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2011年5月9日月曜日

IFRSがつながった

~熱しやすく冷めやすいとならないように~


 年末年始にIFRSの千ページ本に挑戦したのですが、結局休み中に読むことができたのは6割くらいで、完読したのは2月に入ってからでした。それまでIFRSに関しては、基本的な内容は簡単な本を数冊読み、専門的な内容は雑誌を読んでそれなりに知識を蓄えていたつもりでしたが、どうもすっきり頭の中に入ってきませんでした。実際に適用されるのがまだまだ先の話であることを考えると、そのまま何もしないまま逃げ切ってしまうことも可能ではないかと思ったのですが、会計のプロとしてはそういうわけにもいかないだろうし、やはり大学でIFRSの講座を持つことができるくらいは知識を蓄えておく必要があります。ということで、この際真正面からIFRSに取り組むことにしたというわけです。英語英語と騒いでいますが所詮会計の世界の話ですので、「どこからでもかかってきなさい」なのだ。


 千ページ本を完読して思ったのですが、今まで雑誌等で断片的に覚えていた知識が、分厚い本を最初から最後まで通して読むことによって、見事につながったような気がするのですね。この際だからASBJから出された「収益」「リース」に関する論点整理を読破し、さらにもう一冊の「初度適用本」を今読んでいるのですが、IFRSを巡っては、新聞や雑誌等で、その後もいろいろ興味深い内容が掲載されており、なかなか目が離せません。


 そういえば、内部統制監査も導入前は大いに盛り上がり、私もいろいろなところで挨拶するときには「資本市場の安定化のために、ぜひこの制度を定着させなければなりません」を決まり文句にしていたのですが、実際導入されてみるといわゆるひとつの「重要な欠陥」のある会社はごく少数に限られる反面、不正は後を絶たないようです。また制度自体も、最近、財務報告に係る内部統制に関する基準(意見書)が改定され、こちらも完読してみたのですが、どうやら内部統制監査が簡素化の方向となっています。もう安定的に定着したといえるのだろうか。

 
 IFRSが今後日本においてどのように適用されることになるのは、まだはっきりしないのですが、世界中の100カ国以上で採用されているといった記述がある一方、まったくカーブアウトせずに全上場会社に対して適用している国はほんのわずかしかないといった記事があったりして、本当のところはどうなのかよくわかりません。一時的なブームに踊らされることのないよう、情報の入手だけはしっかり行わなければならないのですが、今回の震災でなんとなく雰囲気的にIFRSが遠ざかったような気もしないではありません。ただ、いずれにしても会計の専門家であり、上場会社の監査を行っている公認会計士は、どんな結論になろうとも対応できるようにしてかなければならないのだと思います。


 突然ですが、ここで【問題】です。






以下の日本語を解読し、何の基準の抜粋か5分以内に答えなさい。

『①顧客は企業が履行する各タスクの便益を企業が「各タスクを履行するごとに」享受する ②他の企業が顧客への残存義務を満たすべき状態である場合に、当該他の企業は、その時までに履行されたタスクを再履行する必要がない・・・』

・・・・・・経営財務より・・・・・・



 

 意味がわかった人?
 でもこれを逆に英語に翻訳できる人がいるのだろうか。










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【答え】
収益認識における「連続的な移転」の判断要件