カテゴリリンク

2014年1月10日金曜日

お気に入り人事

新シリーズ 川柳番号 44

~成果主義 言ってる中身は 結果主義~

 もう10年以上前になるでしょうか、ある会社の専務から、子会社の新社長を対象にした2日間の研修を依頼されました。ただし、テーマについて注文がありました。会計以外の話」もしてくれと。


税効果会計から始まって、ちょうど新会計基準が次々と出ていた頃だったため、会計の話には事欠かなかったのですが、会計の専門家が会計以外の講演を依頼されたという面白さもあって、引き受けることにしました。この際自分の勉強のためであると。


会計以外のテーマは、「会社の人事」「会社の法務」「会社の労務」3本立てにしました。結局私は二日間で、新会計基準を4時間、人事を2時間、法務と労務をそれぞれ1時間づつ、合計8時間講演を行うことになってしまったのです。


この年の夏休みは、ほとんどオリジナルレジュメの作成に費やしたのですが、中でも面白かったのが「人事関係」です。ずいぶん勉強になりました。ちょうど退職給付会計が導入され、会社の人事も年功重視から成果主義へと変わりつつあった時期でしたが、一方でいち早く成果主義を導入した企業が、逆に社内の活力を削いでしまったとマスコミで取り上げられた頃でもありました。
 

 「成果主義」という言葉がはやりだし、多くの企業が導入に向けて人事コンサルタントなる人を雇って人事制度改革の乗り出したようですが、何をもって成果とみなすかあいまいな業種では、成果主義が本当に会社になじんだかどうかは疑問です。


 人によっては、低いハードルを設定して、それをクリアしたからといって喜んでいる人もいるでしょう。また、自らに高いハードルを設定して、ものすごい努力をしていてもクリアできなかった人もいるでしょう。私なら後者の人を評価します。


 また、はじめから大きないい役割を与えられるひともいるでしょうし、逆に非常に手間のかかる小さな仕事を割り当てられる人もいるでしょう。私なら後者の人の努力を評価します。


 人事の格言として、「人事に弁明なし!たとえ間違っていても!」とは言われるものの、一番困るのは、一生懸命頑張っていても、結局は評価者の「お気に入り」で決められる人事ですけど。


 最初の安部内閣も、「お友達内閣」で失敗したようでしたね。