己流では限界があります。ならば、専門家に教えてもらった方が手っ取り早いです。さっそくベターホームのお料理教室「お魚基本技術の会」に入会し、勉強することにしたのでした。このあたり、行動力が要求されます。
さて、最初の日です。男性が私一人だけだったらどうしようと思っていたのですが、3割くらいは男性でしょうか、年齢層も若い人からお年寄りまで様々でした。とりあえずホッと一息ですが、でもなんとなく照れくさいです。
各テーブルに4人ずつのグループに分かれて学びます。私のグループは、バンダナの似合う40歳くらいの男性と、新妻らしい女性、それにプロゴルファーの古賀美穂似の20代と思われる女性の4人です。
最初は自己紹介です。バンダナは、
「子供に魚料理を作って自慢したい」
といっていました。
「わぁ~素敵ですね!」と新妻。
「私も子供に…」
と言いたかったのですが、私に子供はいなかったのだ。そして新妻は
「旦那さんに料理をつくってあげたいですぅ」
と言うではないですか。
「♪そんな 時代も あったねと♪」と、中島みゆきの歌詞が頭に浮かびます。
「最初はみんなそう思うんだよ」
と、おじさん(私の事ですが)は思ったのですが、もちろん口にはしません。
美穂ちゃんは、現在家事手伝いのようで、あまり料理はしたことがないらしく、これからに備えてお料理の勉強を始めるのだそうです。若者よ、頑張れ。
さて、どうなることやら。