~都会がうらやましいというわけではない~
最近、大阪都構想だとか中京都がどうだとか、第二の東京都づくり構想が話題になっていますが、私としてはそんなことよりも、東北のほうに想いがいってしまいます。
先日新聞に、小さな特集ですが、ブータンの生活ぶりが取り上げられていました。ブータンといえば昨年、かっこいい国王と美しい王妃が来日し、その控えめで常に祈りをささげている姿に多くの日本人が好感を抱き、ちょっとしたブータンブームになりました。
わずかな記事でしたが、新聞によりますとブータンは仏教国で、そんなに物質的に豊かではないけれども家族とのつながりを大事にし、失業率は高いけれども国民の満足度も高いようです。来日の際に話題となった国民総幸福量(GNH)という指標が、憲法でも取り上げられているのだそうです。
震災からもうすぐ1年になろうとしていますが、東北はもう経済力や工業生産高では都会にはかなわないのだし、あほバカお笑いタレントに無理に迎合する必要もないし、カネがモノをいう世界とは無縁なわけだし、常に何かに追われているような生活や愚かな評価に一喜一憂するような虚しいだけの出世競争も都会の人たちにくれてやればいいし、株や円相場も上がったり下がったりしたって、それがどうしたと思っていればいいし、それだからこそ、東北独自の世界を築き上げればいいではないですか、と思うのですがいかがなものでしょうか。
東北には、時には厳しいけれども雄大で豊かな自然があるし、食べ物やお酒もおいしいし、水も豊富にあるし、温泉だってあまり知られていないだけで、循環ではない源泉かけ流しの温泉がたくさんあります。いい観光地もたくさんあるのですが、広告宣伝が下手なだけで、見どころはたくさんあります。人々は無口だけれどやさしいし、犬や猫も満足そうな顔をしています。土地が広いので、マンションみたいな狭苦しい部屋に閉じこもっている必要もありません。
冬にゴルフができないとか、骨董のいいやつが都会に集まるという、私にとっては少し個人的なマイナス要因はあるけれども、一度国民総幸福の概念を導入して、東北のこれからの進むべき道を考えてみてはいかがでしょうか。