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2008年8月7日木曜日

「ゴルフバックは宅急便で送りなさい」と鈴本公認会計士は言った!

~監査法人は今でもクライアントとゴルフ三昧なのであるか~


Q.NHKドラマ「監査法人」第一話のシーンに、空港からゴルフバックを担いで降りてきて、クライアントとさっそくゴルフに出かけていく会計士がいましたが、今でもそうなのですか?


Ans.
��.昔はそんなこともあったかなぁ。でも今は絶対ありません。
��.昔も今もそんなことはありません。
��.「ゴルフバックは宅急便で送りなさい」と鈴本会計士。



 私がゴルフを始めた今から25年ほど前、サラリーマンの話題で多いのはゴルフの話でしたが、クライアントと会計士との間の話題で多かったのも、やはりゴルフの話でした。まぁ、酒・歌とともに必修科目だったといえば大げさでしょうか。今でこそゴルフは若い人達や女性の間でも幅広く行われていますが、25年ほど前は「ゴルフは金持ちのやるスポーツである、又はお年寄りのやるスポーツであり、自然破壊の元凶でもある。したがって自分は恥ずかしくてゴルフなど絶対に出来ない」と、固く心に誓っていたのですね。
 ところが入所して間もないある日、代表社員の先生に呼び出されると、いきなり「期末監査が一段落したらクライアントの人とゴルフをやるので、君も9月までに出来るようにしておくように」と言われてしまったのです。私は「ゴルフなんてやったこともないし、そんなもの恥ずかしくて出来ません」と必死に抵抗したのですが、その先生に「業務命令っ!」と一蹴されてしまったのでした。


 夏のボーナスをもらった後、私は上平先輩に連れられて、上野にあるシントミゴルフへと行く羽目になってしまったのです。最初に握力を計った後、先輩は、シャフトがどうしたとかトルクがどうだとかSとかRとか、なにやらわけのわからないことをぶつぶつ言っていたのですが、「ワシがいいのを選んであげるからね」といって買ったのは、ゴルフバッグとシューズ込みで8万円の、マグレガーのハーフセットでした。せっかくのボーナスを何でやりたくもないゴルフクラブにつぎ込まなければいけないのであるかと、まったくもって納得できなかったのですが、その後名古屋に来てからゴルフにのめりこむことになろうとは、そのときはまったく考えもしませんでした。
 さて、ゴルフクラブを買ったのはいいのですが、練習場がどこにあるのかもわかりません。東京にいるときは車も持っていなかったので、ととりあえず電車の駅から歩いていけるところに探さなければならないということで、当時住んでいた江古田の駅から西武池袋線に乗って、練馬方面へと向ったのでした。電車の窓から上石神井と保谷に練習場を発見した私は、とりあえず上石神井の練習場へと直行したのです。
 そこの練習場でクラブを借りて、とりあえず一発目を打ったのですが、実は打ったつもりでも、ものの見事に空振りでした。「な~に、止まっているボールを打つだけではないか」と気を取り直してもう一度振ってみたのですが、やはりボールは元の位置にありました。「あらっ?」などと言ってみたのですが、背後からは冷たい視線を感じ、額からは冷たい汗が流れてきました。その後も、右に左にほとんど直角にボールが飛び出すため、頭の中がほとんどパニック状態になっていたのですが、開き直って力任せに思いっきり打ち込んだところ、今度は大ダフリをしてしまい、クラブがネックのところから折れて、30ヤードほど飛んでいったのでした。
 受付へ行って事情を説明したところ、そのおじさんは「このクラブはもう古いけん、こんなこともあるでしょう。まぁあまり気になさるな」とやさしく慰めてくれたのですね。私は立ち直れないくらいの自己嫌悪に陥り、がっくり肩を落として西武池袋線の電車に乗り込んだのでした。そしてもちろん、ここの練習場を訪れることは二度とありませんでした。
 これに懲りずにその後は、電車と徒歩でバッグを担いで、保谷の練習場まで通いながら練習に励み、何とかコースに出ることが出来るようになったのですが、最初のラウンドで思っても見なかったことが起こりました。
 一昔前のゴルフウェアは今みたいにゆったりとしたファッションではなくて、体にぴったりのウェアだったのですね。私の当時のゴルフは、どちらかというと力ずくでボールを飛ばすことに生きがいを感じていたため、思いっきり踏ん張ってクラブを振ったところ、ズボンが太ももからふくらはぎのあたりにかけて、縫い目に沿ってバリバリッと破れてしまったのです。着替えのズボンを持ってきていなかったため、毛むくじゃらの太ももがむき出しになった私は、その場でオロオロしてしまったのは言うまでもありません。ところが、キャディさんが針と糸で縫いあわせてくれたのでした。そのときのキャディさんが、なぜ針と糸を持っていたのか、今考えてみると大変不思議な気がします。
 ラウンドする前に、社員の先生から「何も考えず、とにかく打ったら走れ!」といわれていた私は、ラウンドが終了するともうヘロヘロになっていました。結果は72・70と、散々なスコアで回ってきたのですが、ゴルフが嫌いになるどころか「ゴルフってなかなか面白いものであるな」と目覚めてしまったのです。
 それまでは、駅のホームで傘を振り回しながらゴルフのスイングの真似事をやっている人や、事務所の中でも手でグリップを作り、窓ガラスに自分のスイングを映している人を見ると「なんてアホなんだろう」と思っていたのですが、気がつくと自分も同じことをしているではありませんか。やっている本人は、得意げに「どうだどうだ!なかなかいいフォームだろう、オメーラとは腕が違うんだよ、腕が」と思っているのでしょうが、やはり見苦しいですね。


 ゴルフは奥が深く、一生楽しめるスポーツですので、ぜひ始めてみましょう。ただ、嫌いな人もいますので、無理強いだけはしないように。
 という事で、昔はクライアントとのゴルフも結構ありましたが、最近はほとんどなくなりました。ましてや、出張先にゴルフバックを担いでいくということは、もうないのでしょうね。
 それにしても、研究大会の後の三好CCでのゴルフ、木下専務理事には恐れ入りました。来年の新潟大会までに、練習して体調を整えて、いい勝負をしたいです。