松茸とシイタケのどちらがおいしいと思うかと問われれば、私は恥ずかしながら、正直言ってシイタケのほうがおいしいと答えます。松茸は高いのであまり食べたことがないし、お吸い物で出てくることはありますが、香りがいいだけでそれほどおいしいとは思いません。負け惜しみではないです。
ということで、今回はシイタケの栽培に挑戦です。
50歳のころに、恵那に土地を購入してログハウスを建て、この20年間というもの週末になると、お一人で出かけては果樹を植えたり畑を耕しているMさんを、直接訪ねて行きました。目的は、チェーンソーでシイタケ栽培に使う原木を切り倒し、それにシイタケの種菌を仕込むことです。やってやろうではないですか。
車で恵那インターで降りて目的地に向かったのですが、途中で急激に道が狭くなります。対向車が来たらどうしようかと心配しながら、ようやく待ち合わせの場所「鹿の湯」に到着。Mさんが来るまで待っていたのですが、そこで放し飼いにされていた犬と仲良くなってしまいました。犬には好かれるのだ。
Mさんが購入した土地は、約2千坪だそうです。とにかく空気が美味しい。ログハウスの周りには「雪割草」の花が咲いていたり、「ふきのとう」が顔を出していました。また私の好きなヤマツツジがあちこちにあります。5月頃はさぞかしきれいでしょう。
果樹も、プルーンや桃・ブルーベリーに梨や柿、それに私が注目していた桃色の梅ジュースがとれるという梅(たぶん露茜という種類)もありました。私の好きなあけびもあちこちにあります。果樹は実がとれるまで時間がかかりますが、楽しみです。Mさんは、実が熟しても野鳥に食べられてしまうと笑っていました。
昼食後、いよいよ原木シイタケです。Mさんにやり方を教えていただきました。チェーンソーで切り取った原木に、専用のドリルで次々に穴をあけていきます。堆肥研究家は夢中で我を忘れて没頭しているようです。
そして、あけた穴に、原木シイタケの種菌を一つ一つ挿入し、トンカチでたたいて埋め込みます。
これで出来上がり。シイタケ菌が埋め込まれた原木は、日蔭の比較的湿り気の多い所に置いておくのだそうです。約2年後には、立派な原木シイタケができることでしょう。Mさんに教えてもらったやり方で、エスペランサ村で実践するのだと、堆肥研究家も張り切っています。
原木シイタケが終わったら、今度はジャガイモです。鍬で溝をつくって、ジャガイモの種芋をならべていきます。ジャガイモは保存食ですので、これがあると助かりますね。また、ニラの種も蒔きました。夢中で土をいじっていると、すがすがしい気分になります。いつでもここへきていいですよとMさん。ヤマツツジが咲くころに、もう一度行ってみたいです。
帰り際にMさんが、採りたての原木シイタケをプレゼントしてくれました。家へ帰ってからさっそく夕食用に天ぷらにしたのですが、肉厚でやわらかく、しかも歯ごたえがあって、申し訳ないほどうまかったです。松茸なんか、足元にも及ばないのだ。
Mさん、ありがとうございました。