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2007年9月15日土曜日

秋田で出会った怪しい税理士

~「たつ福の寿司は秋田で一番んめや」とその税理士は言った!~


今年に入ってからというもの、超多忙な日々が延々と続いていたのですが、8月に入ってやっと一段落したため、夏休みは実家の秋田に帰ってのんびり過ごすことにしたのです。秋田といえば条件反射的に、米どころ・秋田美人・地酒とくるのですが、私が秋田に帰った時の楽しみの一つに、おいしいお寿司屋さんに行くことがあります。
数年前ある税理士に、秋田でいちばんおいしいといわれているお寿司屋さん「たつ福」を紹介してもらって以来、私は、秋田に帰るたびにそこを訪ねるのを楽しみにしていました。したがって、今回の帰省にあたっても、もちろん目的は家族と久しぶりに顔を合わせることにあるのですが、「たつ福」に何回行くことができるかが重要なポイントとなっていました。


実家に帰ってからさっそくその税理士にアポをとり、まずは私の実家の近所の「武蔵」という居酒屋で一杯やることにしたのです。座敷にすわって待っているとその税理士は、ビジネスカジュアルで来ると思いきや、何と長髪を赤茶に染め、Tシャツに短パン姿、サンダル履で私の前に現れたではありませんか。う~む!ますます怪しさに拍車がかかってきたのです。たばこをやめたらしく、一回り大きくなったその怪しい税理士は、ビール生チューをおいしそうに飲みほすと、「ねえちゃん、おかわりね!」などと言いながら、秋田の名物料理のトンブリ・比内鳥の焼き鳥やから揚げ、刺身をおいしそうに食べていたのでした。そして私の意図をくみ取ったのか、おもむろに「明日はたつ福が休みだがら、わしがケータイで予約をとっておいでやるがら」と、秋田弁丸出しで話しかけてきたのですね。そこで私も秋田弁で「へば頼むな」などと応酬したのでした。


今回その怪しい税理士は、秋田美人のかわいい奥さん(ムツコさん)、それに昨年大学に入学した息子さんを連れてきていました。息子さんはミツル君といって、将来は公認会計士を目指して頑張っているようです。それならば、たつ福の寿司をおごってやろうではないかということになり、三人で行くことにしたのでした。怪しい税理士は、「秋田は人口も減少してるし、経済も縮小してるがら、会計士になっても秋田さ帰ってけばだめだや」と、突き放していたのが印象的でした。
秋田の寿司に関しては、回転寿司でさえなかなかのネタを提供してくれるのですが、それにしてもたつ福の寿司は別格です。本当にうまい。カウンターでおまかせコースでじっと待っていると、必ず最初に出てくるのが肉厚のインドマグロの大トロです。これが絶品で、飲み込んでしまうのがもったいないくらいです。また、続いて出てくるウニは防腐剤いっさいなしで、のりで巻くなどというオロカなまねはせずに、少なめのご飯の上にそのままてんこ盛り状態ででてきます。この甘さは、言葉では表しようのないくらいのうまさで、「人生最後の瞬間に何が食べたいか」と聞かれたら、間違いなく「たつ福のウニが食べたい。食べたいったら食べたい!」と叫んでいるでしょう。他にも車エビ、コハダ、サンマ、鰺、アナゴ(これもとろけるおいしさ)、焼きさば(最近流行っているようですが、たつ福ではだいぶ前から提供していたようです)、赤貝、あわび、スズキ、などをおいしく頂き、最後は再び大トロとウニでしめたのでした。この間、驚いたことに、ミツル君は私の2倍以上の量を食べていたのでした。三人とも十分満足して帰ったのですが、結局私は秋田にいる間に3回たつ福に通うことになり、今年の後半戦に向けて、タップシ生きる元気をため込んだのでした。今から冬の帰省が待ち遠しく感じるのです。


それにしても、この怪しい税理士は、PCにやたらと詳しく「わしは東北の税理士で一番詳しいのだ」と豪語していました。また、無線ヘリコプターを自在に操り、八郎潟では「土手クラブ」なるものを結成して活動しているようです。税理士業は早めに引退し、将来は田舎に引きこもって、牛を飼うのが夢なんだそうです。私も将来は秋田に帰って農業をやるつもりですので、もしかしたら近所に住んで「なんとだすか~」などとやっているかもしれません。名古屋に戻る前に、もう一度「武蔵」で一杯やったのですが、最後に「へばまずな」と言いながら、ムツコさんの運転する車に乗って去っていったのでした。


ちなみにこの怪しい税理士の名前は「越山聡」といって、なんと私の弟だったのです。