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2014年9月17日水曜日

今後の戦略

~草との戦い~

 いよいよこの土地を、本格的に開墾するステージに突入することになりました。まずは草刈りをしなければなりません。鬱蒼と生い茂った草をどのようにして刈ったらいいのだろうか...やり方としては4つの方法がありそうです。


①「草刈り鎌」でやっつける・・・以前、堆肥研究家が、柿の木の周りのしぶとい草を鎌で刈ってしまった方法です。

②刈払い機を使い、人力でこつこつ勝負する。

③自走式の草刈り機で、少し楽をさせていただく。

④トラクターを用いて、短時間で力ずくで攻撃する。


 ①はもちろん、これだけ広いと、ちょっと無理です。③も、草の背丈を考えると、今の段階では無理でしょう。一旦草をきれいに刈り揃えた後なら使えそうです。そうすると、②か④ですね。どちらがいいだろうか。


 エスペランサ村内を散歩していると、近くで何やら機械音がします。さっそく行ってみたら、トラクターを使って作業をしているではありませんか。興味津々で見ていたら、トラクターに乗った人がエンジンを止めて、私のところに近寄ってきました。

 「なにしてらすか?」

 私はさっそく声をかけます。私は標準語のほかにも、各地の方言を操ることができるのです。

 「草刈ってらでゃ!」

 「トラクターで草刈ることでぎるんだすか?」

 「んだ。こいだば座って刈れるがら、楽だや」

 「あ~、んだすか」


 いろいろ会話がはずみます。ご近所なので、これからいろいろ教えていただきましょう。


 会話の中でわかったのは、どうやらトラクターというのは、用途が広いということです。後ろに取り付ける機材を替えることで、いろんなことができるようなのですね。乗ったままで、草刈りはもちろん耕耘機のように土を耕すこともできますし、畑の畝を作るのも得意です。私の中で、急速にトラクターのイメージが膨らんできました。でも、投資金額が大きいので、ちょっと躊躇してしまいます。悩ましいです。


 翌日、ランクルにのったHさんが私のそばを通りかかりました。Hさんにお会いするのはしばらくぶりです。せっかくですので、私が今まで悩んでいたことをぶつけてみます。


 「この広大な土地をどうやって開墾したら、立派な土を作ることができるのか」。


 ここでうまくいかなかったら、後はいくら果樹の苗木を植えようが野菜の種を蒔こうが、失敗してしまうでしょう。私は提案します。


 「この際トラクターを使って開墾し、いい土を譲っていただき、さらにその上から堆肥を20~40トンくらい投入して、鋤き込むというのはどうでしょうか?」


 私としては、大胆な提案をしたつもりでしたが、Hさんの意見は違っていました。Hさんの考えはこうです。


①まず前提として、ここの土はいい土である。

②9月中に草をきれいに刈ってしまう。トラクターだとこれだけ深い草は厳しいので、私はいつも刈払い機で刈っている・・・あなたたちが刈払い機でやってみてうまく出来なかったら、上手な人を紹介してあげる。

③10月に入ったら、大型バックホーで土を深く掘り、いわゆる「天地返し」を行う。いいレンタル業者を紹介してあげる。日数単位で借りると高くつくが、1ヵ月単位で借りると安くつく。トラクターでは深く土を掘ることができない。

④11月くらいに堆肥を投入して、鋤きこむ。

⑤冬になって雪が積もると、雪の重さで堆肥が土に溶け込んでいき、春になるといい土になっている。


ということでした。そして、最後につけくわえます。

「バックホーを操ることができると、面白くてやめられなくなるよ!」

そう言ってHさんは、にやりと笑うのでした。

私の頭の中で、今度は「バックホーで天地返しをしている」姿が駆け巡るのでした。