~なかなか収束しない原発~
菅元首相の脱原発発言を「鴻毛より軽い」と発言したのは、現在の民主党党首で、発言当時は経済産業相だった海江田さんでした。「鴻毛」などという難しい言葉を知っているとはさすがです。悔しいけれど、私は知りませんでした。そこでその時さっそく調べたのですが、鴻(おおとり)の羽毛で、非常に軽いもののたとえだそうです。時の首相発言をそのように批判するのも、なかなか勇気のいることだと思います。
菅元首相の発言が鴻毛より軽かったかどうかは別として、この方の発言は大変重い発言でした。当時の自見大臣のIFRSをめぐる発言です。IFRSについては、当初は2012年を目途に導入するかどうかを決定し、導入する場合にはそこから3年ほどの準備期間を設け、2015年ごろに適用するという道筋が示されていました。
ところがどういうわけか、出版業界をはじめ様々な業界関係者が、あたかも早ければ2015年3月期にIFRSが強制適用となるかのようにはやしたて、書店に行けば会計分野にはIFRS関係の分厚い本がこれでもかとばかりにあふれかえっていたのです。しかも、IFRSは2期比較で開示しなければならず、比較年度の期首から適用されていなければならないから、実質3年前からIFRSを導入しなければならないし、システム投資も必要で、すぐにでも準備に入らないと間に合いませんぞと、IFRS関係本は訴えてきます。人間の心理というのは恐ろしいもので、そういう場合には遅れてしまってはならないと焦ってしまいますよね。そういう私もそのうちの一人で、IFRS関係の雑誌や本を何冊も買い込み、読破していったのです。
流れが変わったのは震災が起こってからでしょうか。なんとなくこの状況ではIFRSどころではないなと話していたところでした。その時突然出てきたのが、当時の自見金融担当大臣のIFRS導入延期発言でした。驚きましたね。このようなこともあるのかと。大変大きな影響力のある発言でした。
最近また福島原発の汚染水が地下水に染み込んでいるとか、高濃度の汚染水が海に大量に流れている事実が報道されています。福島原発の終息宣言をしたのはどこの誰でしたでしょうか。ずいぶん無責任な発言をしたものです。
政治家のナチス発言もそうですが、上に立つ立場の人は、自分の発言がいかに重いかということをきちんと認識してほしいものです。発言の軽い人が、いたるところにたくさんいるのには、本当に困ってしまいます。
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