安倍総理が、「今後10年間で農業所得を倍増するという計画」を打ち出しています。TPPで農家の反対が根強いところですが、「所得倍増」というのは聞こえてくる分にはかなり魅力的に思えます。そういえば昔、所得倍増論を掲げた政治家がいましたね。
以前から、農家の所得はかなり低いと言われてきていましたが、早速調べてみることにしました。NHK解説委員室のHPを見てみると、酪農農家や養豚農家はそれなりに所得があるようですが、果樹農家は170万円、露地野菜が200万円、コメに至っては50万円です。きわめて少ないですね。特にコメ農家は倍増したとしても100万円で、これでは兼業でないととてもやっていけないです。あるいはよほど大規模化するしかないでしょう。
私の手元に、社団法人秋田県農業公社が作成した資料があるのですが、それによると期待所得は、
・稲作…10a(1,000㎡)当たり1.6万円で、3haで48万円
・ネギ…10a当たり17万円
・ホウレンソウ…10a当たり96万円
・トマト…10a当たり80万円
・キュウリ…10a当たり96万円
で、どの作物も10a当たり100万円以下でした。なかなか大変です。
大規模化・効率化・合理化等を突き詰めていき、農業の古い体質を変革し、根底から農業の仕組みを変えるとともに、ネットを利用して流通革命を突き進めれば、10年で農業所得を倍増するといったことは可能かもしれませんが、それによって犠牲になる、今農業を営んでいる人の数も、膨大になるでしょう。
また、都市近郊というか関東・東海・近畿圏で農業を営んでいる農家の立場と、首都圏から離れた地域、例えば東北地方で農業を営んでいる農家とは、それぞれ立場も異なるし、今後の農業のあり方も異なるものと思われます。
そのあたりのところもこれからいろいろ考えていきたいと思っているのです。
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