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2008年12月30日火曜日

修了考査と3次試験

~割れた!!勝利宣言~


 今年も12月20日、21日と実務補習所の修了考査が行われました。年末のあわただしい時期に大変だったと思います。我々の頃は3次試験といわれ、11月に筆記試験、年が明けて1月から2月にかけて口述試験が行われていました。
 難関といわれている公認会計士試験2次試験に合格しても、資格としては会計士補であり、その後実務補習所と実務従事の合計3年間の実務経験を積まなければ、3次試験の受験資格はありませんでした。3次試験に合格して初めて公認会計士を名乗ることができたのです。2次試験に合格してしまうと、目標を成し遂げたという達成感があり、背中に羽が生えてしまって、今までの受験生活で失われてしまった青春をとりもどすのだ~!とばかりに、あちこち飛び回ってしまいます。しかし、日々の生活においては、頭の片隅に3次試験のことが常にあり、2年目になると、もっと遊んでいたいという気持ちと、そろそろ3次試験の準備を始めなきゃいけんなという不安が格闘することになるのです。そして、3年目の春を迎えるにあたって、ついに立ち上がらなければならない状況に追い込まれてしまいます。


 2次試験のときは、誰に注目されることもなく、一人で戦っているため、仮に失敗したとしても、自分のほかには親が悲しむくらいで別に恥をかくわけでもないのですが、3次試験ともなれば話は別です。同期の仲間が同じ事務所に十数人おり、しかも事務所内の人たちは野次馬根性で注目しています。同期の仲間の中で自分だけが落っこちてしまったら、わしはこの先いったいどうやって生きていったらいいのだ~と考えると、失敗したら事務所を辞めてしまおうと真剣に考えたこともありました。
 3次試験は11月の初めに行われていたのですが、私はどういうわけか直前の8月に結婚することになってしまい(試験が終わってからゆっくり結婚すればよかったのですが)、試験の追い込みに結構焦っていたのです。「あいつは結婚したせいで落っこちた」などと言われてしまっては、ウチのカミサンに申し訳が立たないではないかという思いが強かったため、結構頑張ってしまったのですね。その甲斐あって、試験には「お~し、まかせなさい」と、結構自信を持って臨むことができました。


 試験は一科目3時間という長丁場であり、ボリュームがあるため一日目が終わった時にはぐったりしてしまいました。合格の決め手となったのは、2日目の税法でした。この科目は得意科目だったのですが、一問が大きな問題で、非常に複雑な問題でした。すべては計算式が割り切れるかどうかにかかっていました。慎重に計算式を電卓にいれ、「=」ボタンを押す時にはさすがに指が震えましたが、「頼む、割り切れてくれ!」という願いを込めてボタンを押すと、「0.08」、なんと、一発できれいに割り切れてくれたではありませんか。心の中で「ウッシャ~!」と叫び、後は解答用紙に写し間違えないように答えを記入していったのでした。
 税法の試験が終わった後、私の周りで「どうだ?割り切れたか」という会話があちらこちらで交わされていたようですが、割り切れたという声はほとんど聞こえてきませんでした。逆に割り切れなかったほうが正しかったのかなと心配になったくらいです。これで合格と確信した私は、今後、自分の人生でやっと試験から解放されたと心からホットしたものでした。
筆記試験の合格発表は、大垣で棚卸をしている最中に、同じ受験仲間からの電話で知りました。昔はケータイがなかったので、会社の電話の取り次ぎで知ったのですが、幸いにも事務所の同期はほとんど合格していました。口述試験も無事に終わり、やっと肩の荷が下りて、これでやっと「公認会計士」を名乗ることができるようになりました。うれしかったなぁ。今3次試験を受けたとしても、合格できないでしょうね。
今でもたまに3次試験の夢を見るのですが、なぜか不合格の夢が多いのです。困ったものである。