カテゴリリンク

2020年1月31日金曜日

監査法人ー実施業務の多様性

~会計の話は続く~


 先週の日曜日もゴルフだったのですが、本来であれば今の時期、秋田では1年で最も雪が多くて寒さが厳しい時期です。


 でも雪が全くありません。今日も雨でした。大丈夫だろうか?。ゴルフ出来なくてもいいから、雪が降ってほしいです。


 昨日事業承継の話題を書いたのですが、考えてみると私の父親は税理士でいまだに頑張っています。


 弟も税理士で私も税理士。

 ところが、二人とも父親の事務所を継ぐ気は全くなく、それぞれ勝手に自由に自分の好きなように仕事をし、事務所を経営しています。


 独立心が強いわけです。いいんじゃないでしょうか。


 今日、父親の事務所に行って昼食をとりながら話をしていました。

 父親がたまたまチャンネルを変えたら国会中継をやっていて、いきなり以前私が勤めていたあずさ監査法人の名前が耳に飛び込んできました。


 質問者が大きなパネルを用意して、そこにはあずさ監査法人とPWCあらた監査法人の名前が大きく書かれているではありませんか。


 テレビにくぎ付けになりましたね。


 質問の内容はIR…といえば聞こえがいいけど要は「カジノ」。そんなところにまで監査法人が深くかかわっているとは…。コメントは差し控えます。


 監査の現場では、最近人手不足で悲鳴を上げいるそうなので、もっと監査に尽力してはどうか…と思うのですが…余計なお世話ですか。


 人手不足で思い出したのですが、昔「監査難民」という言葉がありました。


 採算の悪い会社やリスクの高い会社の監査を監査法人が引き受けないので、一部の会社が会計監査人を見つけることができず、社会問題化しました。


 日経新聞によると、今年は新規に株式を公開する会社が大幅に減るそうですね。

 理由は大手監査法人が株式公開業務…いわゆるIPO業務に積極的ではないからだそうです。


 IPO業務は新規顧客(監査クライアント)につながるので、私が在職中は各監査法人とも積極的に取り組んでいて、年間の獲得数を競っていたものでした。


 業務内容も非常にいい経験になるし、会社を育てるという楽しみはもちろん、株式公開が実現した時の達成感は、何物にも代えがたいものがありました。


 最近では大手監査法人はよほど採算がよくて大きな案件しか受けないそうですね。


 時代は変わったものです。


 秋田にも、これから株式公開を目指すいい会社があります。


 株式公開業務の経験がある公認会計士は秋田にいるだろうか?


 大手監査法人に頼らず、秋田の公認会計士で株式公開を達成しましょう




2020年1月30日木曜日

事業承継ー秋田の事情

~親族内承継の難しさ~


 昨年の暮れ、「専門家向けの事業承継セミナー」があるというので行ってきました。


 税務対策であれば、専門家なら知っているはずです。あえて「専門家向け」というのでどういった内容かと思ったのですが、テーマは「M&A」でした。なるほど。


 早めに着いたので新聞を読んでいたら、魁新聞の記者から取材を申し込まれました。


 若い女性の経済記者でしたが、的確な質問を次から次へと繰り出してくる、とても頭のいい方でした。


 これから様々な分野で経験を積んでさらに研鑽を重ねていけば、優秀な経済記者になるでしょう。


 若者よ頑張れ!おじさんも頑張る!


 さて秋田の事業承継です。


 事業承継というと、だれでも親族内承継を思い浮かべます。自分の子息子女に継がせるのです。


 ところがある資料によると、20年ほど前は9割以上が親族内承継だったのが、最近では6割くらいまで落ち込んでいるようです。子息子女に限るとなんと4割だそうです…意外ですね。


 秋田の場合はどうでしょうか。


 オーナー経営者は、自分の財産のほとんどを会社につぎ込んで成長させてきたはずですが、いざ親族に事業を継がせるとなると、壁に突き当たります。原因は二つ。


  • オーナーの立場からすれば、親族の中に適切な後継者が見当たらない
  • 親族の立場からすると、事業を承継するという意欲がわかない…若者たちは秋田を離れていきます。

 今後も親族内承継は、減少していく傾向があるといわれていますが、秋田の場合はさらに顕著となるでしょう。


 親族内承継ができないとなると、親族外の役員か従業員へ承継させるか、第三者に売却するしかありません。M&Aです。できなかったら…最悪廃業になってしまいます。


 M&Aだとオーナー経営者は手元に資金が入るので、ハッピーリタイアができますが、売却先を探すのが一苦労です。


 もう一つ重要なのが、会社の売却価額を決めることです。企業価値評価ですね。


 ブログなので細かくは書けませんが、これは私たち専門家の仕事なのですよ。


 東京のコンサルに任せないで、秋田の専門家で対応したいものです。




2020年1月29日水曜日

The Sound Of Silence

~「ごはん論法」のその向こうへ~


 高校時代、サイモンとガーファンクルが好きで、ギターを弾きながらよく歌っていました。


 一昨日の夜も古いレーザーディスクを取り出し、セントラルパークで行われたコンサートを見ていたのですが、最後に歌った曲が「サウンド・オブ・サイレンス」でした。


    People talking without speaking

    People hearing without listenjng


 哲学的でなかなか趣のある言葉です。


 「ごはん論法」というのがあるそうですね。


 「朝ごはん食べたのか」という問いに対して、ごはんの意味を「米」とわざと狭くとらえ、


 「いいえ、食べていません!(パンは食べたかも)」と答えるやり方です。最近某所ではやっているそうです。


 昨日はこういうのがあったそうですね。


 募ったけど、募集はしていない」


 ????????…何か深い意味があるのだろうか?…私にはよく理解できません。


 ごはん論法がさらに毒性を強めたようです。


 私だって負けていません。こんなのはどうでしょうか。


 「あなた、粉飾したでしょう?」


 「いいえ。利益の水増しはしましたが、粉飾はしていません。」


 「社長に命令されたのではないですか?」


 「とんでもない!社長が私に対してそんなことするはずありませんがな(命令したのは部長ですよ。部長に命令したのは社長ですけどね)」


 ほかにも、


 「え~…隠したのはたしかですけど、…いわゆる隠蔽したわけではないわけであります」


 「隠したの隠すという字は、隠蔽の隠という字なんですけど…」


 等々、面白ネタはいろいろあるけれど、きりがないのでもう一つだけ。


 もうだいぶ前になりますが、こんなことがありました。


 真ん中にICレコーダーを置いて質疑応答を行ったのですが、あとで出てきた議事録を読むと、あきらかに内容が異なっていました。


 ICレコーダーを取り寄せて確認した結果、やはり実際の質疑応答の内容が書き換えられていたのです。


 さすがに驚きましたね、この組織が…誰のための…まさかこんなことを…。


 「改竄ではないか」


 と文書で抗議したのですが、先方は謝る気配はありません。


 今考えると、


 「自分たちに都合のいいように書き改めはしたけれど、改竄ではない」


 といいたかったのかも?…当時は気が付きませんでした😢。


 日本語をもてあそんでいけません。





2020年1月27日月曜日

粉飾決算

~責任の取り方~

 事業承継のことを書こうと思ったのですが、日経に気になる記事があったので、そちらを先に。


 (最近農業のことを書いていないので、一部の読者の方にとっては硬い話ばかりで申し訳ないのですが、シーズンが来るまでもう少し…こちらが本職なので…。)


 25日の日経新聞に「東芝系架空取引、400億円超」という記事が掲載されていました。読んでみると、循環取引でした。久しぶりにこの言葉を聞きましたなぁ。


 循環取引というと、新聞にもありましたが、2004年のメディア・リンクスや2007年の加ト吉それにアイ・エックス・アイが有名です。


 証票が存在し、入金があり、残高確認書も金額が一致しているとそれで監査人も満足してしまい、それ以上突っ込めません。監査人泣かせというか、監査での発見はなかなか困難です。


 NHKドラマ「監査法人」を製作した際も、第2話か3話か忘れましたが、当時注目されていた循環取引を取り上げました。


 IT企業に循環取引で粉飾をさせ、主人公の健司と茜に発見させようとしたのですが、専門的すぎてその過程は省略した記憶があります。


 循環取引に限りませんが、粉飾決算を行った場合、その要因はいろいろあるにせよ、責任を取るのは当然「経営者」です。


 最近よく聞く第三者委員会に調査させるにせよ、粉飾を行った決算書を法人名で外部に公表したという事実は動かせませんからね。


 では、JAあきたおばこの場合はどうでしょうか。不適切会計が原因で巨額の赤字が発生しています。


  こちらは循環取引と違って、専門家が監査を行えば容易に発見できたと思われます。


 日経によると、全農を通さない直接販売を始めてから、累積赤字は62億8千万に上るそうです。例の12億の未収金問題はまた別です。


 調査報告書によると、これもよくある記述ですが、「内部統制が著しく欠如していた」のだそうです。


 内部統制の構築責任は経営者にあります。


 ずっと以前は、不正が起こると、経営者は


 「それは職員がやったことで、俺は知らなかったので関係ない」


 という責任逃れをするコメントが多くありましたが、今ではそのコメントを発すると、


 「有効な内部統制を構築しなかった自分の責任だ」


 と、自らの責任を認めていることになるのです。


 ですから、最近不祥事があった際の記者会見を見るとわかるように、「知らなかった」とは言いません。ひたすらカメラに向かって頭を下げています。


 あれは顧問弁護士が指導するそうですね。「頭を下げて、はい1…2…3…4…5…」


 手元にある日経によると、累積赤字の補填策の中に「米1俵あたり300~500円を組合員の農家に負担してもらう」というのがあります…。


 農家はそれで納得できるのだろうか?…できるわけありませんね。


 秋田県人はとても辛抱強いし、じっと我慢する性格の人が多いとはいえ、農家の方の大部分はJAを通じて米を販売しているので、まぁ力関係ということでしょうか。


 一方、過去を一掃して改革を行わなければならない肝心のJA本体ですが、理事はいったん責任を取って辞任したと思ったら、大部分が再任されたそうです…。


 上場会社では決してあり得ない「特殊な世界」です。



2020年1月22日水曜日

おばこ未収金問題ー監査手続

~残高確認~


 もう10年以上前になりますが、NHK土曜ドラマ「監査法人」という1時間番組6本の制作にかかわりました。


 当時(今もですが)監査法人というのはヴェールに包まれた存在でしたので、理解してもらうのがかなり大変でした。


 結局ストーリー展開だけでなく、台本の作成にも深くかかわることができたので、とても充実して楽しかったですけどね。


 世間一般の方は、公認会計士や監査法人がどのようにして監査を実施しているのかよくわからないと思うので、ここで基本的なことの一部を解説してみましょう。


 最近魁新聞で、おばこの未収金問題がまた取り上げられるようになってきました。正確に言うと未収金ではなく売掛金ですが、まぁそれはいいでしょう。


 おばこの売掛金に限らず、公認会計士が監査対象法人の売掛金の監査手続を実施する上で、絶対に省略できないのが「残高確認」という監査手続です。


 残高確認は、実査(監査人自らが現金等に直接手を触れて数える手続)、立会(会社が棚卸を実施する際に監査人が立ち合い一部抜き取り検査を行う)と並んで最も重要で証拠力の強い監査手続きで、「実証手続」といわれています。


 では、残高確認です。


 これは、会社の売掛金残高のうち重要なものにつき、取引相手先に対して、ここが重要なのですが、「会社ではなく監査法人が直接発送して」残高の確認を書面で求める手続です。もちろん書面を回収するのは監査法人です。


 取引相手方に発送する書類を「残高確認書」といいます。残高確認書には、


 「監査先の会社は、あなたの会社に対して○○円の売掛金残高がありますが、間違いありませんか。異なる場合は、そちらで認識している金額を記載の上、不一致になっている要因を記載して返信してください」


 といった内容が記載されています。


 この場合、3通りのケースが考えられます。


  1. 一致している。
  2. 不一致である。こちらで認識している金額は○○円である。
  3. 返信しない。


(1.のケース)

 帳簿残高はそのままで、あとは「回収可能性の判断」を行います。貸倒引当金を計上するのかしないのか、いくら計上したらいいのかという、次のステップに進みます。


(2.のケース)

 不一致となっている原因を会社を通じて調べてもらいます。不一致金額が小さければいいのですが、多額の不一致があると、原因を調べるのが大変ですね。

 原因調査の結果を踏まえ、正しい金額に売掛金の帳簿残高を修正し、次のステップに進みます。

 不一致の原因を調査する際に、過年度まで遡らなければならない場合は時間を要するでしょう。ましてや、過去の書類は保存していない…などといったら調べようがありませんね。


(3.のケース)

 残高確認書が返ってきません。こういったケースはたまにあります。この場合、残高確認書の再発送を行います。それでも返って来ない場合は、代替手続を実施します。

 過去の売掛金計上から入金状況等帳簿を追っていかなければならないので、かなり大変な作業になります。ましてや古い(滞留している)売掛金であれば、なおさらです。

 入金状況は、金融機関から照合票を入手すれば追跡できますが、売上計上に関する社内資料は、その信憑性を確かめなければならないでしょう。

 どこかの政治家のように、「破棄してしまったので、ありません」などといったら絶望的ですね。帳簿保存期間内の破棄など、会計監査には通用しません。監査手続き不能の影響は大です。


 監査報告書は、大きく分けて「適正意見」と「不適正意見」、「意見差控」があります。適正意見以外の監査報告書が出されることは、影響が大きすぎてめったにありません。

 その前に正しい会計処理に修正するからです。


 上場会社であれば、不適正意見の監査報告書が出されると上場廃止になってしまいます。一発アウトです。

 東芝の監査で一時的に意見差控の監査報告書が出されたことがありましたが、これが続くとこれやはり上場廃止になる可能性大です。


 1.のケースであれば、回収可能性の判断で、貸倒引当金の計上金額に関して会社と監査法人との間で折り合いが付けば、適正意見が出されます。


 2.のケースでは、正しい売掛金残高が把握できてそれが帳簿に反映されれば、1.のケースと同様の検討を行ったうえで、適正意見が出されます。


 3.のケースは、正しい売掛金残高が把握できないので、金額的重要性が高ければ、意見差控の監査報告書が出されることになるでしょうね。売掛金を全額貸倒処理すれば別ですが。


 一般的に、公認会計士や監査法人は、売掛金の監査を実施する上で基本的にこのような監査手続を実施しているのです。


 おばこの会計監査に関しては、JAにも監査法人に対しても、それぞれの監督官庁が注視していると思われるので、会計監査を通じて厳しい対応が求められるでしょう。


 会計監査は社会的にとても影響力のあるものなのです。


 1.のケースや2.のケースでも、貸倒引当金の計上金額に対して、監査法人が納得できなければ「不適正意見」が出されることになります。


 監査法人は決して妥協しませんからね。


 不適正意見だけは避けてほしいと考えます。



2020年1月18日土曜日

おばこの会計監査を考える

~二つの未収金問題~


 私が今年最も注目していることの一つが、JA秋田おばこの会計監査の結果、どのような監査意見が出されるかです。


 従来、農協の会計監査は、農協監査士によって行われていました。

 それが農協改革の一環で、一定の基準を満たすJAに関しては、昨年7月1日からは監査法人や公認会計士による会計監査が義務付けられました。600以上のJAが対象になるといわれています。


 私自身もおばこの会計監査をやってみたかったのですが、残念ながらその機会に恵まれませんでした…本当に残念です。


 魁新聞の人事欄を見ていると、JA秋田中央会から農協監査を専門とする「みのり監査法人」へ出向や転籍する人が目についていたので、おそらく秋田県内の農協監査士たちが移ったのだと思われます。


 一部の人たちからは、そのような状況ではJA監査は従来とあまり変わらないのではないかという話も聞きますが、私はそんなことはないと考えています。


 監査法人(会計監査の専門家)がやる監査は、やはり違いますからね。


 で、おばこの監査です。


 昨日・今日の魁新聞にも「おばこの未金収問題」が大きく掲載されていました。


 新聞からわかる範囲では、おばこには二つの未収金問題があると思われます…正確に言うと、一つの「売掛金」と一つの「未収入金」です。



 一つは「宮城の卸会社に対する未収金(といっても売掛金ですが)」で、新聞によると現在12億円回収できていないそうです。


 もう一つは、「関係役員に対して求めた損害賠償金の未収入金」です。


 おばこは、宮城の卸会社の売掛金に対して、前期までは貸倒引当金を計上していないと思われますが、監査法人の監査が入った今期、


 「回収可能として貸倒引当金を計上しないのか、あるいは一部または全額貸倒引当金を計上するのか」


 それに対して監査法人は、卸会社に対して当然「残高確認」という監査手続きを実施するはずですが、


  • その結果どのような判断をするのか
  • その根拠は何か
  • おばこと意見が一致するのかしないのか

 注目しています。


 役員に対する損害賠償の未収金も、未収計上するのかしないのか、回収できるのかできないのか、おばこ側と監査法人側とのやり取りがあるはずです。

 
 私だったら、関係役員から損害賠償金を支払う確約書を入手し、入手できない場合は未収計上できないと判断するでしょう。


 おばこと監査法人の判断が一致すると「適正意見」の監査報告書が出されます。


 一致しなければ、「不適正意見」の監査報告書が、そして入手した資料だけでは判断できない場合、「意見差控え」の監査法報告書が出されるでしょう。


 おばこの監査結果は、全国のJAはもちろん、監査法人の監督官庁である金融庁、監査業務審査会、公認会計士協会の品質管理レビューも間違いなく注目しています。


 なれ合い監査はあり得ません。


 どのような結果になるのでしょうか。



2020年1月13日月曜日

イチジクジャム

~思った通りのおいしさ~


 例年だと今の時期、雪でゴルフも農作業もできないので仕事に集中できるのですが、全く雪の気配がありません。


 今のうちに気になっていたことをやってしまいますか。


 昨年の春と秋、二回にわたって芝生を植えたのですが、どうも水の流れをふさいでしまったようです。


 昨年の秋からの雨続きで、ちょうど車の通り道に大きな水たまりができてしまい、なかなか水が引きません。

 雨降って地固まるなどと呑気に考えていたのですが、とうとう泥んこまみれでぬかるみがひどくなり、4駆の車でもスタックしてしまう心配も出てきました。


 庭師の方は、庭を造る際は最初に水の流れを考えるそうですね。私は素人なので何も考えず、ひたすら一心不乱で芝生を植えていました。




 今度は水の流れをよく考え、敷いた芝生の一部をはぎ取って別の場所に植え替えていきます。それにしてもよく根付いていますね。才能あるのかも。


 昼食も忘れて休みなしで2時間半。久しぶりの運動は気持ちがいいですな。腰が痛いけど…。


 私がひたすら芝生の張替え作業をしている間、堆肥研究家はMaki's ジャム」の試作品を作っていました。


 今回のジャムはイチジクーバナーネです。


 イチジクは、完熟したものを生で食べるのが一番おいしいのですが、皆さんに分けてあげても結局食べきれませんでした。そして食べきれなかったイチジクは冷凍しました。


 解凍した生のイチジクも蜜があふれていてとてもおいしいのですが、ジャムもおいしいに違いないとにらんでいたのです。


 ヨーグルトにかけて食べてみます。


 いやはや、期待通りのおいしさでした。


 今年イチジクはおそらく大量に収穫できるでしょう。どうやって食べるのか。


 村の集会所から歩いて5分くらいのところに、牧場があるのですが、搾りたての牛乳をたまにいただきます。


 この牛乳とイチジクで、生イチジクジュースはいかがでしょうか。秘蔵のはちみつを加えてもいいでしょう。


 もう一つは、乾燥イチジクです。今年の設備投資予算に、業務用食品乾燥機を考えているのです。


 業務用冷凍庫ももう一つ必要かも…。





2020年1月12日日曜日

会長に相談する

~まずはマルベリー120本~


 昨日の続きです。


 これだけ温暖化が進むと、もともと北東北は栽培には適さないとされながらも、知らずに植えてしまったバナーネという品種のイチジク、何とかなるかも。


 そういえば落花生も、もともとは暖かい地域(静岡が本場)でしか栽培できないので、この辺で作っている人はあまりいないのですが、ためしに作ってみたらとてもうまくいきました。


 どうしたらいいのかわからないくらい収穫できたので、「なんとす落花生(どうすんのよ!この落花生)」と命名しました。


 ただイチジクの場合、3年前のように寒波が続くと、軒並みやられてしまうリスクはあります。「想定外」という言葉は通用しません。リスク管理はしっかりやらなければ。


 では何を植えたらいいのか。


 もう本業が忙しくなってきたので、ラズベリーのようにあまりにも手間のかかる果樹は無理です。会長に相談しましょう。


 「わしら勝手に生きていきますケン会」の会長、マルベリー君です。


 マルベリーは、果樹を植え始めた最初の年、「なんだかよくわからないけど、無農薬でもいいみたいだし、まぁ植えてみっか」といって2本植えました。


 わずか3年ほどで実が採れ始め、4年目からはたった2本の樹から冷凍庫にたくさん保存しなければならなくらい収穫できています。


 しかも申し訳ないくらいほったらかし状態でした。すまなかった。


 マルベリーはブラックベリーと違って生食でもいけますし、ジャムも簡単で果実の食感を楽しむこともできます。容易に加工できそうです。手間もかかりません。


 ということで、昨年最後に植えたのかマルベリー39本でした。


 マルベリーというと桑の木をイメージするらしく、「養蚕でもやるんですか」といわれることもあるのですが、全く違います。果実に特化した品種なのです。


 会長は、快く引き受けてくれました。

 越麻呂のためなら、一肌脱いであげると言ってくれています。今年は堆肥をたくさんあげますからね。


 実はこのマルベリー、最近全国的に注目され始めているのです。


 マルベリーはアントシアニンポリフェノールを豊富に含んでいるうえ栄養価が高いことがわかり、健康にいいということでブームになっています。


 ポポーの時もそうなのですが、私たちは流行の少し前を走り始めているようです。


 大量注文するには苗がなかなか手に入りにくくなっているので、昨年の秋には今年の春に植える予定の苗を120本購入予約。


 歩測した結果、200本くらいは植えられそうなのですが、一人でやるにはこのあたりが限界でしょうか。


 残りの敷地もマルベリーに特化するか、あるいはイチジク(バナーネ)を追加するのか、それともなんとす落花生畑を拡張するのか、ペカンナッツという声もあるし…まだ時間があるので考えましょう。


 出来れば今年中に植え終えてしまいたのですけどね。

 だれか手伝ってくれないかなぁ…。

 
 マルベリーをたくさん植えているという話はあまり聞きません。

 
 いいんじゃないでしょうか。



2020年1月11日土曜日

今年の植樹を考える

~2,700坪に何を植えるのか?~


 雪融けを待って農作業を…と思っていたら、雪が全くない状態です。明後日はゴルフの予定。この時期にゴルフなんかやっちゃっていいんだろうか?…いいんです!


 昨年までの5年間で、当初購入した敷地は果樹で埋め尽くしてしまいました。約480本。

 もういいだろうと思ったのですが、昨年の夏に思わぬ展開で、さらに2,700坪です。


 当初はここの環境や敷地の土にどんな果樹が合うのかわからなかったので、いろんなものを植えました。

  • ポポー
  • イチジク
  • 杏子
  • スモモ
  • プルーン
  • つゆ茜
  • アケビ
  • サルナシ
  • ブラックベリー
  • ラズベリー
  • ブルーベリー
  • マルベリー
  • 山桜桃梅
  • クコ
  • スグリ
  • グミ

 19種類。多品種果樹園です。いずれも無農薬で育てられるものばかり選びました。したがって。リンゴ・ナシ・ブドウはありません。


 では、新たな敷地2,700坪には何を植えるのか…難しいところです。


 と思っていたら、町の広報誌に「町役場が栗の苗を提供して植えてあげる、あるいは指導してあげるので、場所を提供してもらえませんか」という広告が掲載されていました。


 いやはや、これはありがたい話ですな。


 私としても、もともと果樹を作ってそれを収入源に…とは全く思っていません。むしろ子供たちにでも開放して、収穫を楽しんでもらおうと思っているくらいです。


 役場が主導して果樹を植えて育ててくれるのであれば私もとても助かるし、収穫物をみんなに分けてあげれば喜ばれることでしょう。


 でも、栗というのはどうかなぁ。秋田では西木町の栗が有名ですからね。


 例えば私がどんなにおいしい生イチジクを作っても、そして


 「こちらこそ真の北限のいちじくなのだぁ!」


 と声高に叫んだとしても、結局北限のイチジクとして有名なのは仁賀保ですからね。先に言ったもの勝ちですか。


 魁新聞で記事にしてくれないかなぁ。


 まぁそれは別として、何を植えるかです。もうここは1~2種類でいきましょう。候補はあります。


 原点に立ち返ってポポーはどうでしょうか。


 ポポーは最初の3年くらいはほとんど成長しません。時間がかかります。時間を買うために、例えば3年物の苗など買おうとするなら、1本15,000円くらいします。


 ポポーなら250本は植えることができるでしょう。


 15,000円×250本の×消費税1.1で=え~~と…ん?…苗代だけで…4,125,000円ですと?


 さようなら。


 ブラックベリーもとてもうまくいっています。

 多分1,000本以上植えることができるでしょう。でも単管も300本くらい立てなければなりません。景観が損なわれます。


 イチジクなら300本くらいはいけるでしょう。生イチジクはとてもおいしいです。私自身「イチジクの魔術師」を自認しています。


 真剣に北限のイチジクを仁賀保から奪還しましょうか。でも、カミキリムシ対策など手間がかかるしなぁ。

 
 困っち!



2020年1月9日木曜日

芋羊羹ー干し柿を添えて

~試作品~


 名古屋に住んでいた時は、頻繁に東京へ出張に行っていたのですが、帰りによく東京駅の地下街で買ってきたのが「舟和の芋羊羹」でした。おいしかったですな。


 昨年、せっかく立派なサツマイモが収穫できたので、作ってもらいましょうか。


 原料のサツマイモは、昨年初めて作ってみた「シルクスィート」。とても甘みが強い品種です。そして砂糖少々に塩を一つまみ。


 舟和よりも全体の甘みを抑え、やや柔らかめ。とてもおいしいです。無農薬・無添加なので、日持ちはしませんけどね。


 芋羊羹と干し柿をセットにして、堆肥研究家が友人にプレゼントするのだそうです。


 この干し柿は、写真ではわかりませんが、裏側が白くなっています。これは砂糖をまぶしたのではなく、柿本来の糖分が、中から噴き出してきたものなのです。


 芋羊羹はまだ試作品の段階で、今後甘みや硬さを調整していきます。私なんかは、これに「秘蔵のはちみつ」を加えてみたらどうなるだろうかと興味津々です。


 うまくいったら、Maki'sシリーズに加えることにしましょう。




2020年1月3日金曜日

原点回帰

~次の5年へ向けてスタート~


 秋田に移住したのは2014年の8月でした。


 当初は仕事のあてもなく、どうなるのか不安でした。でもいろいろ仕事をご紹介いただくことができ、ペースをつかむことができました。


 監査法人勤務30数年の経験を生かし、会計監査アドバイザリーサービスもちろん、起業家支援や事業承継対策などを通じて、多方面で秋田のために貢献したいです。


 一方農業。もう完全に趣味の領域を超えています。


 こちらは自分自身が起業家として行動しなければならないでしょう。


 現在の村の集会所に住むようになってから、まる5年になります。敷地面積は5,300坪ありましたが、荒れ地でした。


 もともとは農地だったそうですが、その面影はありませんでした。


 でも、周りの景観がまるで軽井沢のようでした…あまり行ったことないけど…。


 農業委員会の許可がなかなか下りなくて苦労しましたが辛抱強く粘り、農地だったところを何にでも利用できるようにと「原野」に地目変更しました。

 拘束されたくありませんからね。


 ここを刈払い機で3人で1か月かけて葦を刈り取った後根こそぎ引っこ抜き、



 名古屋にいるときにとっておいた大型特殊免許を利用してバックホーで天地返しを行いました。

 (第三区画…現在のイチジク畑ほか)


 (第二区画―梅並木ほか)


 切った枝もきちんと片づけます。


 土が悪いので作物などできないと言われたこともありましたが、頑張って100トン以上の完熟馬糞堆肥を投入し

 (第一区画―畑ほか)


 レーキで均しました。



 (苗を植えていきます)


 (渾身の草マルチ) 



 そして今では畑はこのように。




  (ジャガイモの花)



 (なんとす落花生)


 果樹園は、最初の1本でしたが



 今思うと穴がずいぶん小さいですな。



 おお!プルーンかな?



 今ではこうなりました。第三区画ーイチジク畑に



 第二区画の果樹たち。

 果樹は現在480本ほど植えてあります。


 これ以上植えると乗用草刈機が余裕をもって通れなくなってしまうので、もう満杯といっていいでしょう。


 そしていよいよ今年は、昨年の7月に購入した農地2,700坪にとりかかります。


 ここの敷地は村の集会所のリビングから眺めると、庭がつながっているように見えるのですが、ある業者がやってきて太陽光パネルを敷きたいといいます。


 景観が大いに損なわれてしまうのでやむなく購入したのですが、タイミング的にはちょうど果樹を植えつくしたばっかりでしたので、よかったのかも。


 きっと神の見えざる手が導いているのでしょう。


 そしてもう一つ。中部地方の方々とのプロジェクトです。


 こちらも5年計画。

 
 おっと、猫ちゃんたちです。

 
 ハナちゃんは



 とてもやんちゃな子猫でしたが


 最近はとてもおしとやかになり、







 大人になりました。


 一方タロニャン君は……



 徐々に……



 少しずつ……


 太りました。