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2014年8月18日月曜日

リンゴ園に教えを請う

~知らないことはなんでも吸収する素直な性格~

 エスペランサ村の約2,500坪を利用して、果樹園をつくります。といっても、素人が思いつきでやってみてもうまくいくはずはありません。ネットや本などで知識を得るのも重要なことではありますが、やはりその道のプロにお聞きするのが一番です。そしてありがたいことに、その道のプロが近くにいるのです。


 エスペランサ村の集会所から、歩いて7~8分くらいのところに牧場があるという話は、先日拙ブログでご紹介しましたが、別の方向に15分くらい歩いたところに、実は広大なリンゴ園があります。広すぎて、境界がよくわかりません。


 このリンゴ園のリンゴは、毎年お世話になった方々に、私たちが感謝の意をこめて送っているものです。こんなに近くにあるとは思ってもいませんでした。

 リンゴ園のご夫婦は、エスペランサ村のある地域一帯をもっとも早く開拓した方たちです。この地に住んで農業を始めてから50年以上になるそうです。これから教えていただかなければならないことがたくさん出てくるでしょうから、さっそくご挨拶に行ってきました。


 リンゴ園の御主人はかなりご高齢だとは思うのですが、長年この地で生き抜いてきた自信が感じられ、引き締まった男らしい表情をしています。また、背筋もピンと伸びていました。お話をうかがいながらも、こちらには緊張感が走ります。


 この方も、私たちがこのあたりに広い土地を購入したということは、すでにご存じのようでした。さっそく

 「ここでいったい何をするつもりなのかね」

 という質問が来ます。おっ、来たか。一瞬ピリッと気が引き締まります。リンゴ園をやると、ライバルだと思われても困るし、そんな気は毛頭なかったため、一応私はその旨をお話します。

 「果樹園をやりたいのですが、リンゴはやりません」

 ちょっと、正直すぎましたか。

 いろいろ考えていた果樹の名前を挙げていきましたが、果樹を長年やってきたという、プロとしての誇りがあるのでしょう。そんなに簡単ではないよ、と厳しい表情でアドバイスを受けました。

 「私を弟子にしてください!!」

 とも思いましたが、まだ今日はご挨拶に来たばかりです。

 「まぁ、外に出てみるか」

 ということで、果樹園を少しだけ案内していただきました。

 ここは一体どれだけの広さがあるのでしょう。ちょっと見当もつきません。

 「何人ぐらいで経営されているのですか?」

 と、興味深く私は質問します。私の得意な、筋書きのない「経営者インタビュー」です。

 そうすると、驚くべき返事が返ってきました。昔は、リンゴにひとつひとつ袋をかぶせたりしていたため、何人か人を雇っていたことはあるけれど、今は主としてご夫婦お二人に、あとは息子さんが手伝ってくれるだけだと言います。これだけの広い果樹園をこんなに少ない人数で・・・ですか。

 「私に手伝わせてください」

 と、口から出かかりましたが、ゆっくりこの地に落ち着いてからにしましょう。

 果樹園には、リンゴだけでなく、ブルーベリーやイチジクをはじめ、さまざまな果物が植えてあります。まさしく私が理想とする、エスペランサ村の将来の姿ではないですか。


 この地で、私の公認会計士としての長い「経験」と「経営力」を生かし、そして、まだ私の中にあるかもしれない「リーダーシップ」を発揮していきましょう。また、場合によっては「政治力・交渉力・説得力」も要求されるでしょう。かつては得意でした。でも、もう残ってないかも。「調和や融合、人の気持ちを大切にするこころ」も必要でしょう。

 それに加えて「越麻呂流アメーバ的発想」があれば、道は開けるかもしれません。


 これだけの環境です。もっと活用の仕方があるはずです。リンゴ園の御主人は、

 「家の前にケートラがある時は家にいるから、いつでも来なさい」

 と、気楽に話しかけてくれました。吸収できるものは、なんでも吸収してしまいましょう。なんだか自然に力が湧いてくるのです。