カテゴリリンク

2014年3月20日木曜日

若いということ


~罪な言葉~

ある程度年齢を重ねてくると、「若いですね」なんて言われたら「えっ?そうですか」などと言いながらも、つい口元がゆるんでしまいます。でも、私なんかは現実的で「若く見えますね」と言われても、「だからといって、実際の年齢が変わるわけでもないしぃ」と、まぁいってみれば冷めた気分です。悪い気はしませんが。


でも先日ゴルフの練習場へ行ったら、受付の女性に「55歳以上のシニアの方は、1時間打ち放題だと料金がお安くなりますが、いかがいたしますか」と言われてびっくりしました。料金が安くなるのはうれしいけれど、私の容姿を見て55歳以上だと判断されたのだと思い、大変ショックでした。でも、よくよく考えると、練習場のポイントカードには誕生日くらいは登録されているはずで、機械にカードを読み込ませたときに、年齢を確認したに違いないと、自分では納得しているのです。違ったらどうしよう。
 

私は「お前若いなぁ」と言われることも多いのですが、これは言っている方は、もちろんあまりいい意味で言っているのではなく、「大人げない」「もっと大人の対応をしろ」と言っているわけです。わかっているけど、なかなか大人の対応ができません。これは性格ですので仕方がないでしょう。
 

骨董の場合の「若いんじゃないの?」は、ちょっと刺激的な言葉です。所有している本人が「桃山時代のもの」と信じ込んでいるのに、「若い」つまりもっと「新しい」、極端にいえば「現代物ではないか」と言われたのと同じです。これは聞き捨てならない言葉です。言われた方も傷つきます。
 

もっとも骨董業界でいうところの「桃山時代のもの」という言葉も、ずいぶん曖昧な言葉のような気がします。実際の安土桃山時代というのは、1573年~1603年でしかなく、美術史的には1615年までいうそうですが、それでも40年そこそこです。

この時代は日本の文化が最も栄えた時代だと言われており、「桃山時代のもの」というだけで、どぉ~んと価値が上がります。まともに信じていると、桃山時代というのは、あたかも100年も200年も続いたかのように思えるくらいです。
 

まぁ、それは極端としても、骨董品を若いと言われて黙っているわけにはいきません。特に酒器の場合はなおさらです。育ててあげるしかないではありませんか。
 

ということで、今日も徳利に、お酒を飲ませているわけです。