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2014年7月22日火曜日

基礎

~ちょっと広すぎるんじゃないかい~

 公認会計士試験に合格すると、ほとんどの人は監査法人に入所します。でも、特に大手監査法人の場合は、在学中に合格した人やそのまま浪人しながら試験勉強を続けて比較的若い年齢で合格した人を採用する傾向にあるため、実務経験がない人が多いでしょう。

 その結果、事前に研修は受けるにしても、伝票一枚起票したことのない人が、いきなり監査の現場に投入されることになります。私もそうでした。

 実務経験のないのはやむ得ないとしても、公認会計士として一人前になるためにはここからが勝負どころです。恥ずかしい思いをしないようにするためにも、必死に勉強します。今でもはっきり覚えているのは、試験に合格した翌年の8月頃、なんとなく自信が芽生えた時のことです。

 「ああ、これでもう自分は、どこのクライアントに行ってもどの勘定科目を与えられても、会社の人とうまくやり取りしながら監査をやっていけるな」

 と、実感することができました。そしてその延長で3年間頑張ったときには、「公認会計士としての基礎」が自然にできていたのだと思っています。


 それ以来、私は新人が入ってくると、最初の3年間(特に最初の1年間)どれだけ頑張るかが大事だよと言い続けてきましたし、実務補習所の「所長講話」でも、そのことは特に強調して話してきました。

 なぜかというと、毎年同期の人たちを見てきてわかるのですが、この人がんばってるな思える人と、なんとなく過ごしているのではないかと思える人を比べてみると、1年たつと驚くほどの実力差が付いているからです。そして、その実力差というのはけっして縮まることがないどころか、むしろ広がる一方なのです。


 理由は明白です。いい仕事をした人や頑張っている人には、「じゃ、こんな仕事もやってもらおうか」と一つ上の仕事にチャレンジさせてみたくなるからです。そして、その仕事もこなしてしまえば、さらに難しい仕事・クライアントも頼んでみたくなります。どんどんその人はステップアップしていくのです。

 前置きが長くなりましたが、「基礎が大事」というのを言いたかったのです。建物の場合はなおさらでしょう。


 さて、エスペランサ村に久しぶりに行って、まず最初に確認したかったのは、「村の集会所」の建築現場でした。設計家のNさんのブログを拝見していて、すでに基礎工事の着工が始まったのは知っていたのですが、やはり現場を見てみたかったのです。


 7月3日、設計家のNさん、それに建設会社の社長との打ち合わせを兼ねて、現場に集合です。基礎工事がだいぶ進んでいました。


 「ん!?ちょっと広すぎるんじゃないかい」と、いきなり北海道弁が出てしまいます。

 そして、設計家のNさんの厳しいチェックが入ります。


 Nさんは、日本における「高気密・高断熱」住宅の第一人者で、「『奇跡」』と呼ばれた日本の名作住宅50」にも登場しますし、4月にはエコ住宅の最新版も出版されています。

そしてさらに1週間後


 だいぶ基礎が出来上がってきました。


 でも、やっぱり広すぎるんじゃないかい・・・とまたしても北海道弁が出ます。

 この後、生コンを注入しました。大変な作業でした。

 この集会所のことは、一昨日20日の地元の新聞に、「住宅特集」の広告として掲載されたようでした。

 
 
 エスペランサ村のあるところからは、車で1分くらいのところに小学校がありますし、また車で5分くらいのところには、中学校もあります。さらに、集会所のお向かいには公民館があって、先日そこの広場では子どもたちが楽しそうに遊んでいました。


 堆肥研究家は30年間教師をしていました。この地で子どもたちを相手に「寺子屋」を開いたらよいのではないかと思うのです(ただし、堆肥研究家の目下の関心事はキュウリやニワトリなので、この案の具現化は難しいかも...)。

 私もいずれはここで、「越麻呂会計事務所」を開業するかもしれませんし、そうするとお客さんもたくさん来て、さぞかし大繁盛することでしょう・・・たぶん。


 そうであるならば、このくらい広くたって、全然問題ないではないですか。